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地獄の根管治療体験記〜これから根管治療する方へ〜

こんにちは。
このnoteを見ている方はきっと、歯の神経を抜く「根管治療」と向き合わなければいけない状況になっている方かと思います。こわいですよね。

この記事では、歯医者嫌いのアラフォーが2年前に体験した根管治療の経験や、悩んだポイント、絶対にミスれないポイントなどを患者目線で書き記していきます。
読んでくださる方が、地獄の根管治療を無事に終えられることを切に願っております。


1. 根管治療をすることになったきっかけ

私自身が根管治療をする羽目になったキッカケは「虫歯の治療」です。
いくつか虫歯が見つかり治療をし、その虫歯たちは無事に治療が終わったはずだったのですが、最後に治療してもらった下の奥歯が運悪く治療直後に歯髄炎を起こし、根管治療となってしまいました。

これまで骨折や手術などの経験もなかった私の人生の中で、地獄度ナンバーワンとなった根管治療がここから始まりました。

2. 治療の流れ

①治療1回目(抜髄)
上述の虫歯治療から数日経ったタイミングで、水がしみるようになり、普通にしていても痛みがあったので、緊急で予約をして診てもらいました。
歯を叩いたりして、幸い膿んではいなかったですが、「不可逆性の歯髄炎」とのことだったので、根管治療に移るかどうかの意思確認をされた後、その日に抜髄でした。
奥歯だったのでなかなか麻酔が効かず、とんでもない量の麻酔をぶち込まれ、震えながら神経を抜かれました。
歯の根っこに消毒を入れて仮蓋をして、根管治療開始です。

そしてこのあたりから、ものすごく根管治療、抜髄について調べました。
ネットの知識だけでその道のプロ(歯医者)と話をするのなんてことはしないですが、狂ったように調べたのは今となっては正解だったと思います。
その理由はこのあとお話します。

治療2回目〜3回目(根っこの洗浄)
抜髄が終わったら、根っこの洗浄を何回か行います。
抜髄は終わったからクライマックスは過ぎたかな、とか思ってたら、全然そんなことはありませんでした。
ここから毎回とんでもない量の麻酔をぶち込まれることになります。
まじ痛い。「ぁ…ぁ…」と、ちいかわ状態です。
塗る麻酔の後に注射型の麻酔という順番だったのですが、元来痛みには強い方ではなく、毎回3発目ぐらいで泣きそうになりました。麻酔の入れ方にも種類があるようなので、奥歯で効きづらくて変えていたのかもですね。
そしてメインの治療である根っこの洗浄自体は、麻酔が効いているので常時痛いわけではありませんでしたが、たまに「キンッッ」と痛みが走るので油断できません。
ほっそーい針みたいなので歯髄の中をこちょこちょしてるんですよ、信じられません。
毎回恐怖で呼吸も浅くなり、泣きそうになっていました。

③治療4回目(土台)
最後に洗浄をして、土台(コア)を入れる工程になりました。終わりが見えてきました。
この工程では根っこ部分に歯の根っこの代わりになるものを入れてもらい(根管充填)、土台を立てました。
そしてこの根管充填で歯の中に入れるものが、患者的にはすごく大事。

ガッタパーチャかMTAか。
※治療自体2年以上前の話で、当時それよりも過去の情報を収集しているので、現在どのような素材、薬品が主流なのかは分かりかねます

これは狂ったように根管治療について調べて正解だったこと。
調べまくった素人の理解は「ゴムか殺菌作用のあるセメントか」。
素人がネットで知った情報で専門的な分野のことを喋るなんて烏滸がましいと思いつつも、MTAを入れることもできるのかと治療前に聞かせてもらいました。
再根管治療とかになったら本当に嫌ですからね。
結果、以前の虫歯治療が発端になってしまったので、無料でMTAにするつもりだよ〜と。ありがたや。
ということで、この日はMTAを充填してもらい、土台を立てました。
このあたりから、痛みも引いてだいぶ人間らしい生活をできるようになってきました。
仮蓋を気にする必要もなくなっていますからね。

このタイミングで、歯(クラウン)の素材をどうするか、土台の素材をどうするか、など決める必要が出てきます。
私はクラウンはジルコニア、土台の素材はファイバーだったかな?
噛み締める癖があったので、クラウンの素材は一番硬いジルコニアにしました。

治療5回目
さぁ、そろそろ一連の治療も終わりです!!!!
前回は土台まで終わっているので、別途作ってもらっていたクラウンをくっつけて終わり。
もろもろの下準備を完了し、顎が外れるんじゃないかと思うぐらいの強さでクラウンをぐいぐいくっつけて、最後は高さなどを整えて終わりました。

・・・・・・・・・・

一連の治療のフローはこんな感じでした。
混んでいる歯医者で保険治療だったこともあり、週1ぐらいで通院、トータル1ヶ月半ぐらいかかったと思います。
新しいクラウンが完全に馴染むまでは、半年ぐらいかかったかな。
今でもよく覚えているのは、まじで麻酔が痛かったこと。笑

あとはこの後にも書きますが、治療期間中の過ごし方について。
これは手探りだったので、本当に大変でした。
食事や睡眠時などの過ごし方のコツは調べてもあまり出てこなかったので、詳しく書きます。

