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海外移籍するかもしれないKリーガー(前編)

 今シーズンも残すところ1試合となったKリーグ。この時期になると各クラブ翌シーズンに向けて選手の契約や監督人事の準備を進めなければならず、代理人の仕事が忙しくなる。同時に皆さんも選手の契約や去就が気になり始めるのではないだろうか。

 そこで今回の記事では、選手の今シーズンの活躍や過去のメディアの報道などを元に「海外移籍するかもしれないKリーガー」を前編・後編に分けて紹介していく。中にはJリーグ移籍の噂がある選手も多いので、Jサポの皆さんは応援しているクラブの補強ポイントなどと照らし合わせながら見て、楽しんでいただきたい。

チョ・ヒョヌ

 国籍:韓国
ポジション:GK
年齢:27歳
所属:大邱FC
移籍先候補:欧州、Jリーグ

 昨夏のロシアW杯で韓国代表の正GKのポジションを確保し、特徴的なヘアスタイルと同大会での好パフォーマンスで世界中にその名を馳せた。

 スーパーセーブを連発したW杯メキシコ戦後には、所属クラブの大邱FCにリヴァプールとASローマが直接連絡を入れたほど、GKとしての実力はアジアトップクラス。当時は兵役義務があったため欧州移籍は実現しなかったが、ジャカルタ・アジア大会での金メダル獲得により兵役問題はクリアになっている。

 チョ・ヒョヌ本人は欧州移籍を目指しているが、欧州クラブとの交渉が上手くまとまらなかった場合はJリーグへの移籍の可能性が高く、「韓国ではありえない額のオファーが日本から来た」と大邱FCもJクラブからの関心を認めている。

プレー動画: https://youtu.be/oJtClJRsOco

マルコン

国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:24歳
所属:慶南FC
移籍先候補:広州富力、広州恒大

 今シーズンのKリーグ1で得点ランキングトップの26ゴールを挙げているブラジル人ストライカー。196cmの長身と強靭なフィジカルが武器で、空中戦では絶対的な強さを見せる。

 2シーズンに渡りKリーグで圧倒的な結果を残し続けているマルコンだが、実はサッカーを始めたのは18歳のときで、それまではプロのバスケットボール選手を目指していたという異色の経歴の持ち主。また大のKポップ好きでもあり、ゴールセレブレーションに、韓国の人気アイドルグループ『TWICE』の振り付けをするほど。プライベート面でも見事に韓国文化への適応に成功している。 

昨シーズンの冬の移籍市場では、ガンバ大阪からの関心が伝えられていたが、その際は「自身初めての海外挑戦のサポートをしてくれた慶南に恩返しする」ために慶南FCに残留した。しかし、今シーズンはKリーグ1得点王と慶南FCのクラブ史上初のACL出場に大きく貢献し、新しい挑戦を希望していると予想される。中国・広州の2クラブが、マルコンへのオファーの準備しているようで、中国メディアの報道によると、移籍金は日本円で約5億円とも。

プレー動画: https://youtu.be/KbhHgRS4BQk

ウロス・デリッチ

国籍:セルビア
ポジション:FW
年齢:26歳
所属:江原FC
移籍先候補:中国超級リーグ

 昨年の冬の移籍市場で江原FCに移籍してきたばかりだが、すぐにKリーグの環境に適応して、今シーズンのリーグ戦ここまで35試合に出場して24ゴールを挙げる活躍を見せている。

 196cmの長身で、マルコンと同様に高さを活かしたヘディングやポストプレーが得意だが、欧州出身の選手らしく、マルコンよりやや足下の技術があり、柔らかいタッチでゴールを挙げることもできる。また、外国人助っ人ながら、前線からのプレッシングも積極的に行うため、そのような献身的な姿もチームやサポーターから高評価を得ている理由の1つだ。

 最近はセルビアメディアがデリッチの中国移籍の可能性を盛んに報じている。さらに、セルビア1部リーグのFKナプレダク・クフツェヴァツとFKラド・ベオグラードの試合で、江原FCのスカウトが目撃されており、江原FCはすでにデリッチの後釜を模索している模様。報道通り中国移籍が濃厚だが、長身FWが活躍する傾向があるJリーグでも同選手の使い道は多いと思われるため、Jクラブにも同選手の獲得を推薦したい。

プレー動画: https://youtu.be/U8PFhNx6XaY

キム・ミンジェ

国籍:韓国
ポジション:DF
年齢:22歳
所属:全北現代
移籍先候補:天津権健、欧州

 身長188cm、体重78kgの巨漢CB。圧倒的な空中戦・対人プレーの強さに加え、左足での高精度のロングキックにも定評がある。

 昨シーズンに延世大学から全北現代へ入団すると、元韓国代表のチョ・ヨンファンのポジションを奪い、ルーキーイヤーでリーグ年間ベストヤングプレーヤー賞&Kリーグ年間ベストイレブンを受賞。さらにアジア最終予選を戦っていた韓国A代表にも選出された。

 今シーズンは、全北現代と韓国代表で絶対的な地位を築き、リーグ屈指のCBとして成長。リーグ戦序盤には、イングランドの強豪アーセナルとトッテナム、リヴァプールからも興味を示されていた。

 しかし、最近は恩師チェ・ガンヒ監督の就任が決まった中国・天津権健への移籍が濃厚だ。まだ22歳と若く、将来性がある選手であるため、欧州への挑戦を選択してほしいが、果たして…。

プレー動画: https://youtu.be/pTQIJo0Wtc4

ファン・インボム

国籍:韓国
ポジション:MF
年齢:22歳
所属:大田シチズン
移籍先候補:ベンフィカ、スポルティングCP、ドルトムント、ボルシアMG、シュツットガルト

 今最も欧州移籍に近い韓国人選手の1人。長短のパス精度の高さが売りで、足裏を使ったプレーも得意。韓国では数少ないプレースタイルのボランチで、そのプレースタイルから国内では『韓国のピルロ』と呼ばれている。

 今シーズン前半戦は兵役義務履行のために牙山ムグンファでプレーしていたが、ジャカルタ・アジア大会での金メダル獲得により兵役免除となり、後半戦は所属元の大田シチズンに復帰。ロシアW杯以降はA代表にも定着し、年明けのアジア杯での活躍が期待されている。

 昨シーズンからポルトガルのベンフィカが強い関心を示しているが、ここに来てベンフィカのライバルのスポルティングCPやドイツの複数クラブからの関心も伝えられるようになった。これまでファン・インボムは、Kリーグ2(韓国2部リーグ)でのプレー経験しかなかったために、欧州のトップリーグでの活躍に猜疑心を抱くファンも多かったが、最近の韓国代表の国際親善試合で、世界相手に技量が十分通用することを証明した。

 おそらく年明けのアジア杯でキ・ソンヨンやク・ジャチョルは代表を引退する。彼らの抜けた韓国代表を牽引していくためにも、早期の欧州移籍を目指しながらも、自分のプレースタイルと合致するチームスタイルの移籍先を選びたい。

プレー動画: https://youtu.be/xwLYLO6XRgw


後編について…

 前編の紹介はいかがだっただろうか。
 前編は欧州や中国への移籍の可能性がある選手を多く紹介したが、後編はもう少し市場価格がリーズナブルな選手を多く紹介する予定だ。そのため、後編に紹介する選手はJリーグへの移籍も高く、Jサポの方はより注目して読んでいただきたい。Jサポじゃない方も読んでいただきたい。

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