スーパーフォーミュラに行った。
スーパーGTを観に、鈴鹿には何度も足を運んでいるが、スーパーフォーミュラを観に行ったことは無かった。
元々スポーツカーが好きでオープンホイールにはあまり興味が無く、“セナプロ”時代にはF1にハマったが、それ以降は再び興味を失っていた。
だが今年は、スマホアプリ「SFgo」を入れて全戦観戦しているのと、行きつけのミニカー屋さんの店長から「現地観戦は面白いですよ」と聞いたこともあり、思い切って行ってみることにした。
向かうはシリーズチャンピオンが決まる最終戦。
鈴鹿での最終戦は土曜日に第8戦、日曜日に第9戦の2レースが行われるので、どちらも観たいと思って宿を探したが、空いているのはサーキット横にあるキャンプサイトのみ。
家族に、テントに泊まって遊園地で二日間遊んだらどうかと提案すると、OKが出たので予約を入れた。
土曜の朝に出発し、第8戦の予選は車内で観戦した。
野尻智紀選手が貫禄のポールポジションを獲得し、宮田莉朋選手はまたしても2番手。
決勝を楽しみにしながら、車を走らせた。
駐車場ゲートをくぐり、キャンプ場の受付に行ってチェックインを済ませたら、車をテントサイトに停めて早速サーキットへ向かう。
グランドスタンド裏の広場は、スーパーGTの時とは違うブースが並んでいて、新鮮だった。
決勝まであまり時間に余裕が無かったのでブースはほとんど見ずに、長蛇の列に並んで昼食を調達し、座席に向かった。
スーパーGTのグランドスタンド指定席はたしか、二日間有効で遊園地でも遊べて16,000円オーバーだったと思うが、SFは同じ条件で7,000円ちょっととかなりお得だ。
座席でスタート進行を見ながら昼食を食べていると、子供達が“推し”は誰だと聞いてきたので、山本尚貴選手が推しだがケガで出られなくて、代役参戦の大津弘樹もファンなので、今回は大津選手を応援することを伝えた。
決勝が始まる。
スターティンググリッドに並んだマシン達が、フォーメーションラップへと向かっていった。
気温が低いため、かなり遅いフォーメーションラップとなり、各車ともタイヤを温めるのに苦労しているようだった。
一周を終えて、全車が再びグリッドに着く。
ローリングスタートはスーパーGTで何度も見ているが、スタンディングスタートは初めてだ。
ローリングスタートとはまた違う迫力とドキドキ感に、興奮が高まる。
レッドシグナルが順番に点灯し、ブラックアウト!
各車が一気に加速して1コーナーへと突入していく。
ポールポジションの野尻選手が危なげなくホールショットを決めて1コーナーから2コーナーへと駆け抜けていく。
フロントロウの宮田選手は少し出遅れて、良い蹴り出しを見せた4番手スタートの太田格之進選手が1コーナーで大外刈りから2番手にポジションを上げた。
大きな混乱は無く、野尻選手が少しリードを広げて一周回ってきた。
最終コーナーを下ってメインスタンドを駆け抜けるマシンに見入る。
スーパーGTより車重が軽いのが効いているのか、最終コーナーからの立ち上がり速度が明らかに速い。
スーパーGTでも、目の前を過ぎるマシンを動画で上手く収めるのは難しいが、さらに難しいと感じた。
2周目の1コーナーで、今度は宮田選手が太田選手を大外刈りで抜き返す。
これはチャンピオン争いに相応しい良いレースになりそうだと、ワクワクが高まる。
宮田選手にジリジリと差を詰められるトップの野尻選手が4周目を終えて5周目に入った瞬間、大型ビジョンに衝撃的な映像が映し出された。
場所は130R。砂煙り越しにクラッシュパッドへマシンがグシャッと当たる音と、奥のフェンスがグニャリと曲がる映像に、皆が思わず声を上げる。
非常に激しいクラッシュ。
どうやら2台絡んでいるようで、笹原右京選手と大津弘樹選手ではないかとアナウンスされた。
フェンスがグニャリと曲がったのを見た瞬間に「あ、これは赤旗だ。今日はもうレースできないかもしれない」と思ったが、場内実況のピエールさんも同じことを思ったようで、「自分の経験上、おそらく修復にかなりの時間を要すると思います」とアナウンスした。
