Kosuke Miyata

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  • クリンギット神話

    アメリカの人類学者J. R. Swantonが記録した北米北西部太平洋岸の先住民クリンギット族の神話を翻訳・紹介します。

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    自転車という身近な乗り物と、それをとりまく環境のこと。

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ワタリガラス、太陽を盗み出す

ワタリガラスの物語の本当の始まりは誰にも分からない。だからみな、自分が知っているところから話し始めるのだ。この地では、それはきまってこう始まる。 ワタリガラスは初め、「上にいる男の息子」と呼ばれた。「上にいる男」は、生まれてきた息子にあらゆることを教え込もうとし、息子がすっかり大きくなると、世界を創る力をやろう、と言った。そしてワタリガラスは長い試みのすえ、世界を創り出したのだった。 その頃、世界には光がなかった。だがワタリガラスが聞いた話では、ナス川をずっと上った先に大

    • クロモリフォークのコラム換装(アヘッド化)と3連ネジ穴の追加@柳サイクル

      普段の足に使っている1980年代のクロモリ自転車のフォーク周りを改造してもらいました。作業内容は、いわゆる「アヘッド化」とフォーク脚への3連ネジ穴の追加です。セッティングや整備が楽になり、積載の選択肢が増えました。 アヘッド化「アヘッド化」というのは、自転車のステアリング軸であるパイプ=フォークコラムと軸受一式=ヘッドセットをネジ切りタイプのものからネジ無しタイプのものに交換することです。ヘッドセット内のベアリングにかかる圧を適正に保つのにヘッドセット上部の二つのナットを用

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        カリフォルニア追想 2018 #5 LA、サンタモニカ

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          カリフォルニア追想 2018 #4 荒野の引力を振り切り、タフトから天使たちの街へ

        ワタリガラス、太陽を盗み出す

        • クロモリフォークのコラム換装(アヘッド化)と3連ネジ穴の追加@柳サイクル

        • カリフォルニア追想 2018 #5 LA、サンタモニカ

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        • カリフォルニア追想 2018 #4 荒野の引力を振り切り、タフトから天使たちの街へ

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        記事

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          カリフォルニア追想 2018 #3 サン・ミゲルの光陰、カリフォルニア・バレー、そしてタフトへ

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          カリフォルニア追想 2018 #2 サウス・サンフランシスコからモントレーを経てサン・ミゲルへ

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          カリフォルニア追想 2018 #1 サンフランシスコ

          カリフォルニア追想 2018 #1 サンフランシスコ

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          プロテスタントの教えはこうしてシトカに伝わった(天然痘の話)

          あるシトカの男が南へ出かけ、二か月して戻って来た時のことだ。男はカヌーで浜に着くと、みなで踊るのだといって人々を呼び寄せ、天から神(遠くの長)が助けに来てくれたと告げた。 人々は踊った。女たちがそろって草木の実の髪飾りや耳飾りを作り始めると、踊りはそこでいったん止まった。数日後の夕暮れに飾りはできあがり、それらを身につけてまた人々は踊った。 そうして踊りが続く中、あちこちで女たちが仰向けに倒れた。すると人々は、男が南で教わった通り、海水を汲んでそれぞれの女の上掛けを濡らし

          プロテスタントの教えはこうしてシトカに伝わった(天然痘の話)

          WTF Bikexplorers(女性・トランス・フェム自転車探検隊)の行動規範

          WTF Bikexplorers WTF Bikexplorersというコミュニティーがある。その目的は、自転車を通じた探究――アウトドアはもちろん、自分自身やお互いをよりよく知ろうとする活動も含まれる――をしているWomen(女性)、Transgender(トランスジェンダー)、Femme(フェム)、そしてノンバイナリ―の人々を支え、祝福し、つなげること。Bikexplorersはbikeとexplorersがくっついたものなので、そのくらい自転車が好きな探究者たち、という

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          開かれた道のどこかで(2009)

          2007年のモーターサイクル北米大陸横断。その一場面をアメリカ詩の父と呼ばれるウォルト・ホイットマンの作品と重ねながら綴った2009年の文章をここに転記します。自分の精神の軸を再確認するために。 開かれた道のどこかで/Somewhere on the Open Road 薄く広がる雲が沈んでいく陽を遮り、次第に満ちてきた夕闇のなかで、GPSの小さなモニターは西にUlyssesという町があることを示していた。遮る物のない空間の上をメキシコ湾からの南風が絶えず吹き続け、バイクは

