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吹田市と滋賀県高島市の意外な関係

 滋賀県高島市にある陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で、昨年(2018年)11月、訓練中に迫撃砲弾が国道付近に落下した事件を覚えていますか?

発射方角誤り指示、確認も怠る 滋賀の陸自誤射で懲戒処分 https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181218000069
 陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)の迫撃砲誤射問題で、陸自は18日、射撃実施部隊の分隊長が思い違いで部下に誤った方角を指示し、安全確認を怠ったまま射撃訓練を続けるなど複数の原因が重なったとする調査結果を明らかにした。陸自は射場指揮官の1等陸尉を停職8日とするなど幹部ら計14人を懲戒処分とし、他に5人を訓戒などの処分とした。…


 同演習場では、2015年7月にも銃弾が民家を直撃する事件が起こっていて、私もニュースで見たときは、「うわー、滋賀県で起きたんだ。怖いな」ぐらいにしか思わなかったのですが、実はこの事件が吹田市にも関係していることを後から知ってビックリ。


●吹田市の少年自然の家が高島市に


 吹田市は、1962年からの千里ニュータウン開発で住宅地が増え、子どもたちの自然に触れる機会は非常に少なくなっていました。そこで市は、1980年5月5日『発見・冒険・挑戦』をテーマにした少年自然の家を開設。その所在地が事件が起こった滋賀県高島市でした。

 少年自然の家と演習場との距離は、わずか350メートル。上記の事件では、少年自然の家から1.8キロメートルの所に迫撃砲が着弾しています。


 少年自然の家は、通称「もくもくの里」と呼ばれ、自然の中で野外炊飯や自然観察などの野外活動に親しめるほか宿泊も可能とあって、今では青少年だけでなく、家族連れや学校、少人数の集まりにも利用が広がっています。

 そんな中、吹田市は民間のノウハウを活かして市民サービスの向上や効率的な管理を目指すとして、2020年4月より運営審議会を廃止し、これまで市が担ってきた少年自然の家の管理運営を指定管理者に行わせることを決めました。


●指定管理者制度を導入して大丈夫?

 饗庭野演習場では、陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練が行われており、事故が相次ぐ米軍輸送機オスプレイも飛来しています。重大な事件・事故が起こった場合、初期対応を指定管理者に任せることになりますが、「民間事業者にその責任を負わせるのか」という心配の声も。

 また、民間事業者が日常的にどこまで住民説明会に参加したり、高島市と連携したりするのかという点でも不安があります。


 吹田市が指定管理者制度を導入した施設は、2018年4月時点で50件にのぼります。しかし、演習場に隣接した施設、まして子どもたちを中心に利用されている施設を対象にするのは、果たして適当なのだろうか、疑問が残りますね。


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