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ママの結婚


 NHKの「みんなのうた」に「ママの結婚」というタイトルの歌がある。今年11月に再放送の枠に入っていて聴いた。ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。再婚する母を祝福する、たぶん高校生の女の子の目線の歌詞。坂田おさむさんの歌声と西内としおさんのアニメーションがとても良くて、しみじみと心に響く。

 初回は2002年の6月の放送だったらしい。もう20年も前の曲なのにその新鮮さ!主人公の心模様な描きかたがほどよく丁寧で、5分弱の曲にドラマのような展開が詰まっている。

  ママはわたしを育てるためにすべてを捧げてくれた。「2人しかいない写真、ごめんね」と呟くけど、足りないものなんて何もない、ママはいつも抱きしめてくれた…

  心閉ざす時も、どんな時もわたしだけのためにずっと生きてきたママ…これからはママが自分のために幸せになる番…

 こんな感じの歌だ。でももっと泣いてしまうのは最後…

  ひとつだけお願い。わたしは忘れない、パパのこと。そっとしまっておくわ…

 ここの部分のアニメーションがまた絶妙なのだ。赤ちゃんの頃、別れたパパとベビーカーを押すママ…なんだかそこで泣いてしまう…電車で遠い街に行ってしまうパパ…

 子どもにどんな影響があるのか、離婚について語る人は多い。この歌は立場を取らず、何かを伝え、そして聴き手がそれぞれに自分で解釈できるように委ねている。それでいてこの主人公の女の子と、花嫁のママ、新しいパパ、さらに離ればなれになったパパ、みんなみんなの幸せを祈らずにはいられなくなる。

 おめでとう。お幸せに…。

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