見出し画像

未経験で銀行員からECコンサルになった時に読んだ本まとめ

こんにちは、東京のIT企業でマーケティングのお仕事をしながら、兼業で手元供養品の製造・販売を手がける「未来創想」という地方の中小企業でネット通販(以下EC)運営のお手伝いをしている先山(@koou0506)と申します。

noteでは実践を元にした地方中小企業のEC運営ノウハウを中心にお伝えしております。

僕は新卒で地元の地方銀行に入行し、2年間法人営業として働いたのち、未経験でECサイトの構築・マーケティング支援を行う会社に飛び込み、ECコンサルとして働いていました。

未経験からのチャレンジだったので、最初の頃は「Googleアナリティクス?CVR?SEO?コンテンツマーケティング?リスティング広告?」横文字が飛び交う中、そもそも何の話をしているのか分からず、外国に来たような気分になったのを今でも覚えています。

最初の頃は、とにかく本やWEBの記事を読み漁り、(SEO対策も兼ねて)自社のオウンドメディアに単語集という形で、用語の意味をアウトプットしながら、1つ1つ自分の中に落とし込みをしていました。

今回は当時実際に読んで良かった本をまとめています。

転職や社内移動で初めてEC担当になる方、これから事業で新しくECにチャレンジされる方などの参考になれば嬉しいです。

※WEBマーケティングは変化が早く、書籍出版時からベストプラクティスが変わっている場合もあります。参考にしていただきつつ、最新の情報はWEB記事などでご確認いただくのがベターかなと思います。

※改訂版が出ているものは、改訂版のリンクでご紹介しております。

EC基礎

■ECサイト「4モデル式」戦略マーケティング

ECサイトを4つのモデル(指名買型/カテゴリーキラー型/単品リピート型/モール型)に分類し、それぞれのモデルに合わせた戦略・施策をまとめてくれています。

ひとくちにECサイトといっても、扱っている商材によって戦い方は全く異なります。

自分の場合は、ECコンサルとして最初から様々なタイプのECサイトを担当させていただいたので、担当サイト毎にこちらのモデルに当てはめて、どのような戦略・施策を取ればいいのかを考えていました。

現在でも、初見のECサイトでは、4つのモデルでどこに当てはまるのかをまず最初に考えています。


■売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

ECに取り組むにあたり、頭に叩き込んでおきたい法則が100個紹介されています。

根本的な考え方から、具体的な施策まで紹介されており、施策部分は、集客・接客(CVR改善)・追客(CRM)の目的別に分かれています。

「見開き2ページで1法則紹介」の形式になっており、1つ1つの法則がとてもコンパクトにまとめられており、非常に読みやすいです。

一度流し読みをした後に、手元に置いておき、辞書的な形で都度必要になった箇所を読み直す形で重宝していました。


WEBマーケティング全般

■現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書

ウェブアナリストとして活躍されている、小川さんの書籍。

ECだけに限らず、WEBマーケティング全般に関して学べ、オウンドメディア/BtoCサイト/BtoBサイト/ECサイト/スマホサイトなど、サイトのタイプ別に、改善の考え方から具体的な改善方法まで掲載されています。

WEBマーケティングの全体像を掴むのにおすすめの1冊です。


■マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 ―Webマーケッター瞳の挑戦!

個人的に新しいことを学ぶ際は、まずは「パッと読めるマンガで全体像を把握」してから、より専門的な書籍を読むようにしています。おぼろげながらでも、全体像をイメージできると重要な箇所とそうでない箇所の見当が付きやすくなり、理解が早くなるので。

未経験からEC業界に入りWebマーケティングを学ぶ際に、最初に読んだマンガがこちら。

マンガ形式なので非常に読みやすく、最初に読んでおくとその後、その他の専門書籍を読む際の理解が早くなるかなと思います。


SEO

■10年つかえるSEOの基本

WEBマーケティングに携わる人はマストで読んだ方が良い1冊。

「10年つかえるSEOの基本」というタイトルの通り、その場凌ぎのテクニックではなく、「検索エンジンはなんのために、どのようなことをしているのか」「検索する人の気持ちと行動を考えてみよう」といったSEOを行なっていく上で理解しておきたい本質的なことが書かれています。

