坂尾 菜里

思考整理のため、書いています。エッセイのようなもの、詩のようなもの、小説のようなものを…

坂尾 菜里

思考整理のため、書いています。エッセイのようなもの、詩のようなもの、小説のようなものを書きます。酔っ払うと哲学的な話をしたがります。穏やかに生きて死んでいくことを目標に生きてます

最近の記事

酒酔いの 異国の少女の 叫び声

    • 8月の文化祭

       去年も少し書いた気がするが、高校時代の友人と行なっているグループ展が終わった。今年はこのウィルス騒ぎで6月くらいまでやるかやらないかを決めておらず、DMやポスターが出来上がったり、ギャラリーと打ち合わせするのも7月中頃となかなかギリギリなスケジュールで動いていた。テーマは去年の秋頃に決めていたが、夏休みの宿題は最終日にやるタイプなため、テーマとその周囲の意識だけを体内にギリギリまで燻らせておいた。  このコロナ禍で作品作りや展示会に対する意識が変わるだろうと思っていたが(そ

      • ‪お金のことを考えていたのに、価値や未来という言葉について考えている。政治のことを考えていたのに、生活という言葉、日々、日常、社会で生きるということを考えている。 現実に則した考察が昔から苦手だ。

        • 苦手なことを考えている。苦手なことを考えることは体力を使う。頭がぼわっとする。昔から現実的なことを考えることが苦手だ。でも苦手なビールも飲んでるうちに好きになったし、コーヒーのブラックだって飲める。

        酒酔いの 異国の少女の 叫び声

        • 8月の文化祭

        • ‪お金のことを考えていたのに、価値や未来という言葉について考えている。政治のことを考えていたのに、生活という言葉、日々、日常、社会で生きるということを考えている。 現実に則した考察が昔から苦手だ。

        • 苦手なことを考えている。苦手なことを考えることは体力を使う。頭がぼわっとする。昔から現実的なことを考えることが苦手だ。でも苦手なビールも飲んでるうちに好きになったし、コーヒーのブラックだって飲める。

          窓越しの春と日常の意味について

          春。時々強く風が吹いたり、猛烈な雨が降ったり、2ヶ月前の寒さを取り戻したり、清々しい青空であったりする季節。小さな色々な花が咲き、ウグイスが立派な鳴き声を響かせ、太陽の暖かみを感じる季節。 そんな季節を今年は窓越しに眺めている。買い物ついでの徒歩10分が尊くて、その10分で季節が進むのを感じるほかない。 酔っ払ったまま少し肌寒い夜風を感じることも、日曜日の朝、目覚めて青い空と白い雲に誘われて、朝食後に身支度をしたら公園へ行こうと思うこともない。 人と距離を取ることが推奨さ

          窓越しの春と日常の意味について

          18時の鐘と記憶(短編小説)

           夏の夕空を覆う灰色の重い雲は思った通りの雨を運んできた。ぽつりと降り始めたと思ったらそれはすぐに勢いを増し、干上がったコンクリートを黒く染めていく。窓の向こうの風景はすでに雨の線で白く濁り、雨粒を通した光は屈折している。  彼女は片手で電車のつり革を持ったまま、空いている手でバッグの中を探る。バッグの底で何日も使われていなかった折りたたみ傘に手が触れて、彼女は一つ息を吐く。夏に入って3本目のビニール傘の購入は避けることができた。 最寄り駅を報せるアナウンスが流れて、彼

          18時の鐘と記憶(短編小説)

          見下ろす夏空(短編小説のような散文)

          脹脛を蚊に刺された。母に止められるまで掻きむしろうと思った。  彼女はふとした瞬間に現れた。気が付くと私の隣に座っていた。彼女との記憶は夏ばかりだ。彼女とは家の中でしか会えなかった。長い休みの間、時間の感覚が遠くなる中、彼女はぼんやりとそこに座っていた。風で膨らんだレースのカーテン。そのなかに包まれるのが好きだ。私と彼女は白いカーテンに包まれて、網戸の向こうを見ている。母は電話口の誰かに向かって重い声で何かを話している。私は彼女にそっと目配せして網戸を静かに開ける。数メ

          見下ろす夏空(短編小説のような散文)

          山の女の子(短編小説)

           あの女の子は生きているだろうか。もう二十年も前のことだ。  ランドセルを背負ったまま、通学路の途中で道を外れて、同級生の間で裏山と呼ばれていた山道を私は給食のコッペパンを持って、毎日登っていた。その頃の私は何故か友達と喋ろうとすると言葉が出なくなり、声が出なくなり、泣きそうになるため、友達の全ての誘いや会話を絶って、図書室にばかりいた。  彼女は恐らく私と同い年であったが、背が私よりもずっと低く、手足は折れてしまいそうなほど細く、それでいてよく日に焼けていた。彼女はいつも薄

