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最近、本が読めない

サムネイルの写真はジョニー・ミッチェルとジェームス・テイラーの1970年、フランスでのライブ音源のCD。ドーナツ盤のデザインが粋だ。アコースティックライブ。2人とも初々しい。

さて本題、最近、本が読めない。
2021年5月末、会社解散、自分の年齢もあり、仕事を辞めた。
その途端、一気に悪いことが出てしまった。7月末、マウンテンバイクでの練習中に心臓をやられて入院。急性心筋梗塞だった。運良く人々の助けもあり、助かる。そして8月から治療とリハビリを続けた。
2022年1月、すでに心臓は80%復活している。本くらい読める体力と時間はある。でも読めない。直ぐに本を閉じてしまう。集中できない、頭に入らない。入院中の時の方がよっぽど本を読んでいた。

そんな折、人と会うため、久しぶりに電車に乗る。
本を開くとなんとスムーズに本の世界へ入れる。
何十年もの間、通勤、通学の電車の車中で本を読んでいたので、身体がそうなっている。これは習慣、よう知らんけど。

最近ブックオフオンラインで買った本。
本を買う時、AmazonかBOOKOFFか、新刊はAmazon、中古はBOOKOFFが値段的に安い。本屋は、あの神保町の三省堂で、新刊本がないという経験を何度かしたので、ネット中心となった。街の本屋はおまけ付きの雑誌ばかりだ。
まだブックオフをうろついた方が楽しい。変な世の中になったと思う。

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ピエール・ルメートル
欧州の世界大戦時における歴史ミステリ、これは3部作の最後。
「われらが痛みの鏡」
他の2作、
「天国でまた会おう」(映画化された)
「炎の色」
は既に読み終わっている。ピエール・ルメートル 、「その女アレックス 」あの個性的なカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズが有名だ。
面白いが、ちょっと内容がキツい。フランス人作家なので、聞き慣れない登場人物の名前が多く、頭にはいらない。つまり人物像を名前から構築しにくい。映画や漫画と違い、登場人物を頭の中で構築出来ないと、物語に入りにくいのだ。その点では、日本の小説は楽だ。
読むのに時間を取られるのが分かっているので、躊躇してしまう。

ダニエール・フリードマン
「もう耳はかさない」
差別的な発言満載、80歳越えの元刑事が活躍する。女性向けではないミステリ小説。別に気をつかうほどでもないけど、なんだかね。
これも、「もう年はとれない」「もう過去はいらない」に続くシリーズ最新刊だ。アメリカでは、小説はまだまだ表現が自由なようだ。

ちなみにスラング、差別用語満載のハチャメチャの娯楽小説のナンバー1は、ジョー・R・ランズデールだな。テキサスの鬼才。ハップとレナードのシリーズは最高だが、もう手に入らない。中古でも少ない。何故って、私にようなコアなファンが持ち続けるからだ。しかし、昨今の人達、面白さの基準が違うのか、残念だと思う。

さて、「もう耳はかさない」の主人公「あの頭のいかれてる野郎は、撃たれて、死ぬか動けなくなった方が、街の平和のためになる」そんな大統領も驚くような言動と倫理観で、銃を悪人にぶっ放す。
そんな元殺人課の刑事の爺さんが、とんでもない活躍をする小説。
私好みの内容だが、何故か読む気にならない。ここまで閉塞感のある状況では気持ちがのらない。

この小説を読めない状態は、有名な剣豪が強敵を相手に動けず居付いてるのと同じではないだろうか、
「この本を読む事、それが老い先短い私にとって最善の時間の過ごし方か?」常に問う。
「無駄だろう。老後、お金を儲けないと生活できないぞ・・」
「マジかぁ、でも自粛だぞ」
そして躊躇して読めずにいる。
馬鹿馬鹿しいが、そんな状態になっている。
ちなみに電車の中では選択肢がないから、読書に集中出来るようだ。

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