見出し画像

ワインレッドの心

PCR検査の結果がメールで送られてくるのですが、【陰性】と【陽性】だとパッと見、分かりにくいのでもう【アウト】か【セーフ】で記載して欲しいと思っています。

こんにちは、危うく陽性を見逃しそうになったコッシーです。


さて、前回の記事では少し弱音を吐いてしまい、あんまり気持ちの良い記事ではなかったので、今日の記事では皆さんに元気を与えるような前向きな記事を頑張って書きたいと思います。


うちの施設の食堂には60インチくらいの大きなTVがありまして、体操教室の際に動画を流したり、食事時には何かしらの番組を流したりしています。

大抵はNHKなどの情報番組を流していますが、大相撲や高校野球などスポーツを流すこともあります。
#皆さんお相撲が大好きです

また入居者さんが希望された番組を流すこともあります。
要するに適当に何かしらの番組がお食事時に流れています。


先日の夕食時のことでした。
何気なく点いていたテレビにはある情報番組が流れていました。

コロナの影響からスタッフの休みが相次ぎシフトをどうしようかと頭の中で思考を巡らせていた僕はボーっとテレビを眺めていました。

「あの人は来週復帰する予定だから、とりあえずこの人に出てもらって、その人は短時間だから最悪補充なしでも大丈夫か…」

そんな具合に頭の中のシフト表を修正していると、情報番組のアナウンサーが声高にこんな事を言いました。


『女性必見!この夏!透けないブラジャー特集~!!」


別にブラジャーには興味はないですし、チャンネルを変えても良かったんですが、ブラジャーが出てきた途端番組を変えるのも逆におかしいと思ったのでチャンネルをそのままにしておきました。本当に興味ないですけどね。


番組ではマネキンにいろんな色のブラジャーを付け、そしてその上から白のTシャツを着せて【どの色のブラジャーが透けるか】を実験していました。

どの色のブラジャーが透けようが僕には全く関係ないんですし興味もありませんでしたが、「はいはい。どうせ白が1番透けないでしょ。」なんて思いながら番組をボーっと見ておりました。マジで興味ないんですけどね。


番組では1番最初に白のブラジャーをマネキンにつけていました。そして白のTシャツをマネキンに着せると、これが意外にもくっきりと透けて見えるじゃありませんか!

だからと言って特段驚くことでもありませんし興味もありませんでしたが、「え!?白って透けるんだ!」と思い番組を見続けていました。いやホントに興味ないんだって、まいったな。


続いて黒や赤などの派手な色をマネキンに付けます。「もしかして、そういう派手な色の方が透けないのかな?」という僕の期待はアッサリと外れて、黒や赤もバッチリ透けていました。

まぁ黒や赤のブラが透けようが僕の人生には何の影響もありませんし興味もありませんでしたが、「なんだよ、結局全部透けてるじゃないか!」と番組に苦情を言う勢いで見ていました。ブラとかどうでもいいんだけどな。


続いて番組が用意したのがワインレッドのブラジャーでした。

今以上 それ以上 愛されるのに
あなたは その透き通った瞳のままで

と安全地帯が唄う【ワインレッドの心】という唄がありますが、ワインレッドのブラジャーもきっと、白以上黒以上に透き通るに決まっています。


マネキンにワインレッドのブラジャーが装着され、そして白のTシャツが着せられました。
どれだけ透けるのか注目していると…なんと全く透けないじゃありませんか!!

「どうですか!この濃いワインレッド色が全く分かりません!」

アナウンサーがドヤ顔で声を張り上げました。

詳しいことはよく分かりませんが、どうやら色彩の関係でワインレッドのブラジャーは白のTシャツから透けて見えないみたいでした。

「おおーー!!すごーい!!」

この結果には本当に驚いた僕は思わずTVに向かって叫んでいました。
#いや興味ないんじゃないんかい


【ワインレッドのブラジャーは透けない】というとても有益な情報を得た僕の頭の中はシフト変更のことなんてキレイサッパリ消えていました。

とにかくこの有益な情報を新鮮なうちに他の誰かに伝えたくて仕方がありませんでした。

「ワインレッドのブラジャーのことを誰かに話したい!!ワインレッドのブラジャーのことを誰かに話したい!!」

僕の強い思いが通じたのか、ある女性スタッフが利用者の支援を終えて戻ってきました。
戻ってきたスタッフをすぐに捕まえました。
やっとワインレッドのブラジャーの話ができる!念願のワインブラの話がついに出来るんだ!と喜び勇んだ僕は話の前後を全部すっ飛ばして、


「ワインレッドのブラ持ってる?」


とセクハラ街道爆走中な質問をしてしまいました。

興奮した僕から何の前置きもなく急に「ワインレッドのブラ持ってる?」なんて鬼畜な質問をされたスタッフは困惑しながら「えっと、もしかしてコロナに感染して熱あります?」という鋭いツッコミをしていました。


これまでコロナで苦しむ事業所を引っ張ってきた頼れる責任者だった僕ですがこの発言によりただのセクハラワインブラ野郎に成り下がったのでした。どうも介護界の安全地帯です。

ワインレッドのブラジャーは透けないのかもしれませんが、僕はスタッフの瞳から透き通って消えたいと思いました。

そう、【ワインレッドの心】のように。


もしこの夏、白のTシャツを着ると透けちゃうかもと後ろ向きな気持ちになっている方は是非ワインレッドのブラジャーを付けて前向きに白Tシャツを着てくださいね!

#前向きな記事とは


それではまた。

コッシー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?