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サイボウズのチーム・組織づくりのセミナーに参加して聞いたこと、感じたこと。

昨日(2019.3.15)、サイボウズの企業研修に参加したので、感想や学び、気づきをシェアします。

みなさんはサイボウズってどんな会社か知っていますか?ソフトウェア開発会社で、『kintone』『サイボウズ Office 10』などチームワーキングの生産性を向上させるプロダクトをいろいろ開発・提供しています。

プロダクトを体現するかのように、チームビルディングには力を入れているらしく、様々な「働き方系アワード」で多数の受賞歴。たとえばこんな感じ。

ところがこのサイボウズ、かつては高い離職率で有名でした。

社員の「四人に一人」が辞める会社

なんと28%。セミナーの中でも、今なら考えられない(まだやってる企業も普通にあるだろうけど、社会のトレンドとしては)風習の数々が紹介されました。たとえば、

■ 新人は「明かりがついている会社」がなくなるまで飛び込み営業
■ 目標達成していなければ有給申請が通らない
■ 平日は毎日始発終電、土曜日も出勤
■ 徹夜で経営会議

他にも数々のいわゆる「THE・ブラック」的な企業体質で、「俺たちベンチャーなんだから、当たり前でしょ」「Googleはもっとやってるぞ、なんでやらないの?」という状況だったそうで。

しかしながらこの数値が、2015年には4%にまで下がったと。比例するように売り上げも上がってますね。会社の風土は醸成するのに時間はかかるし、すぐに変わるものじゃない。相当、仕組み化と実際の業務への落とし込み、粘り強い取り組みをしてきたのだと思います。

サイボウズの取り組み方についてもっと知りたい方は、こちらをどうぞ!

ポイントを3つにまとめてみた

さて、そんなサイボウズ。試行錯誤の中で得た知見を、セミナーやワークショップの形で法人の組織課題解決のために提供しているというわけです。

僕が今回参加したセミナーの内容から、ポイントを3つ抽出してみました。

1. 働き方変革の3要件:「風土」「制度」「ツール」
2. 働き方の多様性を認識し、仕事を設計する
3. 透明性の高い組織である

1. 働き方変革の3要件:「風土」「制度」「ツール」

これはサイボウズの働き方の話で毎回と言っていいくらい出てくるでしょうね。公式の図とは少し異なりますが、個人的には次のようなイメージです。

サイボウズには制度がたくさんあるんですよ。数でいうと24以上はあるんじゃないかな......。

ちょっと面白かった話として、サイボウズには部活動制度があるのですが、一人につき年間一万円が各部活に支給されるそうで、スイーツ部に60人いるから60万円、野球部に30人いるから30万円....(笑)。

これはちょっとした笑い話にもなりそうですが、組織づくりって実際かなりのコストがかかるものですよね。時間や労力だけでなくそれなりにお金も投資している、とのことでした。

2. 働き方の多様性を認識し、仕事を設計する

それぞれ個性があって、働き方も十人十色。その会社にいる意味も違えば、パフォーマンスを発揮できるワークスタイルだって違う。

ひとりで仕事をするか、みんなで仕事をするか
そのままの意味です。だいたいみんなどちらかのタイプだと思いますね。

気をつけなくてはならないのが、仮に「チームで働くことを大切にしている」としても、黙々と作ったり、考えたりしたい人もいること。矛盾しないんです。実際に前職ではそういう人がいました。

ちなみに僕もそうですね。「ひとりで黙々と作業する」方が、おそらく僕個人のパフォーマンスは高いと自分では思っています。人数が集まった場合、「客観視」「分析」「俯瞰」し、全体のダイナミクスを意識して行動するスイッチが入る。場やチームを最大限機能させる思考になるので、プレイヤー的ではありません。

自己認知 / 分析が重要ですね。このあたりについては、この記事の後半で触れます。

同期 / 非同期コミュニケーション
リアルタイムでのコミュニケーション(ex:電話、チャット、ビデオ通話)を得意とする方がいれば、タイミングをずらしたコミュニケーション(メール、Web、データベース)を得意とする人もいる。

会議中には数多く発言しなくても、後から文章でびっしり書いて送ってくる人もいるらしく。そこで、サイボウズでは会議をする際にチャットを常に立ち上げておくそう。すると、チャットで諸々発言してくれる人もいるそうだ。ちょっとしたニコニコ動画みたいな感じなのかな。

たしかに発言の総量はかなり増えそうだし、拾いきれない意見も後で確認できそうではある。会議以外でいえば、ポータルや掲示板なんかも同じような効果をもたらすでしょうね。どうしても人間が集まると声の大きい人が目立ってしまいますが、そうでない人たちの声を聴くこともできそうです。

3. 透明性の高い組織である

サイボウズの取り組みの中で、個人的にこれが一番印象的でした。経営レベルの会議だったかな、その会議の議事録を事細かにとり、社内に公開するのです。もちろん会社に合わせて調整の必要はあるけれど、トップレベルの「意思決定のロジック、意図」がわかる部分については良いなと思っています。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)はかなり大きな方向性、あるいは行動指針であり、その会社の存在意義を示します。それは分かっているのだけど、だいたいどの仕事も、働いている人としては「ただの作業、ただのタスク」になりがちです。これはなぜか。

