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世界最大大手家具メーカー「IKEA」の #マーケティングトレース

こんにちは、小畑です。
本日はIKEAのマーケティングトレースを行ってみたいと思います。
というのも、名前だけは知っていましたが実際に店舗に足を運んだことがなかったのですが、この度ついに訪れてみたときに非常に顧客体験が素晴らしくてファンになったからトレースしてみようという経緯になります。
調べてみるとかなりいろんな事情が出てきて面白く、まだまだ伸びしろがあるということがわかりました。
これから家具周りはIKEAでまず探してみようと思います。笑

企業概要

スェーデン発の企業。
資本があるので未上場企業。
ビジョン:より快適な毎日を、より多くの方々に
ビジネス理念:優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング製品を幅広く取りそろえ、より多くの方々にご購入いただけるようできる限り手ごろな価格でご提供する

「イケアはサプライヤーとの長期的な関係を築き、高度なオートメーション化と大量生産を可能にする製造工程に投資することで、バリューチェーン全体を最適化し、手ごろで優れた品質をお客さまにお届けしています。イケアのビジョンはホームファニッシングの域を超えています。イケアのビジネスに関わるすべての人々のためによりよい暮らしを実現したいと願っています。」

というほどビジョンが素晴らしく顧客そして社会のためにを謳っている企業です。
しかし、オンラインECを2017年の4月から開始したが、他の家具企業に遅れをとっています。
売り上げはここ5年は横ばいで、2017年度から利益は赤字に転じています。
ニトリの売り上げが顕著に伸びていることから、顧客を取られていってる傾向にあることが見込まれます。

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成長できている要因

成長できているのは世界的にみてで、国内ではかなり遅れをとってきています。
ここでは世界的に成長できている要因を記載します。

■ ビジネスとしての強み
何より低価格で高品質な製品を提供しているとのこと。
それを実現できているのは徹底したコスト削減の実現である。日本でも店舗は基本的に郊外にある。そして商品は在庫の倉庫とにおいてあり、購買者が自ら取りに行くシステムをとっています。
実際に店舗にいってみると、購買者が迷いなく商品を探せる仕組みを展開しています。
また、ショールームを見せることで、顧客が自分の部屋をどのようにカスタマイズしようか、どういう生活がまっているのかを想像させる店舗作りになっています。
だからこそついつい買ってしまう。
また、店舗内でちょうど疲れそうだなってところに休憩所やレストランを配置しています。
買い物客として嬉しいし、かつそこで使用されているものもIKEAの商品なので、いいなと思えば後ほど購入することにつながります。
店舗に入ってしまえばあらゆる角度で刺激を与え、購買者の普段の生活に寄り添った提案を展示と導線というHOWで提供しています。

■ 組織としての強み
ビジョンや大切にする価値がIKEAで働く人たちをつくっていて、それが企業を成長させています。
大切にしている価値としてイケアバリューと称して8つ掲げている。どれも当たり前であり、当たり前こと本質的な価値を簡潔に掲げているのが特徴的です。

・連帯感
・環境と社会への配慮
・コスト意識
・簡潔さ
・刷新して改善する
・意味のある違うやり方
・責任を与える、引き受ける
・手本となる行動でリードする

また、外資系だからこそかもしれないが、人権だったり多様性を大事にしています。これは昨今Googleも大切にしている考えであり、名だたる外資企業で最もホットな話題の一つに上がっています。島国の日本ではまだまだ風潮が薄いかもしれません。アンコンシャスバイアスと呼ばれる、無意識の偏見こそが多様性をなくしてしまっているので、ここをどう取り除いていけるのかが現代のテーマになっています。

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このようにIKEAグループ全体では伸びていることがわかる。
日本の国内市場をどう巻き返せるのかが要になっている状況。

ニトリに遅れをとっている要因

大きく理由は二つあります。
1. ECでの戦略が遅れた。
2. ポジショニングをとられた。
だからこそIKEAはニトリに顧客をとってかわれています。
この状況をだはしなければいけなないと今の状態では厳しい状況が続いていくでしょう。
赤字具合は少しましになりましたが、まだまだ成長するためにはニトリと真っ向勝負しなければいけません。

