もしもボックス

 ドラえもんのひみつ道具の中にもしもボックスというものがある。見た目は電話ボックスで、電話機に向かって「もし〇〇だったら」と伝えるとその世界が実現するというもの。私がこの道具を使うなら「もし私に威厳があったなら」と伝えるだろう。そうすれば、若者に膝カックンされてからかわれることもないし、列に並んでいて割り込まれてムカっとすることもないし、32歳にして中学生に間違えられ「中学生だと思いました」と言われることもないし、電車の中でほげーっとしながらもしもボックスほしいなあと思うこともないし、帰ってすぐになんか疲れたからひとまず寝るという選択をして不規則な睡眠時間になることもないのだろう。今欲しいものは威厳です。