(今日は身バレの可能性もあるので、有料記事にします。読者様の反応によっては、有料範囲が変わるかも)

前回の「黒歴史」の記事、たくさんの方に喜んでいただけたので、調子に乗って今回は私の高校時代について書こうと思う。

うちの高校の話をすると「マジで?」「信じられない」「よくそんなとこ行ってたね!」と驚かれるので、けっこう特殊だったんだろう。

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　目次

・入学式の洗礼

・軍隊レポート
　　1.集団行動訓練
　　2.式典中のしきたり
　　3.掃除の前後
　　4.いつもと違う靴をはいたら
　　5.ストッキングをはくときは

・反抗を試みる自由民権運動の生徒たち

・でも、高校は好きだったな

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入学式の洗礼

黒歴史の記事にも書いたが、私の学生時代は管理教育全盛期だ。
加えて私の出身愛知県は悪名高い「管理教育帝国」だったらしい。

中学では、月に一度の風紀チェックはあたりまえ。
スカート(当時は長い丈が不良だった)や前髪の長さ、爪の長さも厳しく計測され、カバンの中身をすべて教師に見せるのも当然だった。
当時の中学生にプライバシーなんてありゃしなかったのである。

そんな中学時代を経て、私ははれて高校生になった。

私が入学したのは、開校して8年目の新しい高校だ。
本当はもう一校受けようか迷っていた高校があったのだが、そちらは中学同様校則が厳しい学校だというウワサがあったので、受験直前に志望校を変更したのだった。

入学した高校は、ニュータウンの中にあった。
新しい土地だからか、生徒もどこか洗練された大人の雰囲気の子ばかりで、私は「こんな大人びた子たちがいるんだ」と驚いた。

はっきりいって、私は中学時代の同級生たちが好きではなかった。
子どもっぽいヤツ。陰湿なイジメをするヤツ。校内で暴れまわる不良が多かった中学とは、まったく空気がちがう。
こりゃ楽しい高校生活になりそうだ、と私は期待に胸を膨らませた。

体育館に新入生が集められ、入学式が執り行われた。入学式に関してはほとんど記憶がないのだが、その後のことは強烈な印象で覚えている。

体育館を退場する新入生の列から、ときどき間引かれていく生徒がいるのだ。基準はさっぱりわからないが、クラスのうち何人かが先生に腕を引っ張られて体育館に残されている。

当時、私は１０クラスあるうちの5組だった。1組から順番に間引かれていく生徒たち。残された生徒は訳がわからず、みんな不安そうに顔を見合わせていた。

「なんだろう。私も残されたらどうしよう」

ビクビクしながら、体育館出入り口を通ろうとしたとき。私もぐいと腕を引っ張られた。そう、私も間引かれ組だったのだ。

よくよく見ると、男子は少数で大多数は女子生徒だった。みんなまじめそうな子ばかりで、問題のありそうな生徒は見当たらない。
残された理由はわからないし、入学したばかりで友達もいない。最後の10組が退場するまで、まだ名前も知らない同級生たちと寄り添いながら立ち尽くしていた。

他の生徒たちがいなくなると、先生たちはおもむろに体育館の扉をしめ、間引かれ組の前に仁王立ちした。

「おまえたち!　ここに残された理由がわかるか?」

わかるはずがない。
制服には改造など加えていないし、ちゃんと指定の物も身につけている。中学でさんざん風紀チェックを受けてきたから、髪の毛だってきっちり結んでいた。
私の周りにいたまじめそうな女の子たちは、一様に不安げな顔をした。