MVVってだいたい聞こえがいいです。良い気分になれるし分かっている気になります。だけどMVVと毎日の仕事には少なからずギャップがあります。経営層ほどそんなことはないと思うかもしれませんが、まず「ひょっとしてあるのでは」と考えてみてほしいです。

このギャップを埋められない場合、実際にはふられた仕事をただ片付けている気がして、充実感がない。燃えられないなんてことが起こり得る。スタートアップやベンチャーの場合特に致命的です。経営層への不信感が募ることもあるかもしれない。

NETFLIXとかAirbnb、Patagoniaってこのあたりに対して半端じゃないんですよ。全員のMVVへの理解と熱量が圧倒的です。ちょっと余談ですが、超有名な話でNETFLIXには『カルチャーデック』と呼ばれる行動規範文書があります。これを全員が行動に落とし込んで日々仕事をしている。逆にできない人は去ることになります。

当然、社員にも努力は求められます。「なぜ目の前の仕事をやるのか」「どんな意味があるのか」「何をもたらすのか」「価値を体現した行動とは何か」を考えてみることは大切。そういう人材は優秀です。

しかしながら、そうでない社員がある程度いる場合、経営層がそこにある程度コミットする必要はあると思います。社員が事業を「自分ごと化できるか、できないか」って、成果にめちゃくちゃ差が生まれるので。

社員ひとりひとりの特性を理解する必要がある。だがカテゴライズしてはいけない

組織づくりやチームビルディングにおいて一人一人を理解することは言わずもがなだし、実践している会社も多いと思います。ただ、表面をさらっただけの判断も、人物像の固定視も危険ということを念頭においてほしいです。

昨今、データを用いて人を可視化する流れがある気がします。比較的に中国で社会実装が進んでいて、信頼性それで友達とか結婚相手選んだりしてるし。日本でも一部で進んでいますね。

HR領域でもこの流れが加速するだろうなと思っています。定量データは大いに判断材料になりますが、定性的分析も同じくらいかそれ以上に大切なのは当然で、だからこそ1on1ミーティングなんかがあるわけで。

人間は時間や経験とともに変わっていきますよね。皆分かってはいるんだけど、ついついカテゴライズしがち。「今は」とつけて考えて、社員の特性を捉えることが組織内人材を扱う上では特に必要なのではないかと思います。

(余談ですが、性格的な部分でいけば、「パーソナリティ心理学」の分野を勉強してみると良いかもしれないです)

セルフフィードバックにより、自らの仕事の仕方を知る

今この記事を読んでいる人の中には、ドラッカーの本を読んだことがある人がいるかもしれませんが、自分が得意な仕事の仕方を理解することが、パフォーマンスや今後のキャリアに大きなインパクトをもたらします。

↑には書いてませんが、「読むタイプ」と「聞くタイプ」の話の、アイゼンハワーやウィンストン・チャーチルの事例とかぜひ読んでみてほしいですね。ドラッカーの本は刺激的で思考が活性化する感じがしますが、フィードバックしたくなること間違いなしです。

かつては仕事の仕方に人々はそれほど関心を持っていなかったのではないかと思います。中心となる産業の特性の違いや、マニュアル偏重にシステム化されていたことが原因として考えられます。

しかし今や多くの社会が知識社会となった。テイラーの科学的管理法は肉体労働の効率化(これはこれでイノベーションだった)の話でした。知識労働者として働く上で、知識労働者の生産性向上への取り組みは競争力に関わります。組織的に取り組む必要があるでしょう。

おわりに -エンゲージメントという考え方-

ここ数年くらいですかね?社員のエンゲージメントを高めることが注目されています。関連書籍や記事もいろいろありますよね。これはロイヤリティともモチベーションとも違う概念です。

軽く触れるくらいにしますが、定義上、「自発性」が含まれているという点で単なるロイヤリティとは異なります。普通に考えて社員が心底取り組みたいと思っていて、自発的に行動できる方がパフォーマンス高いでしょうね。

今後、昔ながらに会社組織に属する働き方自体、今よりも少なくなってフリーランスが増え、属していたとしても複業であったり、週3日のコミットになることが増えることが予想されます。

会社がなくなることはないかなと個人的には思っていて、会社が果たす役割や機能が変わってくるのではないかと。一定期間である会社で過ごすことは依然としてあるでしょう。その時にせっかくならお互いベクトルが一致していた方がいいですよね。

社員のエンゲージメントの高い組織づくりはこれからも重要なことです。今回サイボウズのセミナーを受けて、HR領域への興味関心が前以上に深まった。元々組織づくりやチームビルディング、マネジメント、もとい個人が最大限に可能性を発揮できることには関わりたいと思っておりまして。学習意欲を刺激されたのでした。

おわり。

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ハヤシコウタ

フリーランス x 企業のマッチングプラットフォーム『Workship』と顧客の架け橋してるディレクター。国際関係学部卒→教育事業立ち上げに参画→東京のスタートアップ。主にイノベーション | マーケティング | 組織づくりの話をします。京都出身の本&服好きのはんなりマンです。

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