Googleが一貫して言っているのは、「ユーザーにとって有益なコンテンツを提供すること」であり、この重要性を検索エンジンの果たす役割/目指す世界という一番根っこの部分から丁寧に説明してくれている書籍であるとも言えます。

Googleでは日々アップデートが行われ、細かいテクニック的な部分で求められることは変わっていきますが、本書籍の内容をきちんと胸に刻み「ユーザーに向き合ったコンテンツ」を作成することで、Googleのアップデートに一喜一憂することなく、関わっているサイトではターゲットとするキーワードの多くで上位を維持することができています。

内容としても非常に読みやすいので、ぜひ読んでおくといいかなと思います。


■検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書

通称SEO界の赤本です(前職の職場でそう呼んでいただけかも知れませんが笑)。

上記「10年つかえるSEOの基本」が、SEOに関する本質的な考え方を中心にまとめた書籍であるのに対し、こちらはより具体的なSEOに関する技術的な部分がまとめられた書籍になります。

「10年つかえるSEOの基本」で本質的な考え方をインプットした後に、読むのをおすすめする1冊です。

※2008年発売の書籍なので、最新の情報は他の書籍やGoogle公式サイトなどでご確認いただくと良いかと思います


コンテンツマーケティング

■沈黙のWebマーケティング —Webマーケッター ボーンの逆襲

検索順位が急激に低下し、経営危機に瀕したオーダー家具の販売会社「マツオカ」のWebサイトで行われる、各施策やそのプロセスがマンガ形式で学べる一冊。

マンガの合間で解説があり、マンガで概要を掴みながら、解説で詳細を学ぶことができ、理解しやすいです。

登場キャラクターが濃いです(笑)


■いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本

初めてのジャンルを学ぶ際に個人的にお世話になることの多い、「いちばんやさしい」シリーズ。

コンテンツマーケティングの考え方から、コンテンツ設計の仕方まで説明されており、まさに初めて学ぶ導入の本としてふさわしい一冊。

図解も多くあり、非常に読みやすいです。


リスティング広告

■いちばんやさしいリスティング広告の教本

「コンテンツマーケティング」に続き、「いちばんやさしい」シリーズ。

コンテンツマーケティング同様、リスティング広告の基本的な考え方から、実際のキーワード選定・入稿まで説明されており、これ一冊読めば、実際の広告運用も最低限できるようになるかと思います。

実際の広告管理画面のキャプチャも豊富に掲載されており、初めて広告管理画面を触る人にも非常に分かりやすいです。


Googleアナリティクス

■できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260

Googleアナリティクスの導入、設定、見方はもちろん、初めてだとよく分からない用語の解説まで、これ一冊でGoogleアナリティクスを使っていく上で必要なことが一通り学べます。

タイトルにも逆引きとあるように、一度さっと全体に目を通し、どのようなことが載っているのか把握した上で、あとは手元に置いておき、辞書的な形で使うのが便利です。


Googleサーチコンソール

■できる100の新法則 Google Search Console これからのSEOを変える基本と実践

ここから詳細詰める

Googleサーチコンソールでどのようなことができるのか、100個のノウハウでまとめられています。

Googleサーチコンソールは技術的な部分に関わることも多く、非技術者には理解が難しい部分も多いですが、一通りどのようなことができるのか理解しておくと、分析・施策の打ち手の幅が広がるかなと思います。


Googleデータスタジオ(データポータル)

■Googleデータスタジオによるレポート作成の教科書

Googleの用意しているBIツールGoogleデータスタジオ(現:データポータル)の使い方をまとめた書籍です。

現在は他にも多数書籍が出ていますが、データポータルの機能が出たばかりの頃は他に書籍がなく、この本とネットでの情報、あとはひたすら自分で触りながら使い方を覚えていった思い出が蘇ってきました(笑)

