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年賀状(553文字)

毎年11月半ばを過ぎると、「あ…そろそろ年賀状を準備しなきゃ、」と思う。思うだけで、結局、重い腰を上げるのは12月後半になってから。しかし今年は喪中ハガキのため、例年より少し早く用意した。

年賀状は、いつも印刷したものに必ず手書きコメントを添えるようにしている。そして宛名も手書き。今どき…感が半端ないけど。コメントはともかく、宛名も…となるとそれなりの時間がかかるけれど、一人ひとりの顔を思い浮かべながら、「今はここに住んでいるんだな〜」とか、「もうどれくらい会っていないんだろう、どうしてるかな…」とか、過去の思い出に吹き出しそうになりながら、下手ながらも丁寧に書く。

年賀状の送付リストには、日常的な付き合いのない友人も多い。「今年こそ会いましょう!」という年初のお誘いが毎年実現しないまま、そんな誘い文句も徐々に書かなくなったりしているけれど、一年に一度、宛名を書きながらそうやって思い出すのも悪くない。

最近はアケオメをSNS上で交わすだけの若者が多いようで…文化や風習は段々と変わっていくものなんだろうと思う。また、年賀状じまいという言葉もよく耳にするようになった。遠からず自分もそんなお知らせをすることになる可能性も否めないけれど、今はまだもう少し、年末の『旧知の友を思う時間』を楽しみたいと思う。


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