          山の女の子(短編小説)

          もえる(短編小説)

           昨日は母の命日だった。  昨年の命日も大型の台風が関東に近付いた。一昨年は大雨が降り、その前は雹が降った。いつも母の命日は荒天であった。だが、母は嵐を呼ぶような女ではなく、父の三歩後ろを歩くような、朝食に白米と味噌汁と焼魚とほうれん草のお浸しを出すような女であった。母は私が十七歳の時に死んだ。くも膜下出血であった。  昨日の荒天が嘘のように晴れ渡り、大雨で気分が変わったのか突然からりとした秋の風が吹いている。  私は大きめのボストンバッグを持って、帰宅ラッシュの電車に乗り込

          もえる(短編小説)

          慣れ親しんだ習慣と習慣化の困難性

          習慣となったことを続けるのは容易く、習慣を手放してしまうのも容易い。 そんなことを感じている今日この頃である。 小さい頃、母にあなたの朝の動きは囚人のようだと言われたことがある。おそらく17 、18歳くらいまで私は神経質なところがあった。朝、分刻みで支度をして、夜、癒しのお風呂タイムでも分刻みのスケジュールをこなしていた。 (例えば、お風呂に浸かるのは3分、髪を洗うのに5分、身体2分、顔1分、また浸かるのに3分、予備1分で計15分、出て身体を拭いて、服を着て、リビングに戻る

          慣れ親しんだ習慣と習慣化の困難性

          久々にnote書こうと思って書き始めたら言葉が出てこなくてびっくりしました。またリハビリするか。

          久々にnote書こうと思って書き始めたら言葉が出てこなくてびっくりしました。またリハビリするか。

          じわじわ感じたことをなんとも言えない気持ちを言葉にしたかったのだけど真っ直ぐな言葉では何も言えなかった。

          じわじわ感じたことをなんとも言えない気持ちを言葉にしたかったのだけど真っ直ぐな言葉では何も言えなかった。

          既知の土地の来訪者

          馴染みのある土地の見知らぬ景色を横目に見る。 新しく出来た流行りの宿泊施設も、昔からある行ったことのないレジャー施設も見たことがあるはずなのにどれも見覚えのない様相をしている。 〇〇大学の〇〇研究室の腕章を付けた若い男性と教授と思わしき男性がカメラと地図を持って漁村を歩く。 土日であれば混んでいるはずの人気の飲食店も並ばずに入れる。 視線を上げると否応無く視界に入る見慣れぬ色は、実際の距離よりもずっと遠くに私を連れて行く。 何度も訪れた海岸。 砂が削れてその土地が岩盤であ

          既知の土地の来訪者

          リハビリ4週目 (8/19〜8/26 +α)

          8月19日 グループ展最終日。お片付け。演劇の現場もそうだけど、バラし終わった空間が好きだ。色々な念や思いがふわっと消えていく感じ。テーマとその意味付けについて考える。少しだけ。すぐに自分に引き寄せるように鑑賞するタイプだからそんなことはどうでもいい。 8月20日 疲れからか気を失うように眠る。 8月21日 また一つ季節が進んでいるような気がする。最近は夕立が多い。夕立ではなくゲリラ豪雨か。雨が降って、夕焼けを見るたびに夏の終わりを想像する。想像する夏の終わりはコ

          リハビリ4週目 (8/19〜8/26 +α)

          リハビリ 3週目(8/12〜8/18)

          8月12日 これを書いていると日記を書かないということに気がついた。万年筆を使いたいから日記を書こう。時々自分の歩くペースや思考のペースが気に入らない。Googleで検索かけてトップページだけを見るように、OK、と呟いて合点承知。本当はもっと丁寧に生きられればと思う。 8月13日 グループ展設営日。まるで美術の授業をやり直しているみたいだと毎回思う。人に対してつっけんどんな言い方しか出来ないのをなんとかしたいと思うけど、わざとしているフシもあり、手に負えない。テーマと解釈と

          リハビリ 3週目(8/12〜8/18)

          夏前と夏の終わりかけになると思い出す、14年ほど前に亡くなった同級生。あの頃から何か言いたいことがあるのに何も言えない。言いたいことが言えるようになるまで毎年思い出すのだろう。確か亡くなったのは夏ではない。

          夏前と夏の終わりかけになると思い出す、14年ほど前に亡くなった同級生。あの頃から何か言いたいことがあるのに何も言えない。言いたいことが言えるようになるまで毎年思い出すのだろう。確か亡くなったのは夏ではない。