Googleデータポータルを活用できると、様々な数字を簡単に可視化でき、サイト数字の把握が非常に楽になります。

自分はデータポータルでレポートを作成し、毎朝メールで飛ばし、サイト上の主要数値を確認するようにしています。


マーケティング

■スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

大学時代の恩師、岩崎邦彦教授の書籍です。岩崎先生の授業をきっかけに「マーケティングって面白い!」と思い、自分のマーケティング人生が始まりました。

本書では、調査結果も用いながら、スモールビジネスが市場で戦っていくための示唆が記されています。

スモールビジネスを展開する事業者にはぜひ読んでいただきたい一冊です。


■小が大を超えるマーケティングの法則

上記同様、こちらも岩崎教授の書籍です。

小ささを強みに変えるためにはどのようなことが必要なのか。タイトルの通り、小が大を超えるマーケティングの法則が記されています。

「小さなお店」に惹かれる人の特徴から、「小さなお店」が取っていくべき方向性のヒントがたくさん盛り込まれています。


■コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 基本編 第3版

現代マーケティングの第一人者として知られる、コトラー大先生の書籍。

マーケティングの全てを知りたい方は、1,000ページある「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」を読んでいただければと思いますが、もう少しコンパクトにマーケティングを体型的に学びたい、という方にはこちらがおすすめ。(とは言ってもこちらも500ページほどありますが笑)

WEBマーケティングに関わる人で多いなと感じるのが、SEO/WEB広告/SNS運用などのプロモーション手法の知識に留まっており、視野が非常に狭いパターンです。(自分にも日々言い聞かせております)

マーケティングの有名なフレームワークで4P(Product・Price・Place・Promotion)というものがありますが、Promotionはあくまでその中の1つでしかなく、その他3つのPと組み合わせて考え、最適化していくことで事業インパクトを最大化できます。

マーケティング自体の考え方を身につけると、より一層視野が広がり、本質的な施策が実行でき、成果にも繋がりやすくなるかなと思います。


■表面的なWEBマーケティングではなく、本質的な部分から取り組んだ事例


■価格の心理学

稲盛先生が「値決めは経営である」と言うぐらい、事業を行うにあたり価格は重要な意思決定です。

本書では、心理学の面から「人が価格をどう感じるのか」、またその点を踏まえて、価格戦略を紹介してくれています。

商品・サービスのポジショニングによって、消費者が支払う金額に大きな差が出てきます。値決めに関する書籍はあまりなく、値決めを検討する際には必ず読んでおきたい一冊です。


おわりに

最後にせっかくなので、未経験でEC業界に飛び込み、具体的にどのようにノウハウを身につけていったのかをご紹介します。

取り組みまとめ

小さくて見づらいかと思いますが、上記が入社3ヶ月で取り組んだことです。

未経験からのチャレンジだと、そもそも何が分からないかが分からないので、最初に先輩方にどういったスキル・知識が必要になるのかを徹底的に聞き、自分が1日でも早く戦力になるために、何が必要なのかを洗い出しました。

そして、それぞれのスキル・知識を身につけるために、いつまでに何をどれだけやるのかを上記のような形で整理しました。

入社して業務をこなしながら気がつく部分もあるので、内容/優先度は1週間に1度見直しながら、PDCAを回していきました。

本を読むのはもちろん大事ですが、最初から最後までただなんとなく読むのでは、時間もかかる上に吸収効率が良くありません。

本を読む際には、目的(何のために何を身につけたいのか)を明確にすることが大事だと思います。

目的を明確にすることで、1冊の書籍の中で自分が身につけなければいけないポイントが明確になり、インプットのスピードは大きく変わっていきます。

新しいことにチャレンジし、スキル/知識を身につけるのは大変ですが、目的を明確にすることで成長スピードは大きく変わってきます。

おすすめ書籍紹介のついでに、新しいスキル/知識を身につける際の本の読み方に関して、少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!


★他に書いているnoteのご紹介

兼業でお手伝いしている地方中小企業のEC運営に関する、取り組みに関してまとめた記事です。チームづくりから、戦略立案〜施策実行までの流れをまとめています。

地方でECを行なっている方の運営のヒントになれば嬉しいです!

楽天で効果のあった3つの施策に関してまとめた記事。

すぐに実践できる施策もありますので、楽天運営に携わる方にぜひご参考にしていただけると嬉しいです。

外部で実施させていただいた勉強会を元に、初めてECサイトを分析する際に見るべきポイントをまとめました。

ECサイトにおいてコンテンツマーケティングに取り組む際に重要なポイントを5つにまとめました。

こちらに書いてあることを実践することで、Amazon/楽天などの超大手サイトにも負けず、検索結果上位を獲得し続けています。

この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?