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ネットラジオのパーソナリティー(ラジオDJ)をやってみて気付いた、3つのコミュニケーション術

こんにちは!ここ5年以上、毎日「ラジオ」を聴きながら生活している小室敬幸です。

ご縁あって、昨年(2016年)10月よりインターネットラジオ局 OTTAVA (オッターヴァ)に出演させていただいております。ラジオ好きとしては、もう本~~~~当に楽しいお仕事でして、現在のところ基本的には隔週のコーナー出演なのですが、時おり代役で4時間生放送のメインパーソナリティを務めさせていただくことも。

実は、この記事を書いている翌日、7月8日(土)にOTTAVAの出演を控えております。是非、この記事を読んでいるあなたにも聴いてみてほしい……そんな思いで、今日はOTTAVAとはどんなラジオ局なのか、魅力を含めて簡単にご紹介したいと思います。

――そもそもOTTAVAって何?

OTTAVAについては、

パソコンからスマートフォンから、いつでもどこからでも24時間アクセスできる日本唯一のクラシック音楽専門インターネットラジオ「OTTAVA (http://ottava.jp)」。 世界50カ国に、20万人以上のリスナーを有する同局だが、2007年の開局から現在に至るまでには、さまざまな困難があった。

……という書き出しで始まる2016年8月4日の毎日新聞の記事「OTTAVAの顔たち ~クラシックをBGMとして楽しめるOTTAVA 斎藤茂さんに聞く」に詳しく書かれています。なお、斎藤さんはOTTAVA株式会社の取締役社長であると同時に、同局屈指の人気プレゼンター(OTTAVAではラジオパーソナリティーのことを、プレゼンターと呼ぶ)でもあります。

この記事に書かれているOTTAVAの来歴を要約すれば、次の通り。

*2007年4月1日、TBSのデジタルラジオ実用化試験放送局の1つとしてOTTAVA開局
*2011年3月31日にデジタルラジオの実用化試験放送が全局で終了。
*2014年4月1日、TBSは日本民間放送連盟としてのデジタルラジオからの撤退表明に伴い、6月末でのOTTAVA放送休止が発表
*多くのリスナーやクラシック音楽業界の人たちによる「OTTAVA存続運動」が、SNSで起こる
*2014年7月1日からナクソス・ジャパン株式会社が運営を引き継ぐ
*2014年12月19日から独立して放送を開始、現在に至る

そうしてこうして社会の荒波に揉まれつつも、2017年4月で開局から丸10年をむかえることが出来ました。

私がプレゼンター陣に加わったのはごく最近、2016年10月からです。この時に、小室を含むアラサー世代の新人3名が登場しました。

――ラジオデビューから9ヶ月で経験したこと

小室のOTTAVAデビューからまだ9ヶ月あまりですが、この間に色んな経験をさせていただいております。例えば、俳優の長塚京三さん原田美枝子さんにインタビューをさせていただいたり、

次世代を牽引する話題の天才指揮者アンドレア・バッティストーニさん(東京フィルハーモニー交響楽団 首席指揮者)にも1時間のロングインタビューをさせていただいたり(左は、通訳をしてくださった井内美香さん)、

現在のコンサート和太鼓スタイル(?)を確立させたリビングレジェンド、和太鼓奏者の林英哲さんにもお話を伺いました(左は、先輩プレゼンターの森雄一さん)。

そして、こうした素晴らしい芸術家の方々とお話をさせていただいたこと以上に素晴らしい経験となっているのがリスナーの皆さまとの交流です。

リクエスト番組であるOTTAVA Salone(サローネ)での、メールを通しての交流。主催のコンサートや、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに出展した公開放送ブースでの交流。番組で推薦したコンサートの会場での交流、等など……

ハガキ職人」という言葉が象徴的なように、「ラジオ番組はリスナーと共に作り上げるもの」ということは、知識として知っていました。しかし、実際に自分で番組制作側にまわってみると、想像していたものとはかなり違っていたんです。

――インタラクティブなコミュニケーションはどのように実現されるか?

制作側になる前にイメージしていたのは、

「リスナーさんからいただくお便り(もちろん、現在は基本的に電子メール)から、プレゼンターが面白いと思うものを抽出していく

……という流れです。もちろん、これ自体が間違いとは言えないのですが、実際はそう簡単な話ではありませんでした。

リスナーさんと交流をしていくなかで見えてきたことは、メールを送ってくださったり、実際にお目にかかれたりする行動派のリスナーさんが求めているもの――もちろん人によって違うとはいえ――の最大公約数を探していくと、「音楽を通して、プレゼンターや他のリスナーさんとコミュニケーションをとりたい」ということに行き着くんじゃないかということです。