ライブタイミングとSFgoの車載映像を確認して、笹原選手と大津選手であることを確認した。
クラッシュの瞬間を見返す。
130Rで大津選手が笹原選手のインに飛び込んだが、笹原選手には見えていなかったようで、笹原選手がそのままインに切り込み接触。
ほぼ最高速のまま絡んだ2台はスピンしながらサンドトラップに入るが、横向きになった笹原選手のマシンが浮き上がり、クラッシュパッドの上部にぶち当たる。
大津選手もほぼ減速せずグルグルと回転しながらクラッシュパッドに当たり、マシンが横転してシャーシ裏面が丸見えになってしまった。
笹原選手のマシンは、クラッシュパッドに当たった瞬間に前後に割れてしまったようで、どちらかがフェンスを乗り越えてしまった。
コックピット側が飛び越えていないことを祈る。
FCYから赤旗となり、全車がメインスタンド前に整列して止まった。
場内は騒然としたままだ。
妻がXのポストを調べると、デグナーで救出作業が行われているというポストを見つけた。
コックピット側が130R裏手まで飛んでしまったことにとても驚くと共に、笹原選手と大津選手の安否が非常に気になった。
しばらくして、大津選手は無線に応答があるとのアナウンスがあり、笹原選手も意識はハッキリしているようだとのアナウンスがあって、観客席から拍手が起こった。
(その後、大津選手と笹原選手は病院に運ばれたが大きな怪我は無く、なんと一週間後のスーパーGT最終戦もてぎには両名とも出走したので、ホッとしたと同時に最新マシンの安全性に感心した。)
結局、レースはクラッシュ前の3周目で終了ということになり、1位野尻選手、2位宮田選手、3位太田選手というリザルトとなった。
レースの75%を消化していないのでハーフポイントが与えられることになり、ローソン選手の順位が低迷してしまったので、宮田選手が王座にグッと近づく形となった。
非常に衝撃的な幕切れでレースが早く終わってしまったが、ホームストレートにマシンが整列した状態で観客のコースインが可能になったので、コースへ下りてマシンを見ることにした。
表彰式を見る。
レーススピードで周回したのは5周ほどだったので、ドライバーは全然疲れてる感じではなかったが、大クラッシュで終わってしまったので、3名とも笹原選手と大津選手を心配して、嬉しくはなさそうだった。
マシンを見て回る。
上位3名のマシンは、車検のためかコース上には無かった。
先頭にあるローソン選手のマシンまでたどり着いたら、撤収が始まった。
順番にピットへとマシンが撤収される中、65号車がピットウォールをかすめるような角度で進入したため、フロントタイヤとウォールの間にメカニックが挟まってしまい、何度も切り返してようやくピット側へ抜けることに成功していたのが面白かった。
家族とグランドスタンド裏のブースを見に行く。
KTCのブースで3,000円と10,000円のガチャガチャがあり、KTCのお姉さんから損はしないと言われて家族にもそそのかされたのでやってみると、ペンチとニッパーが当たった。
普通に買うとそれぞれ2,000円以上はするようなので、かなりお得で良かった。
暗くなるまでサーキットにいたことがなかったので、ライトアップされたグランドスタンドの写真を撮影した。
一度テントサイトに戻り、風呂の用意を持って、予約していたレストラン「THE DINING」へ向かう。
飲み放題を選択し、美味しい料理を楽しみながらたっぷり飲んだ。
その後、天然温泉「THE SPA」で露天風呂を楽しみ、テントサイトに戻って焚き火をして、一日を終えた。
続く…
Koshichi Museum by Muuseo
https://muuseo.com/Koshichi-museum
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