          開かれた道のどこかで(2009)

          2019年9月、内山牧場へのバイクパッキングで試したフルリジッドMTBフロント大盛り積載が好感触

          友人が企画している年に一度の自転車キャンプツーリングの集いに行ってきました。今年は長野と群馬の県境付近にある内山牧場キャンプ場に集合です。昨年の木崎湖ではサスペンションフォークの入った車体での積載に悩んだので今回はその反省を踏まえた装備で参加。 ざっくり自己採点すると75点といったところでしょうか。荷物の余裕が増えました。衣食住の「住」は軽さとコンパクトさを優先しましたが、「衣」「食」は予備を少し多めに積むことができて安心でした。行動時の機動性についてもややガレた未舗装林道

          2019年9月、内山牧場へのバイクパッキングで試したフルリジッドMTBフロント大盛り積載が好感触

          自転車用品に使う各種バッテリー・電池の処分方法

          自転車のライト等に使われているバッテリー・電池の類が寿命を迎えてしまった場合などに、それをどう処分すればいいのか。一般社団法人電池工業会(BAJ)のページ群を参照すれば必要な情報は概ね手に入りますが、その内容を自転車の文脈に寄せてまとめてみました。日本国内の大抵の地域で共通だと思います。充電式機器のバッテリーについては謎が残りました。 乾電池・リチウム一次電池: 自治体のゴミ回収へまずは普通の乾電池と「リチウム一次電池」から。「一次電池」というのは充電できない=放電しかでき

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          東京の自転車環境について元NYC交通局長が語ったこと: ジャネット・サディク=カーン東大講演抄訳・解説

          5月24日に東大で行われた現NACTO代表のジャネット・サディク=カーンさんによる講演の抄訳と解説です。ここでは特に自転車環境について語っておられた箇所を訳出し、補足説明を加えました。 講演全体の流れについてはツイッターのハッシュタグ#streetfightjapantourや国交省のレポートを読んで頂ければ概ね掴めるかと思います(レポートは20日の三田のものですが、トーク本編の内容は基本的に同じです)。 Parking-Protected Bike Lanesの導入都内

          東京の自転車環境について元NYC交通局長が語ったこと: ジャネット・サディク=カーン東大講演抄訳・解説

          2019年GW、関東甲信バイクパッキングで実感したフォーク積載とBindle Rackが生み出す余裕

          泊数未定のキャンプありツーリング久々にバイクパッキングに行ってきました。初日のルート(都内から大山街道を大まかに辿って東丹沢へ)だけ決め、後は道中の成り行きに任せる気ままな単独行です。2日目の夜には山梨県の都留市に至りました。 3日目は雨のため輪行を挟んで長野の宿まで退避、4日目も足留め。5日目になってようやく再び自転車を走らせ、武田信玄の棒道などを楽しんで甲府盆地に戻りました。その晩も野営して6日目に輪行で都内へ。実質的には走行3日、うちキャンプ2日(ただし連日ではない)

          2019年GW、関東甲信バイクパッキングで実感したフォーク積載とBindle Rackが生み出す余裕

          蓋暗渠を遡って金子厳島神社(調布)へ

          こないだ友人と自転車でウロウロしていたら、良い感じの蓋暗渠に出遭いました。野川に注ぐこの流れは、どこから来ているのか。その日は時間が無かったので、今日になって改めて辿ってみました。 まずは野川合流部から。いわゆる「蓋暗渠」は自転車で通るとコトコト音がして楽しいです。夜間などは近所迷惑に注意したいところ。 他にも自転車の人をちょこちょこ見かけました。平坦で車が入って来ない暗渠には「カーフリー」空間としてのポテンシャルがありますね。 車道と並走している区間。線形と蓋の短辺の

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          東京都自転車活用推進計画(素案)への意見

          3月5日までの募集に合わせて作成・提出した、東京都自転車推進計画(素案)への意見です。募集要項に則り、次のリンク先のページにある素案(PDF)の各項目に対してコメントする形式になっています。 p.1その一方、都内の全ての交通事故に占める自転車関連事故の割合は3割を超え、全国平均の約2割と比べて高い状況となっている 全交通事故中の自転車関連事故の割合の比較には、自転車利用度に関する記述を併記すべきです。 変更例:「その一方、都内では自転車の利用度の高さもあり、全ての交通事

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