ただし、そのコミュニケーションをどういった温度感でしたいのかというのは個人差が大きい。リスナーさん投稿による人情噺までしっかり聴きたいという方から、真反対にあくまでも国営放送のFMのように公明正大に少し冷静な感じでお便りを扱って欲しいという方まで様々。

じゃあ今度、八方美人になればどうかといえば、結局誰の心にも刺さらなかったりすることも容易に想像ができます。更には、メールを送らない派のリスナーさん(俗に言う「サイレント・リスナー」)も勿論存在するわけなのですが、その方たちがどう感じていらっしゃるのかは想像するほかありません。

こちらを立てれば、あちらが立たず……といった感じで「正解」なんて当然ない世界。でも、OTTAVAで10年にわたりプレゼンターを務めてきた先輩方の背中をみつめるなかで、見えてきたことがあります。

――ネットラジオのパーソナリティー(ラジオDJ)をやってみて気付いた、3つのコミュニケーション術

【1】あなたのことを支持してくれる人が、ごくごく少数派でなければ、まずは自分の得意分野(自分でやりたいことでは無く、これまでやってきたことの中でウケが良かったもの)をもっと磨きましょう。ただし、磨くときには先端を尖らせすぎないこと。
 ⇒ 同じことをやっても、同じような反応が返ってくるとは限りません。それでも、過去に支持してくれた人がいることを忘れてはいけませんよね。まずはあなたのことを支持して応援してくれている人たちに、出来るだけ継続して満足してもらえるように頑張りましょう。

【2】あなたのことを支持してくれない人のなかには大きく分けると「①誹謗中傷を投げつける方」「②意見を言ってくださる方」「③ノーリアクション」の3種類の方がいます。
 ①は無視しましょう。こちらからコミュニケーションを取ろうとしても、相手方で拒絶している場合が多く、徒労に終わりますし、他の方々とのコミュニケーションクオリティも曇らせてしまいます。
 ②の方の要求が応えられない、もしくは応えることで支持層に希求しているものが削がれてしまう場合は、目配せ的な方法でコミュニケーションをとったり、それ以外のところで丁寧にコミュニケーションをとっていきましょう。そうしていれば、敵にはならないはずです。
 ③の方々は、支持層が広がれば自然とついてきます。グループ全体としては出来ることもあるでしょうが、発信者個人のレベルでは空回りをしないためにも強く意識しないほうが良いでしょう。
 ⇒ポイントとなるのは、①と②の見極めですね。①だと思ったら②、②だと思ったら①……ということがあるので、そこは判断を誤らないようにしたいところです。

【3】言葉では何とでも言えるので、なるべく行動で示す。
 ⇒ 口先で何と言ったところで、長期的に判断されるのはあなたの行動です。好き嫌いを超えて、信頼される存在を目指しましょう。

= = =
もちろん、私がこの3つを完璧に実践できているわけではありませんが、この3つが個人がマスを対象にコミュニケーションを行う場合に、判断の指針となるはずです。

こうした気づきをくれたのは、先にも述べた通りベテランの先輩プレゼンターたち。OTTAVAには、リスナーとのコミュニケーションの達人たちが揃っているから気づけたのです。

――閑話休題。そんでもって明日はどんな話をするの?

話は戻りまして、毎週土曜の午後1時から4時間生放送されるOTTAVA Navi(ナビ)に、小室が出演します。メインプレゼンターは社長の斎藤茂さんです。

この番組の番組構成は次の通り。
・13:00……Opening(前口上&その日に合わせた選曲2曲)
★13:20頃…Box Office(近日開催のオススメ公演紹介)
★14:00頃…TOKYO Meeting Point(東京文化会館からお届けする最新情報)
・14:20頃…Album PickUp[前半戦](最新のオススメCDの紹介)
・15:00頃…Editor's Talk(毎日新聞のクラシックナビの編集者による最新情報)
・16:00頃…OTTAVA Weekly&Album PickUp[後半戦]
・17:00……End

明日の放送では、★印のついたコーナーに出演します。
★13:20頃…Box Officeでは、来年生誕100年を迎える作曲家・指揮者のレナード・バーンスタインに関する2つの公演をご紹介予定です。

★14:00頃…TOKYO Meeting Pointでは、東京文化会館が主催するミュージック・ワークショップ・フェスタ〈夏〉をご紹介。出演されるワークショップリーダーの坂本さんと磯野さんに事前に収録させていただいたインタビューも流れる予定です。

ディープなクラシック音楽ファンから、ライト層やビギナーまで、幅広い層にお楽しみいただきながら、クラシック音楽業界の最新動向をおさえられる「クラシック音楽版 王様のブランチ」(え?さすがに違いますか!?笑)として、是非一度OTTAVA Naviを聴いてみてくださいね。

放送開始は、日本時間の毎週土曜13時から。「聴き方が分からない!」という方は、こちらのページを参照してみてください!


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