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こんなところに名作家具。~天童木工の丹下健三、墨会館の椅子~

ユーズド・中古家具ショップ RESTYLEをやって16年経ちますので、これまでかなりの家具を見て触って買取って販売してきました。

数えてないのでわかりませんがかるく数万点は扱ってきました。

なので、職業病なのか普通の人が見ても何とも思わない、気にも留めない、その辺にある家具が気になってしまいます。

それが名作家具なら尚の事です。
気になって気になって、触ったり写真を撮ったりしたくなるのです。

先日も普通の単身者向けの賃貸マンションの1階エントランスに何気なく置いてある家具を見て驚きました。

『アッ!?なんで?そうだよね。ウソ!』

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これを見てどういったチェアかわかる人はもう、椅子好きの度を越えてマニア、いや、変態ですね。


世界的建築家、丹下健三墨会館のチェアです。


1952年、現在の愛知県一宮市に民間企業、艶金興業株式会社の事務所として、当時東京大学工学部建築学科助教授であった丹下健三の設計で建てられた墨会館
そこで使われていた家具も丹下健三天童木工に依頼して作らせたそうです。

その墨会館のチェアが普通の賃貸マンションのエントランスに置いてありました。

現在もこのチェアは天童木工から復刻されていますが、45万円もします。

しかも見たところ、当時のオリジナルのヴィンテージ。

肘無しも置いてありました。

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このマンションのオーナーさんはかなりの椅子好きなのか、もしくは丹下健三ファンなのか。

なかなかのマニアですね。

実は何を隠そう、2010年にその墨会館が艶金興業株式会社から一宮市に譲渡されるときに、中の家具をRESTYLEにて買取させて頂きました。

何社かに依頼をされていたうちの1社だったのですが、写真にあるチェアも買取させて頂きました。

その時買取させて頂いたチェアはほとんどを東京の方にご購入いただいたのですが、
こんな普通の場所で、世界的建築家の名作家具のオリジナルに会えるなんてスゴイ!びっくりしました!

これからも『こんなところの名作家具』シリーズ、投稿していきますね。


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