先延ばしは人生の毒。そんな毒の原因と対策が一目でわかる「先延ばし方程式」

先延ばしは基本的に人生の毒です。

先延ばしをする人は貯金が少なく、収入も少なく、不健康で、罪悪感と後悔の日々に心が蝕まれます。

ですが、先延ばしをしてはいけないと誰もが思っていることも事実で、誰もができれば先延ばしをしたくないと思っています。

そうやって誰もが望んでもできないならば、それはやり方が問題なわけです。

ということで、今回はそんな先延ばしをする原因と対策を、一目でわかる「先延ばし方程式」を使って紐解いていきます。

価値…目的意識をもつ

それをしたところで大したものは得られない…という状況では、モチベーションが下がって先延ばしがちになってしまいますよね。

重要でない仕事をどんどん後回しにして、結局切羽詰まった状態になってやる…みたいなこともよくあるものです。

つまり、モチベーションをあげるにはそのものの「価値」が重要になってくるのです。

ですので、やるべきことの「価値」をしっかり認識していることが重要です。

価値の認識…つまり目的意識には2つのポイントがあります。

1.細かく具体的に
2.回避目標でなく接近目標に

まず1つ目ですが、目標は漠然と大きなものでは、その価値も漠然としてしまいます。ですので、手の届く大きさまで目標を細かく具体的にし、着実に実行していける準備を整えることが重要です。

2つ目についてですが、目標は「~をしない」という回避目標ではなく、「~をする」という接近目標にした方が、先延ばしをしにくいということが分かっています。「しない」ということは、例えば「存在しないことを証明するのは難しい」ということと同様に、案外大変なことだからです。

期待…適度な自信過剰

その目的を本当に達成できるのだろうか…という不安は、先延ばしの原因になります。

また、目標を達成したとしても、それで得られるご褒美がもらえるか怪しい…という状況ではモチベーションが下がって先延ばしをしてしまいます。

ですので、目的を達成し、価値あるものを確実に入手できるという「期待」はモチベーション大きくあげてくれます。

もちろん、「価値」が大きければ大きいほど、「期待」が大きいときのモチベーションは上がりますから、この2つは掛け算で結ばれているわけです。

期待は、心の持ちようで大きく変わります。実際の確率ではなく、「自分が達成できると思っているか」が重要なのです。

ですので、「楽観的」になれれば期待はぐんぐん上がっていくわけですが、実際には期待が高まりすぎる…つまり楽観的になりすぎると先延ばしをしてしまいますよね。

例えば、こんな仕事楽勝だーと思ってほっておいたら、意外に苦戦してぎりぎりで切羽詰まってしまう…なんてことはよくある話です。

こんな「過度な楽観視」のときにどうなっているのか、この方程式にあてはめて考えるならば、自分の気持ちの中で「価値」が下がっている状態だと言えるでしょう。

掛け算なので、小さい価値にいくら大きな期待をかけてもそこまで大きくなりません。

ですので、「適度に楽観的に」が大切なのです。

衝動性…注意をコントロール

次は方程式の分母の一つ…衝動性についてです。

衝動性が高い…つまり、欲求に弱い状態だと、目先のことに誘惑されて先延ばしをしてしまいます。衝動性が高いとモチベーションが下がってしまうわけです。

例えば、ダイエットをしようと決意したその日に、ふとラーメン屋の前を通ってしまい、その魅惑のにおいにつれられ「よし、明日からダイエットをしよう」と先延ばしにしてしまう…なんてことはよくありそうなことです。

じゃあどうすればいいのか、と考えたときに、そういった欲求に負けない強い心を持つんだー、と考えたくはなりますが、それはなかなか難しいものです。

ですので、まず大切なことは、人は誘惑に弱いということを自覚すること。そこから衝動性への対策は始まります。

例えば「誘惑が多い場所は避ける」という方法があります。

繁華街は通らないとか、勉強中はスマホを遠ざけるとか…

そうやって誘惑を遠ざけて、衝動的に感じることさえなくす、という方法は、単純ですが案外効果があります。

もう一つの方法は「注意をコントロールする」という方法です。

この方法で一番大事なことは「まず衝動的になっていることに気づく」ということです。

例えばYouTubeを見るときは10分ごとにアラームをかけるとか、外食をする前にはカロリー計算をしてそれをメモするとか…

そういった方法で「今自分は誘惑に駆られているんだな」と客観的に見ることができれば、一瞬立ち止まって考えることができます。

そうやって注意をコントロールしても、もちろん誘惑に負けてしまうことはあるので、「誘惑に負けたら次はこれをしよう」と予め決めておくことも大事です。

例えば、ラーメンを食べた次の日は野菜を多く食べるとか…

そうやって、誘惑から「避げて」「気づいて」「受け入れる」ことが、誘惑とうまく付き合い、モチベーションを保つうえで大切なことです。

遅れ…目先のものに弱い人間

最後に「遅れ」についてですが、これは「価値」を受け取るのが遅くなればなるほど大きくなります。つまり「遅れ」とは、価値を手に入れるまでの時間です。

例えば、今この場で10000円を受け取るか、それとも1週間後に11000円を受け取るか…という質問は、案外答えが分かれるものです。

実際には1週間で10%もの利率なわけですから、11000円の方がお得なわけですが、人は目の前の価値を大きく見積もる傾向があるのです。

方程式で見てみると、すぐ手に入れられる…つまり「遅れ」が小さいほど、モチベーションは大きくなります。こういったことからも、人はすぐにその価値を手に入れられる「誘惑」に弱いことがわかりますね。

ですので、誘惑に負けない強い心を…なんてことはとりあえず考えずに、先ほど述べたような誘惑とうまく付き合っていく方法の方がよほど建設的なわけです。

先延ばしは毒

最初にも述べましたが、先延ばしは基本的に人生の毒です。

最初は楽しいかもしれませんが、どんどん心を蝕み、残るのは後悔の思いだけ。

だからといって、気合でどうこうなる問題ではないので、しっかりとした先延ばし対策をして、人生をより楽しみましょう。

参考文献:ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか(ピアーズ・スティール)

ps
最近本を読むモチベーションはどこからくるのかと考えたら、知識という確実な価値と、速読によってわりとすぐにその価値が手に入ることと、そして習慣化によって衝動性が入る余地を与えないという、結構いいスパイラルになっていることに気づきました。

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