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ニトリ、IKEA、大塚家具で比較するとこれほどまでに違いが現れています。
同じ業界でここまで顕著に差が出るのも珍しいですね。

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家具業界の市場状況

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2012年まで落ち込んでいたが、再び販売額が伸びてきています。
ただし、細かい内訳がわからないので、販売数が伸びているのかそれとも単価が上がってきているのかがわかりません。
それによってこれからの戦略の立て方が変わるはずなので、ここを掘り下げることはかなり重要は指標となりえます。

3C分析

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市場としては悪くない状況であるので、他社が行っていることを真似しつつ、自社の強みを活かしていくことが求められている。

STP分析

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やはり注目すべきはポジショニング。
ニトリに日本市場では今まで守ってきたIKEAのポジショニングを奪われました。
ただそこを改めて奪還するのは難しいので、方向転換してあたらしいポジショニングを得ることが求められています。

4P分析

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強みはプロダクトと値段。
ニトリはプレイスとプロモーションで圧倒的に時代にあった戦略をねっているので、IKEAもその時代の流れにのっていかなければいけません。
おそらく世界市場が伸びている、かつ日本の人口減少を見込むと優先度がどうしても下がってしまうので、日本法人が独立して推し進めなければいけません。

自分がCMOなら

よりECを強化していく
主に昔ファンだった人に向けて広告をうつ。
他にメディアにまとめ記事を書いてもらい、顧客接点回数を上げる。
ようは最重要KPIとして認知数を圧倒的に上げることが大事です。
値段も安いしいいプロダクトがあるので、認知してもらうだけで劇的に売り上げはまた向上するはずです。

ポジショニングを転換
家具業界は世界的にみて、店舗はショールーム化しています。
ARがどれだけ進んでも、材質や肌感などは実際に触ってみないとわからないので、こればかりはどうしても必要であります。
その上で、ニトリを一番の強豪としたら、もともとIKEAの強みであった値段が安くていいプロダクトであることを「お!値段以上」でポジションを取られつつあります。
なので、例えば子供に圧倒的にフォーカスを切るとかして、子供でも安心して使えるプロダクトであることを全面的に打ち出すなどが求められてきています。

都市部に店舗をかまえる
これは2020年に原宿にかまえることが決まっているので、同様のことを他の地域でも拡大していくことのがよい。
家具などはカップルや家族が買うことが多いので、メインターゲットをカップルにするのであれば原宿は悪くない選択肢。
立川という少し遠いけどいけなくもない場所にあるのが現状なので、思い切って目立つところに立てることで意識を最大にIKEAに向けることができる。
今後、同じような戦略を人口が増えていっている地方や政令都市にて展開していくことで売り上げ増加を見込む。

ビジネスの多角化
現代では一つの業界で特化していては成長しきれない時代になってきています。
だからこそ、IKEAは家具を取り扱っているという印象だけでなく、あたらしい商品を売り出していかなければいけません。
たとえアパレルや食品など、リピートして購入する商品を投入するなど。
一度買ったら再購入があまり見込まれない商品が多く揃えられているので、消費する商品を投入することは大きな挑戦になります。

まとめ

今まではIKEA独自の強みが大いに生かされていた時代でした。
しかしこの時代に沿った戦略をとっていかなければいけない時代になってきています。
なので戦略も組織も変化を強いられます。
世界的にはまだまだ伸びているが日本市場を見たときに遅れをとっているので、もってドラスティックに現代の潮流に乗る戦略が必要不可欠。
まずはECに注力するために、ネット露出を圧倒的にいろんな角度からトライすることが目先で必要であります。
そのためにポジショニングの再定義を行うことが必要条件。
組織風土やプロダクトなどは素晴らしいので、今の時代やこれからの時代にあった戦略を練って行動していくことでもっと伸びるし社会に対して価値提供できることが見込まれます。
マーケティングを学ぶ名著を最後に紹介するので、興味があれば読んでみてください。


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