家族写真

最近、長男にカメラを向けると走って逃げるか、後ろを向く。
また、基本的に先頭をどんどん進んでいくため、
写真の中の長男はいつも背中で語ることになる。

私も幼少期からずっとレンズから逃げていたこともあり、
素敵な背景と一緒に撮るとか、ちゃんと写る集合写真なんてのははじめから長男に期待していなかった。

ビオスの丘でのこと。
他のグループが水牛車のおじさんに写真を撮ってもらっていたので、我が家も撮影をお願いすることにした。

「水牛と一緒にみんなで写真を撮ろう!」
と水牛をアピールして長男を呼んでみたが、拒否された。

水牛と一緒でもダメなので、
長男抜きで撮ってもらうことにしたら

「あとで撮れるから」

と、今度はおじさんがまさかの撮影拒否。
出発5分前になったのでやることがあるのだろうと思った。

水牛車に乗ると、おじさんが長男に話しかけてきた。

「水牛の散歩するか?」

そんな素晴らしいサービスがあるなんて。

しばらく走ったら水牛車が止まり、おじさんに呼ばれるまま降りたら、本当に水牛車の綱を引かせてくれた。

長男は大喜び。

そして、今度はひとりで綱を持たせてくれるという。

その流れでおじさんが
「(長男に)牛さんの横に来て~」
「(私に)写真撮って~」
「お父さん、お母さんも入って~」
「カメラ貸して~」

おじさんのおかげで集合写真なのに長男と私が自然と笑顔に(妻はいつも笑顔)。我が家にとっては奇跡ともいえる家族写真を撮ってくれた。

「あとで撮れるから」
この言葉に込められた本当の意味を理解して感動した。

作業で写真を撮ることなく、心を大切にしてくれるおじさんが素敵すぎる。一生の思い出と大きな学びを得た。

会社をやめたため、サポートは非常にありがたいです!未来を創る子どもたちの教育活動に使わせていただきます。