今までありがとう
彼の魅力は一言では表せない。
真面目だっり、
本当にバカだったり、
お調子者だったり、
年下なのに頼りになったり、
子供ぽかったり、
その時その時に見せる素振りや表情がいつも違う。
だから毎日会っても飽きない。
そう、恋人より会う機会が多い人。
彼は気づいたら、僕の通っているbarのスタッフとして働いていて、オーナーの右腕となって本店の責任者になった。
アイランズがここまで繁盛店になって短期間に3店舗までなったのは、オーナーの手腕はもちろんですが、それを支えて共に歩んできた彼の力も大きいと思う。
ここ数年は、アイランズ本店は彼の店と言ってもよいくらい、彼に会いに来る常連さんと若い層のお客様に客層が変わった。彼がまだいなかったオープン当時から通っている僕としては驚きの変わりようだ。
でもそれは良い変化。良い進化。アイランズの素晴らしい品揃えと彼のキャラクターが相まって生み出した僕らのbarだった。
barのイメージは、マスターに仕事や恋の相談、愚痴を言うイメージある人も多いと思う。
だけど、彼と僕は違った。
彼がいつも恋の相談をしてくる。
他のお客様いない店でカウンター越し、
「誰にも言ってないのですが、聞いてもらえますか?」
こんな調子で、今気になっている女性がいて、こうしようとと思っている、
LINEでこんな会話したのだけど、どう思いますか?
デートはどこがいいだろう?
お客様お見えになると話は途切れ、また僕1人になると相談される。
後日店に顔を出すと、
その後LINEでこんな展開になりました…
デート行ってきました…
とにかく事細かに報告してくる。
そしてお決まりの、「どう思います?」
こちらは恋の達人でもないし、恋愛の経験だって多いほうじゃないとおもうんだけど、彼は僕の応えを聞いて、自分の中で納得したかったんだと今では思う。
何でそんなことするの?
もっと積極的にいって大丈夫!
もう諦めるの?
女性に対しては、僕に引けを取らない不器用さだった。
でも僕と違うのは、すぐまた気になる女性ができて相談してくる。この繰り返し…
儚い恋や半同棲までの仲まで、アイランズで働いてからの彼の恋は僕が1番知っているはずだ。
そんな彼はもういない。
彼の「ウィッス!」という挨拶も、
帰る時の「おやすみなさいッス!」も、
僕が話すとすぐウトウト寝始める仕草も、
お酒弱いくせに飲みすぎて調子付くことも、
もう彼にあえないから、見ることできない。
ばかやろう
本当にばかだよ….
無理して、週100キロ以上走って膝壊すくらいなら笑えるけど、
ここからいなくなったら、笑えないだろ。
仲間を大事にして、街を愛してたんだから、もっともっと一緒にいたかった。
ホワイトデーのお返しの相談されっぱなしのままだぞ…
忘れないよ
そうあなたの魅力は一言で表す、
あの無邪気な笑顔を…
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