見出し画像

097 ホットでクールか、現代日本の仏教寺院

     写真:劇場のある寺、一心寺のシアター倶楽(Wikipediaより)

 すでに四半世紀ばかり昔の話になりましたが、テレビ大阪が、
 「今お寺があつい!」
 という番組を放映しました。
 制作したのは当時、ぼくが担当していたゼミの女子大生たちです。

 彼女らは企画段階でいろんなことを調べました。
 で、日本には寺と神社が約8万か所ずつあり、当時4万店(2018年:約5万8000店)を数えたコンビニの2倍に上ることに驚いたといいます。

 不思議はありません。寺も神社も普段の彼女らには無関係なのですから。

 そんな彼女らが寺に興味を持ったのは、知人の若い仏僧が寺でのロック・コンサートに出演したからです。

 「金色の仏像や燭台にレーザー光が当たると、ほんと、綺麗なんです。それに残響の迫力がすごい。
 音響効果はライブハウスなんかよりずっと上ですね」

 が、なぜ寺でコンサートなのか。それが不思議だったようです。
 そこで、つぎのようなヒントを提供した。

 「奈良の東大寺の別名は『総国分寺』とも言うんや。
 そこには昔、中国から最先端の文化と文明が伝わった。
 早い話、あの奈良の大仏様も当時の最先端の科学と技術があればこそ建造できたんや」

 そんな知識や技術が「御言持(みこともち)」という名の一種の伝令役の手で各地の国分寺や国分尼寺に届けられ、そこを訪れる一般の人々に伝えられました。

 つまり、寺は今の大学のようなものだったのです。
 というより、パソコンこそなかったが、そのつながりはインターネットに似た役割を果たしていたのだと考えることもできます。

 面白くなった彼女らは寺回りを始めました。
 すると、演劇の上演や文化講座を開催している寺、坊さん経営の酒場などがみつかりました。

 で、「今お寺があつい!」という番組が完成したのです。

 この記事とは関係がないのですが、ぼくは、こんなキンドル本を出版しています。
 無論、Kindle Unlimited なら、無料でダウンロードできます。お読みいただけると、大喜びします。
 お役に立つかどうかは微妙ですが、随所で、お笑いいただけると思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?