3. 治療期間中の生活について

①食事について
・食事のときは片側(治療してない方)でいけると思わない
・早めに諦めて流動食に切り替える
・仮蓋がとれないように気をつける

私が過ごした中で大事だと感じたのは、上記3つです。
抜髄した日、歯医者では「治療中の歯は使わないようにね」とだけ言われたので反対側で普通の食事をしてましたが、少しして反対側にも似たような痛みが出てきました…
おそらく負荷をかけすぎたのですね。
違和感を感じたときにすぐ流動食に切り替えたので、なんとか事なきを得ました。
そして「仮蓋」とは。
これは消毒後の歯に簡単につける天井みたいなものです。
これが次の治療までの間に取れてしまうと、場合によっては処置をしてもらわなければなりません。非常に面倒です。
それもあって私は、歯にとって一番安全な流動食に切り替えました。
流動食で過ごすと、4日目から痩せを実感する、という発見もありました。笑

流動食のメニューについて
●スムージー
とりあえずAmazonでスムージーを作れるミキサーを購入し、果物や野菜を買ってスムージーにしていました。
こんな丁寧な生活はしたことがありません。

●具なし茶碗蒸し
スムージーに飽きた頃、目をつけたのが茶碗蒸し。ただし具なしです。
パンはおろか、最初の方はお粥でさえも噛めなかったので、当たり前です。
卵と白だし、電子レンジさえあれば作れたので、非常に助かりました。

●市販のスープ
具が入っていないので、味の素の「牛乳で溶けるじゃがいもポタージュ」にも救われました。(コーン一粒でも怖くて食べられなかったので具があるものは避けていた)
冷たい牛乳もOKだったので大助かり。

●リゾット的なやつ
体調と痛みに余裕が出てきたらリゾット的なものもつくりました。
お粥状にした米に、マ・マーの「あさりコンソメ」をぶち込んで完成。ジップロックで保管も可。
(ただし、パウチ内に入っていたマッシュルームなども噛めなかったので切り刻んでいました)
貝柱の缶詰や粉チーズもよく使っていました。

③睡眠について
これも大変でした。
というのも、昼夜噛み締める癖があったためです。
明らかに噛み締めちゃいけないのに、昼間は気をつけることができても、寝てる時は無意識なので寝るのが怖かった。
当時はマウスピースを持っていなかったので、自分の歯型で型をとれるものをAmazonで買って、魔改造して使っていました。
明らかに良いことではないのですが、うっかり噛み締めたときに治療中の歯に当たると良くないので、当たらないよう魔改造に至ったという感じです。
※根管治療が終わった後に歯医者さんでちゃんとしたマウスピースをつくりました。今では噛み締め癖も治って卒業しています。

④痛みについて
治療期間中は家に帰っても痛いです、はい。
少し落ち着いたと思ったら次の治療の日がやってくるので、また痛くなります。それの繰り返しで、一日1回ぐらい「ズキン…」って一瞬痛くなるのが怖かったです。正体不明の痛み。
あと、麻酔の注射を打ちまくってたからか、顎も少し腫れていて、しばらく痛かったです(抗生物質を飲むほどではなかった)。

痛み止めはロキソニンが効きました。
歯医者では数錠しかもらえなかったので、個人輸入していたロキソニンがすごく役に立ちました。
ロキソニン、効果のピークは1時間ほどらしいので、ガチで痛い時は完全に切れる前に追いロキソしなければなりません。
やりすぎると胃が逝くので、ガスターやムコスタなどの胃薬と一緒に飲みます。

4. 一連の経験の中で思ったこと

①根管治療を回避することはできたのか
定期健診をきちんとして、フロスも正しく使う、かつ噛み締めの癖もなかったら、防げたかもしれません。
自分の歯をよく観察したら、虫歯になっていたところは、口を閉じたときに上下の歯が重なる部分で、噛み締めの影響かレジンが欠けていたりしていました(若いときに治療したもの)。
おそらくそこが少しずつ欠けていって虫歯菌が入り込み、歯の中で虫歯が広がったのかと思っています。
歯磨きとかフロスは念入りにしていた方だと思いますが、正しいやり方ができておらず。かつ、長年噛み締めていたことも要因となり、結果的に根管治療になってしまいました。

②万が一また根管治療になったら

考えたくもないですが、生きている限り可能性としてはあるんですよね。
今回治療した歯が運悪く再根管治療だとか、他の歯とか。
次もしそうなったら、私は自費治療にするかもしれません。理由は恐怖の期間を最短にしたいから。
なんなら今回の治療の途中で自費のクリニックに切り替えようかと思ったぐらいでした。
毎回歯医者に行く前、怖くてお腹痛くなるレベルで嫌だったので。
つねに微妙に痛いのに、仮蓋がとれないか気にしながら四六時中生きているのが本当にストレスでした。

自費治療は保険治療に比べると、べらぼうに高いですが、患者一人に対して使ってくれる時間が長い、かつラバーダムやマイクロスコープなどの器具を使ってもらえるところが多いんですよね。
抜髄だとか消毒だとかの治療の内容は変わらないですが、安心感があるのと、結果的に短い期間で治療を終えることができるかもしれません。(歯の状態にもよると思いますが)


ここまでつらつらと思ったことを書き連ねましたが、治療から2年ほど経った今、予後は特に問題ないです。
根管治療は私の中では、人生の中で経験したくないことTOP3に間違いなく入ります。
ご自身や家族が初めて根管治療と対峙されている方、不安で仕方ない方の役に立つことができたら幸いです。

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