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宇宙の果ての先の星

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“宇宙の果ての先の星”に関連する超短編小説
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#小説

出来るだけ早く来てね

「1971番、そろそろ時間だ」

私は椅子から立ち上がった

「1971番、何か言いたいことはあるか?」

首を横に振り前を向く
本当は言いたいことは山ほどある

「では行くぞ…」



「出来るだけ早く来てね、宇宙船に乗るまでは毎日連絡して!」

「もちろんだよ、できるだけ早く今の仕事に目処をつけるから」

「うん!」
私より20歳以上若いのだから当たり前だが、目が細くなった笑顔は何処となく幼

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ウサギ

「宇宙の果ての先の星のこと、どう思う?」

「おもしろい試みだとは思うが、まだまだ難しい面も多いだろう….」
父は無関心に答えた。

「私、宇宙の果ての先の星に移住したいと思ってる」

「おいおい、急に何を言いだすんだ。それにどうやって生活するんだ」

「お父さん、一緒に行ってくれる?」

「無理に決まってるじゃないか。」

「じゃ、私1人で行くわ」

「1人で行くって

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あなたと新生活

「“宇宙の果ての先の星”に行って本当に幸せな生活が保証されるの?私とっても不安だわ。親も友達もいないし…」

「あの星は僕たちが住むのに十分な酸素もあるし、この星より自然が豊富っていわれてる。基本的なインフラも完備されているし、これからみんなが移住するから人種も仕事による収入なども差別や格差もないスタートがきれるはずだよ。それにさ…」

「それに?」

「僕がいるじゃないか」

「それはそうだけど

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