見出し画像

国立天文台(三鷹の天文台) 50年目にして初めての訪問 3(終了) 最後はボイジャー(無人宇宙探査機)となる。

<三鷹国際報時所跡
三鷹の天文台、三鷹キャンパス内には、昔、天文台以外の施設もあった。
受付で渡される見学コースのパンフレットに記載がないので、余り知られてはいない。
それは三鷹国際報時所跡だ。
国際的な報時信号を受信し日本の時刻を保持していた機関。アナログ時代の日本の時間を管理していた。
現在、インターネットに繋がれた機器はタイムサーバに同期している。タイムサーバは便利だけど危険もある。ソフトで細工が出来る、映画の犯罪でも、たまに使われている。一方アナログの機械式時計では、指で針を動かすしかない。とは言っても地球にいる限り、人が時間を動かせることは出来ない。

20201213三鷹天文台_201214_40

その報時信号を受信していた高い60メートル鉄塔の基礎跡が3カ所、ススキの原に残っていた。
昭和18年調布飛行場から飛び立った陸軍戦闘機、おそらく飛燕だと思う。その軍用機が鉄塔にぶつかって墜落炎上した。昭和20年4月、同飛行場東側の高台に設置された高射砲の発射に邪魔だとして、鉄塔は撤去された。

三鷹国際報時所の既に建物は取り壊されて、現在の三鷹キャンパスの北西に門柱だけ残っている。

画像10

ここでの仕事、まず国際報時を受信したら、子午儀で得られた正確な時刻をリーフラー振子時計という標準時計に移し、さらに発信時計に同期させて報時さていた。
このリーフラー振子時計は、ドイツのジグムント・リーフラーが1891年(明治24)に開発した精度の高い天文時計。
昔の家の唯一の時計は柱時計だ。ゼンマイ式の振り子時計。その基準時間をラジオなどで三鷹から発信していた。そう思うと感動する。

画像3

<ピラミッド型の結界?
竹林の中が切り開かれて、ピラミッドが設置されていた。
汚れた説明看板もあるが、一読では頭に入らない。

画像4

これは、大正当時、大陸移動説を唱えた物理学者が地殻変動調査のために設置した菱形基線のピラミッド型の覆いがされた「基準標識」。
今も定期的に測定されているとか、それよりインスタ映え的な不思議な場所と言える。竹って冬に青々と葉がしげるので、その青と相まって、より不思議な空間となっている。

<時間旅行をしてみませんか
この竹林とピラミッドの回廊をある規則を持って歩く。歩くことが暗号キーの解除となる。
歩き終わった。これで時間の出口が開くはずだ。水の流れのように時間が遡り、竹林をでると時間が変わっていた。
「なんだここは!」
そんなSF的な気分になったけど、三鷹の天文台、木々も空も世界はなにも変わっていなかった。

2020.12.16三鷹市、星と森と絵本の家_201216_44

しばらく歩くと、古い建物が見えてくる。
東京帝国大学理科大学天文台高等官官舎、今は「星と森と絵本の家
古い建物内にはいると、狭い縁側から冬の太陽の光が入り込む。そこにはに星と森との本と絵本が散りばめられていた。

2020.12.16三鷹市、星と森と絵本の家_201216_19

2020.12.16三鷹市、星と森と絵本の家_201216_9

畳に座り込み、外を見ると武蔵野の森が広がっていた。
時間旅行、過去への旅行をしている。
親父が天文台の外灯の下で、紫外線の波長に反応して寄ってくるカブトムシ。アホみたいに地面に落ちてくる。その雄だけを手で捕まえて、段ボールにぶっ込む。そんな姿を思いだしていた。

2020.12.16三鷹市、星と森と絵本の家_201216_23

<ボイジャーくん
「ボイジャーくん」の絵本を発見。遠藤 賢司さんの絵本だ。
グレッチのギターだ。妙なとこで食いつく俺だった。

画像9

遠藤 賢司さんは、2017年に亡くなった。日本のニューミュージックの創世記から活躍していたシンガーソングライター。
彼の愛用のグレッチホワイトファルコン。このファルコンは世界で一番美しいギターと言われている。

本の題となるボイジャーくん、NASAの無人宇宙探査機である。
調査を終えたボイジャー1号、2号は太陽系を離脱した。そしてさらに遠くへ宇宙空間を飛び続けてている。

ボイジャー1号
打ち上げ 1977年9月5日
木星通過 1979年3月5日
土星通過 1980年11月12日
太陽系(太陽圏)脱出 2012年8月25日
ボイジャー2号
打ち上げ 1977年8月20日
木星通過 1979年7月9日
土星通過 1981年8月25日
天王星通過 1986年1月24日
海王星通過 1989年8月25日
太陽系(太陽圏)脱出 2018年11月5日 どこまで行くんだ。
三鷹の天文台の訪問は長い旅になったが、これにて終わり。

画像10



この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?