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いつか

今日は休みでしたがローストビーフは作りませんでした。作ったのはローストビーフ丼です😃

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ナイフ絶好調!

こんにちは、コッシーです。


さて、今小学1年の息子は、保育園の頃から放課後デイサービスに通っています。

放課後デイサービスのような通所系サービスは、長期目標を定めてそれに伴い短期目標を決めて通います。たとえば、『1人でご飯を食べる事が出来ようにする』という目標なら、デイサービスを利用している際にそれに伴う練習などを行います。具体的なアプローチ方法は様々だと思いますので割愛しますが、定めた目標の実現に向けて、親と施設職員が連携を取り子供を成長させていくわけです。

ただそうは言っても、絶対にその目標を達成しなければいけないわけではなく、単純に預かってもらうためだったり、他者との交流のために通わせたりする場合もあり、それもまたデイサービスの役割の一つです。

息子がデイサービスに通い始めた頃から今までずっと同じ方が担当をしてくださっています。担当はU先生といい、その道20年のベテランの女性の方でご自身のお子さんも障害を抱えており、経験も知識も豊富なとても良い先生です。

実は最初に息子を担当してくれたのは別の先生でした。長期目標を決める際に僕ら夫婦はいろいろな希望を担当の先生に伝えました。すると先生から返ってきた答えは「ご希望を持たれるのは良い事ですが、こちらで出来る事は限られますので」でした。少し拍子抜けしましたが、放課後デイとはそんなもんなのかなと特に意見をすることはしませんでした。

ほどなくして最初の先生が一身上の都合で辞められ新たにU先生が担当になりました。初めてU先生にお会いした時、U先生は息子の支援計画書をしっかりと読み込んできてくれて、この目標に対してはこうしていくのが良い、この目標は施設ではここまでできるなど、より具体的な支援方法を提案してくれました。僕ら夫婦は一瞬でU先生のファンになりました(笑)


息子が年長さんの時です。息子の目標の一つが『排泄をトイレで出来るようになる』でした。その頃息子は普段は普通のパンツを履いていましたが、おしっこなどがしたくなるとオムツに履き替えてオムツ内で排泄していました。

オムツを履こうとする素振りを見せた時にトイレに連れていき、おしっこをするように言いますが、嫌がってしたがりません。結局オムツ内でしてしまっていました。

どうしたものかとU先生に相談をした際、一度オムツを失くしてみましょうと提案をしてくれました。仮にパンツ内で失禁してしまったのなら、おそらく本人にとって不快感を覚えるとのことで、そうすればトイレでの排泄につながるかもしれないとのことでした。僕らは先生の提案を受け入れ、その日から家でもデイでもオムツなしの生活が始まりました。

案の定息子はトイレに行きたがらずパンツ内で失禁を繰り返しました。自宅だけではなく施設内でも失禁をしていました。

僕らは愛する息子なのでどれだけ床が汚れようが喜んで拭きます。しかし施設では別だと思います。息子が失禁をする度に手間が増えます。オムツならその手間は省けます。実際にオムツで過ごしているお子さんもいたみたいです。

そんなある日、送迎に来た別の職員さんから「○○君の失禁の件ですが、本当は困ってるんです。こちらではオムツになりませんかね」と言われました。僕ら夫婦は「すみません…」と頭を下げることしかできませんでした。

するとその日の夜にU先生から連絡がありました。「今日うちのスタッフが失礼な事を言って本当に申し訳ありません。息子さんは迷惑なんてかけてません。○○君は一生懸命頑張っています!少しずつですがトイレにも行くようになってきました。だからこれからもこのカタチで続けさせてください!!」と言ってくれました。

うちの奥さんは男前な性格なので普段は全く涙を流しません。結婚式で奥さんを泣かせようと僕がサプライズで手紙を読んだ時も笑っていました。いや泣くとこやろ。

そんな奥さんがU先生の電話には泣いていました。息子のことでいろいろと悩んでいたのだと思います。

そのおかげもあって、息子はトイレで排泄が出来るようになりました。U先生がいなかったら今でもオムツだったかもしれません。

僕ら夫婦はU先生に本当に感謝しており、いつまでも息子の担当でいて欲しいと切に願っておりました。


しかし、別れは突然訪れます。

先日、送迎に来られたU先生から今月いっぱいで辞めることを伝えられました。

僕も奥さんもとても驚き、「ど、どうしてですか!!!」と思わず声を荒げてしまいました。

U先生はもっと障害福祉の知識を深めるために春から大学に通うとのことでした。その大学の教授の事前セミナーが11月から始まるとのことで、今月で施設を辞めその準備をするとのことでした。

それはU先生の夢を叶えるための1歩とのことで、目に涙を浮かべながら話すU先生に、僕らはもう何も言えませんでした。責任感があり優しいU先生なのでたくさん悩んで出した答えだと思いますので、僕らは全力で応援したいと思いました。

またいつかどこかでU先生に会っても良いように、僕らは精いっぱい愛情をかけて先生の分も息子を大きく成長させたいと思いました。親なのに先生の分はおかしいですね。


U先生、本当に本当にありがとうございました。先生が担当してくれたおかげで息子は僕らが想像していた以上に大きく成長することが出来ました。

僕ら夫婦は先生の挑戦が上手くいく事を心から応援しています。頑張ってください。

またいつか会える日を楽しみに。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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