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[改訂版]新人職員のための債権管理『超』基礎講座_債権の種類とその管理


それでは早速、今日の講座を始めたいと思います。
今日は、チャプターワン、債権の種類とその管理です。
まずは、どんな債権があるのか、どういった特徴があるのかを理解してくださいね。


テーマを三つに分けました。
1、債権管理2.0
2、公債権と私債権
3、債権管理状態の見直し
これらを順番に説明していきます。

債権管理2.0って何?って感じだと思いますが、令和2年4月1日の民法改正で、取り扱いに若干の変更があったりしたので、2.0としております。
ここでは、主に消滅時効の期間が変更になっていることを確認しておいてください。
別の動画で詳細は説明しますが、私債権に分類されるものが変更されています。
簡単に触れておくと、民法改正前は、私債権に分類される、それぞれの債権ごとに時効期間が違っていたのですが、改正後はほとんどの債権が5年に変更されました。


国保料、国保税に関しては、民法改正によるものではなく、それぞれの法律により2年、5年と規定されているものになります。
この表では、地方自治体の債権のうち、ほんの一部しか紹介していません。
実際にはもっとたくさんの債権がありますので、皆さんの自治体では、どんな債権があるかを確認してみてくださいね。


債権は、大きく、「公債権」と「私債権」に分けられます。
それぞれ、債権の性質が違いますので、確認していきましょう。
公債権は、1、法令で公債権と明確に位置付けられている場合があります。
これは、公の施設の使用料など、主に地方自治法に規定されている債権を指しています。
さらに、2、行政処分による場合があります。
これは、住民の方からの申請や、一定の要件に該当する方に、行政側が許認可などの決定をするものを指しています。
これら公債権には、審査請求などの不服申し立ての機会が設けられていることも特徴的です。
続いて、私債権です。
1 契約または契約に類するものによって発生するもの
金銭が関係する行政サービスは、契約行為等によって成立しております。
例えば、奨学金を受けるための金銭消費貸借契約などがわかりやすいと思います。
また、2、債権の本質が私法関係にあるものも、私債権に分類されます。
私法関係ってちょっとわかりにくいかもしれませんね。
民法のお話になるのですが、ある目的に対する意思表示や合意などにより金銭債権が発生することをいいます。
私債権に関しては、どちらのパターンであっても、根っこには、契約関係がある、という理解をしていただければ、比較的わかりやすいと思います。
ただ、スライドの留意点にも書いていますが、債権の分類の判断は、見解が分かれているものもあったりするので、一度に全ての債権の分類を理解することは困難です。
その都度、精査、検証をしていくようにしましょう。


今は、かなり減ってきていると思いますが、約10年前なんかは、債権の管理なんかは、まったく手がかけられておらず、放置されている状態が蔓延していました。
例えば、市営住宅の使用料などは、滞納が生じても放置、連帯保証人にはまったく請求しない、なんて状態が当たり前のようにありました。
この資料を作りながら、思い返しても、ホントにいい加減な管理状態だったと背筋が凍ります。
なので、債権管理担当となったみなさんは、まず、自分んのトコの債権管理がどんな状態なのかを確認してください。
未収金回収も重要ですが、それ以前の問題が山積みの場合も少なくありません。
そこで、適正な債権管理を見極めるポイントを7つ紹介させてもらいますね。

重要項目だけ説明しますので、その他はスライドで確認しておいてください。
まず初めに、納付、納税通知書はきちんと送達されているでしょうか?
普通は、問題なく送達されていると思いますが、すでに転出している方や、死亡した方など、通知書が届かずに戻ってきたまま放置しているケースがあります。
この場合は、請求しなければならない債権の成立自体に問題がありますので、きちんと送達すべき方に届いているかどうかを確認する必要があります。
次は、消滅時効です。
先ほど、消滅時効期間のお話に少し触れましたが、
それぞれの債権に決められている消滅時効期間を経過してしまうと、請求もできないし、支払いがあっても受け入れることができなくなってしまう債権があります。
公債権に分類されるものは、全てこれに該当します。
税や介護保険料などですね。
消滅時効期間の進行状態を確認することも重要時効です。
最後は、交渉記録や書類の発送記録など、行動の記録がきちんと保管されているかの確認です。
これは、主に未収金回収の場面で重要になります。
債権を回収しなければならない相手と、これまでにどのようなやりとりがあって、
どんなアプローチをしているかがわからなければ、今後の方針を立てるのに支障をきたします。
適正な債権管理のポイントを簡単に説明しましたが、私の経験上、結構これらがおろそかになっている事例がありました。
みなさんは、ここで紹介した7つのポイントを頭の片隅において、業務にのぞんでくださいね。


最後に、この内容の動画を公開していますので、貼り付けておきます。
よければ視聴してみてください。


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