閏年はもっと評価されるべき年だと思うんだ。４年に一度しか訪れないにも関わらず、みんな閏年を全く特別視せずに平年と同じように過ごしている。
例えば、オリンピックなんてどうだろう。閏年と同じ４年に一度訪れるスポーツの祭典だ。競技によっては予選会を何年もかけて行い、それこそ開催国なんかは４年もかけて準備をする。サッカーのワールドカップもまた然りだ。それだけの情熱と労力を注げるのはやはり４年に一度しか訪れない希少性、そこに価値があるんだと思う。
だから閏年に対してみんなもっとありがたみというか希少価値を見出すべきだし、２月２９日という日がもっとクローズアップされても良いと思うんだ。そもそも「閏うるう」という漢字が日数調整的な意味合いで使われているのもおかしい。君も自分が産まれた日が日数調整に使われるのは納得いかないだろ。そうか、特に気にしてないならいいんだ。
だけど、誕生日が４年に一度しかないのは不憫だろう？誕生日は普通年に一度必ず訪れて、そして大抵の場合大勢から祝ってもらえる。でも君は４年に一度しか祝われない。それはとても寂しいんじゃないかと僕は思う。え？前日に？なるほど、まぁそういうこともあるかもしれない。
だがそれは本来の祝い方ではないし、きっと君を祝う人たちも２月２９日に祝う方が気持ちが入っていると思う。もちろん２月２８日に祝ったとしても君を祝う気持ちにウソはないと思うが、それでも４年に一度しか訪れない２月２９日に君を祝えるのならやはりその気持ちはより強くなると思うんだ。僕だったら４年分の想いを込めて祝うと思うんだ。ああ、重かったらごめんよ。
でもそれだけの価値が閏年にはあると思うし、僕にとって閏年…いや２月２９日は特別な日だと思うわけで、うん、その、なんというか、とどのつまり僕は君のことが好きで君の誕生日を一緒にお祝いさせてもらいたいってことなんだ。

……ダメ、だろうか。

え？ぼ、僕の手が冷たいのはきっと緊張のせいだ。人は緊張すると一時的に体温が下がると言われているからね。
あ、でもきっとすぐに温まると思う。なぜなら君の手がこんなに温かいから。

おしまい

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