【初心者向け】 カスタマーサクセスが注目される理由と、導入を成功させるポイント
ハヤシコウタです!
現在、自社サービスWorkshipのカスタマーサクセスも担当しておりまして、僭越ながらカスタマーサクセスについて先日勉強会で登壇し、LTをさせていただきました!
大学卒業後、教育事業の立ち上げに参画し、ファシリテーター、フォトグラファーなどさまざまな業務を経験。現在は、デジタル業界で活躍するスキルホルダーとプロジェクトをマッチングするスキルシェアサービス「Workship」全体の改善及びカスタマーサクセス・サポート業務を担当してます。
実は今回LTするにあたって、社内に「カスタマーサクセスってめっちゃ大事」のアピールすることを意識して発表内容を作りました。
そのこともあり「カスタマーサクセスってなんだ?」みたいなまったく知らない人も理解が深まる内容に仕上げたつもりですので、ぜひ読んでほしいです。
カスタマーサクセス ≠ カスタマーサポート
そもそもの話から始めるとすごく理解が進むもの。カスタマーサクセスのミッションは「顧客生涯価値(LTV)の最大化」であり、「解約率を下げること」が要になります。
もう少し実務の部分に視点を移すと、カスタマーサポートとの違いを考えるとわかりやすいです。
一番のポイントはカスタマーサポートの仕事が基本的に「すでに発生した問題への対応」である一方、カスタマーサクセスでは「問題を未然に防ぐよう先回り手を打つ」のが仕事である点。
カスタマーサポートは電話対応やメール問い合わせに対する返信をイメージしてもらうと良いかと思います。カスタマーサクセスだと例えば、サインアップ後のサービス利用方法の説明なんかが該当します。
参考までにぼくの仕事内容の一部を紹介しておくとこんな感じになります。組織がどのように「カスタマーサクセス」を定義しているかにもよるのですが、ぼく個人としては「顧客が成功するために必要なことをすべてやる」くらいの意識でやってます(もちろん一人でやるわけではない)。
ミッションであるLTV向上はどのように収益につながるか
LTではカスタマーサクセスに取り組むことでしっかりと結果につながるんだぞという話もしました。こちらは簡易なイメージ図です。
カスタマーサクセスの仕事は、収益アップにつながるイメージをなかなか持ってもらえません。知識として知っていることと、明確にイメージできることはまったくの別物です。
そのこともあり、今回この話をきっちりしました。カスタマーサクセス職の人なら99%くらい共感してくれると思うのですが、仕事の重要性や影響力が組織になかなか浸透しない。
しかもひとりで「事例記事制作」やら「CX設計やら」様々な業務を担当することが多く、孤軍奮闘な場合もしばしば。何から何までやらなきゃいけない状況で浸透させる余裕がなかったり、思うように進まずフラストレーションが溜まったりするもの。
実際先日取材先でお会いした、新卒でカスタマーサクセス職を担当されている方もとても苦労しているようでした。
周囲のサポートはもちろん大事ですが、「カスタマーサクセスが生み出す価値」をもっと発信し続けていくのも使命かなと。
カスタマーサクセスが注目される理由
カスタマーサクセスの認知と台頭にめちゃくちゃ影響しているのがSaaSが増えたこと(あとで触れますが、さらにビジネスモデルの変化が影響しています)。
数字を見てもどんどんSaaSの市場が伸び続けてるし今度も伸びると予測されています。普段それほど意識していないだけで、ちょっと考えると使ったことがあったり知っていたりするサービスの多くがSaaSだったりしますし。
(↑ 青の線が「カスタマーサクセス」の検索トレンド)
日本でも海外でもかなり検索されていることがわかります。あとこれ体感で申し訳ないのですが、Wantedlyなんか見てても5年前とかに比べてカスタマーサクセスの募集ってめちゃくちゃ増えてるんですよね(中の人にきいたらきっとそのデータがあるはず)。
「売ったら終わり」から「購入された後も」へ
背景にはビジネスモデルが変化したことがあげられます。
ながらく日本だけでなく世界でも、生産して売って終わりの売り切りモデルでビジネスで収益をあげていました。乱暴に言ってしまえば作って広告流せば売れる、みたいな時代だったのです。
論点が今よりも「生産効率をいかに向上させるか」に偏っていたはず。より低いコストで質の高いものを生産するという感じでしょうか。
ところがこれでは物が売れなくなってきました。物自体の機能的価値がなくなったわけではないですが、重要側も共有側も購入後の「体験」に重きを置くようになりました。
いまはいかに購入後の満足度を高めて、アップセルやクロスセル、再購入、継続利用をしてもらうかが注目されています。
モデルの移行に何が影響を及ぼしたのかというと様々な要因がありますが、ざっくり下記があります。
・シェアリングエコノミー化
・消費者のスマート化
・ビジネスモデルのサブリスクリプション化 etc.
もちろんある事象が確認される時には挙げだすとキリがないくらい「何かしら影響を与えている」と言えるものが挙がってくるものです。下記が一例。
カスタマーサクセスを実施する上でまず取り組むべきこと
広い視野をもった動きが求められるからこと、顧客にとってのサクセスとは何かを定義することがキモになります。
ただもうこのレベルまでなるとカスタマーサクセスのチームだけで決められることではなく、「ビジョン」や「事業の定義」「顧客が感じている価値」について考えなければなりません。
そのためプロダクトオーナーや経営層の人間にミーティングに参加してもらうなど、巻き込む必要があるかと思います。
根本的な部分を仮説でも良いのでしっかり考えておかなければ、施策の実施もしづらいです。一度定める上でテストもできますし、顧客インタビューなどを実施した時の学習スピードをあげられるかなと。
カスタマーサクセス導入の最大の課題
企業やサービスの規模問わず一人または少人数で取り組むことになりがちなカスタマーサクセスですが、組織で取り組まないと仮説検証スピードは落ちるわ、ユーザーは離れていくわ...と目も当てられない状況になります。
反対に大変ではあるけど、浸透すればすっごい良いチームや組織になります。この間、アライドアーキテクツの藤田さんと少しやりとりをしたのですが、考え方が代わり、アプローチも変わってくるのです。
藤田さんのツイートに本当に大切なことがたくさん詰まっているなと思いました。
そのためにできることとして、例えば「見える化」「ツールの導入」といったことをして地盤を固めていくことが必要だなと。
チャーンレート(解約率)からどれだけの売り上げや損失が生まれているかを、できれば自動で計算してくれるツールを用意することです(このあたりはエンジニアと協力できるとGood)。
ポイントは共通認識を持てる仕組みをつくることです。
まとめ
カスタマーサクセスの認知が広がって、特にWeb界隈ではひとつの仕事として定着が進んでいるとは思います。
しかし個人的には、どれだけのインパクトがあるかを実感している人は少ないかなと。だいたいのカスタマーサクセス本で語られていますが、「組織の上層レイヤーの人たち」がまずは率先して重要性を謳うことが必要かなと。
きっとSmartHRさんのように高い顧客維持率を叩き出しているところは、組織全体として意識しているはずです。
サービスが成長してより多くの顧客に貢献できるものになるためにも、カスタマーサクセス担当者の力を合わせて、助け合いながら全体を盛り上げていけたらいいですよね。
おしまい。
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当日の資料(Slideshare)
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ということで、入れたらここにSlideshareも載せます!
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