自分を守るために。よどんだ場所に住んではいけない
私はもともと、活発な女の子だった。
元気に外を飛び回り、誰とでもすぐ友達になる。明るく楽しく朗らかな、子どもらしい子どもだった。
でも、それは小学校一年生までの話。
小二の夏休みに転校してから、私は自分に自信の持てない、心にすねた部分を持つ暗い子どもに変わってしまったのだ。
三月は引っ越しシーズン。
これから子連れでお引っ越しを考えている皆さん。お子さんの将来のため、どうか住む地域は慎重に選んでほしい。私のような失敗をしないために。
もともと住んでいたところは転勤族の多い町
夏休み前まで住んでいたのは、名古屋市名東区の「藤が丘」というところだ。
現代的な町名からわかる通り新興の町で、住んでいるのも若者が多い。手軽に借りられる家も多かったのだろう、転勤族の多い土地だった。
藤が丘では、毎日が楽しくてたまらなかった。学校でも帰宅後もいいお友達に恵まれて、夢中になって遊んでいた。
みんな優しく思いやりがあって、イヤな思いをしたことなどほとんどなかったのだ。
引っ越しをした先は、旧弊な町
小学校二年生のとき。
親がマンションを購入し、引っ越しすることになった。
引っ越し先は名古屋の違う区だった。名東区とはちがってあまり開発されておらず、代々の土地に一戸建てを建てて住む人が多い。
人の出入りも少ない町だ。
区が変わるので、当然学校も転校することに。マンションは3月から入居できたのに、なぜかうちの親は夏休み中の引っ越しを選んだ。
夏休みが明けて初登校の日。
私が教室に入って最初にかけられた言葉は、今でもはっきり覚えている。
「私たちAのことムシしてるの。だから、あんたもAをムシするんだよ」
クラスメイトが何を言っているのか、私にはさっぱりわからなかった。
ムシってなに? 虫のこと?
藤が丘で朗らかな毎日を送ってきた私は「無視」という言葉を知らなかったのだ。
転校生に初日から「おまえもイジメに荷担しろ」と言ってくる同級生たち。
前の学校とのあまりの差に、私は愕然とした。
まさか、まわりの子どもたちが総じて意地悪だなんて。
私もイジメのターゲットに
そして当然のように、転校生の私もイジメのターゲットになった。
下校中に犬のフンを踏まされたり、お気に入りのワンピースに絵の具をつけられたこともあった。
女の子たちから無視されたこともあるし、テストでいい点をとれば「生意気だ」と陰口をたたかれたり。二年生の頃は、毎日泣いて帰っていた。
三年生になると一緒に戦う同志ができて、ひどくいじめられることはなくなった。
それでも、意地悪な子は次々とターゲットを見つけ、攻撃をしかける。
幼稚で意地悪な同級生たちは、中学卒業までずっと幼稚で意地悪なままだった。
小学校二年生から中学卒業までの間に、私はすっかり人間不信になった。
ちょっと気を抜けばいじめられる。出る杭は打たれる。
無視されたりいじめられたりイヤミを言われたりしている間に、自分の存在にも自信がなくなった。
私は生きている価値があるんだろうか。
私なんて何をやってもダメで、誰からも愛されないんじゃないか。
そんな自己否定が、すっかり脳裏に染みついてしまったのだ。
新興の町にある高校はパラダイスだった
以前の記事にも書いたが、私の高校はニュータウンの中にある新しい高校だった。
→「私は軍隊高校の生徒だった」
校則は厳しかったけれど、生徒たちはみんな大人びていて、いい意味で個人主義。
成績がいい子にイヤミを言ったり、つまらないイジメをするような生徒は一人もいない。
各人が他人の目を気にせずやりたいように行動できて、中学までとは大違い。厳しくも楽しい高校生活だった。
引っ越しするならこういう場所に住め
私の経験からオススメする引っ越し先。
それは。
人の出入りの多い町
藤が丘のように転勤族が多い町でなくても、よそ者を受け入れる柔軟性がある土地を選んだ方がいい。
川と同じだ。人の流れがない土地は、どんどん気がよどんでくる。住人の性質が陰険になっていくのだ。
さらに。人の流れがない分、一度上下関係ができると、その関係がずっと続いてしまう。下手をしたら一生誰かに従属するハメになるのだ。
そんなわけで。
お子さん連れでお引っ越しを考えている方は、「気がよどんでいる場所」には住まないよう気をつけて。
住む場所は、子どもの人生に大きな影響を与えますよ。
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