BtoBコンテンツマーケティングのいろいろな問題についてどう考えるか#markezineday

先日、MarkeZineさんにお声掛けいただき、ベイジの枌谷さん、クマベイスの田中さんと「BtoB×コンテンツマーケティング」をテーマに、「MarkeZine Day 2019 Summer Kansai」のパネルディスカッションに登壇しました。

その際、Slidoを使って会場から質問を受け付けていたのですが、全てに回答できなかったため、こちらで回答させていただきます。

ありがたいことに31個もの質問を投稿いただきました。

Q:コンテンツマーケティングに取り組む前に注意するべきことはなんですか?

そもそも難易度が一定以上高い取り組みであることを理解する。

「無人島のお祭り」にならないように、集客経路を入念に設計する。

兼任だと多くの場合、進まない。外注するか、社内でほぼ専任以上のリソースを確保するか。

Q:コンテンツマーケティングはオウンドメディア(ブログ)やSNSのイメージがありますが、その根っこにある考え方は何でしょうか?

価値ある情報を届け、マーケティングに活かすこと。

Q:BtoBのコンテンツマーケティングとBtoCのコンテンツマーケティングの違いは何でしょうか?

BtoBマーケティングの中にも無数のパターンがあり、BtoCマーケティングの中にも無数のパターンがあり、2つを比較するのは難しい。

ただ、BtoBは高関与商材なのですぐに買わない。コンテンツを見て、即問い合わせ、即購入はない。問い合わせがあった後も、営業が関与する。

継続的にコミュニケーションを取る必要があるので、長いコミュニケーションプロセスの中で、コンテンツをどう位置づけるかを考える必要がある。

Q:SEOコンテンツの限界というのを詳しく聞かせて欲しいです!

SEOコンテンツの限界、というより、クラウドソーシングに発注するなどして、「低品質な記事を量産するコンテンツ作成方法の限界」ですね。

Q:あえてコンテンツマーケティングが廃れるとしたら、どんな未来がやってきたときと考えますか?

基本的に廃れないと思いますが、「顧客がニーズを持った瞬間、AIが最適な製品・サービスをレコメンドして、マッチング」な世界が到来した時でしょうか。

Q:コンテンツマーケティングで成功している企業を具体的に教えて下さい。

・Web制作会社 ベイジさん:https://baigie.me/

・ガイアックスソーシャルメディアラボ:https://gaiax-socialmedialab.jp/

Q:注目しているBtoBコンテンツマーケの成功例があれば教えてほしい

・MISOCA:https://www.misoca.jp/study/invoice/how-to-write/
→検索ボリュームがありそう&CVにつながりそうなキーワード(「請求書 書き方」など)で記事が書かれていて、CTAとして、自社サービス(請求・見積・納品書の作成サービス)の相性が良い。売上につながっていそう。

・PLAID社のXD(クロスディー):https://exp-d.com/
→CXプラットフォーム「Karte」を提供するPLAIDさんのオウンドメディア。CX(カスタマーエクスペリエンス)ツール自体を売るのではなく、CXとはなにか、CXの重要性を啓蒙しているメディア。おそらく、CXツールを積極的に探している顧客はまだ少なく、市場の啓蒙が必要なフェーズだと思うので、こういう取り組みは有効そう。イベント「CX AWARD」もやっている。

Q:これから運営体制を整えていきたいのですが、メンバーとしてはどのような人が適任なのでしょうか。

最低1名は営業メンバーや、感度の高いマーケターなど、市場やお客さんへの理解が深い人が必要。あとは、日頃からコンテンツが好きで、コンテンツに大量に触れてる人。コンテンツへの感度が高い人。Twitter運用を任せるなら、ツイ廃な人が適している。

Q:運営体制はどうするとうまくいくのか

外部の知見を入れた方が良い。BtoBのコンテンツマーケティングを成功させた経験のある人達がチラホラ出てきている。会社に依頼するより、成功実績のある個人(フリーランスや複業)に依頼できると良い。

注意点があるとすると、コンテンツマーケでPVを増やすスキルと、CVにつなげるスキルと、PLAID社のXDでやっている空気作りや市場創造のスキルは別なことが多いので、その人が過去にどのようなコンテンツマーケを成功させたのかは確認が必要。

Q:コンテンツマーケティングに経営者はどこまでコミットすべきか

規模による。大手企業の経営者がコンテンツマーケにコミットしてたら、微妙だし、スタートアップ企業なら、顧客獲得の優先順位が高いので、定例会議に参加するなど一定以上のコミットは必要。上場前後ぐらいだと、担当役員の仕事はマーケに投資する方針の策定と、マーケの中でコンテンツマーケが適切だと判断し、それを推進できる人を見つけて来る(=採用する)、ではないか。

Q:社内にリソースが足りず、質の高いコンテンツを出し続けるのは難しい状況です。 コンテンツマーケは継続的に取り組まなければ意味がないのでしょうか。

目的による。CVを獲得するインデックス型コンテンツ(「BtoB企業は、オウンド「メディア」より「インデックス型コンテンツ」がおすすめ」)なら20本ぐらいのボリュームで良いし、外注可能。

社内にあるノウハウを伝えて、見込み顧客と継続的にコミュニケーションする、結果として、信頼感を持ってもらうのが目的なら、継続が重要だし、アウトソースは難しい。社内リソースを確保する。

一方、PLAID社のXDでやっている空気作りや市場創造が目的なら、社内に感度の高いマーケターは必要だが、コンテンツ「作成」はアウトソース可能。

Q:コンテンツ外注していました。 今後、内製化するにあたって最初におさえておいた方がいいポイントなどはありますか?

過去に外注して成果の出た勝ちパターンを大事にすること。定期的に第三者の客観的なフィードバックをもらうこと。

Q:コンテンツ制作を社外に依頼する場合に気をつけること、グリップを握っておくべきポイントはありますか?

コンテンツの目的や実現したいことを伝える。良いコンテンツを作れる人材は希少なので、面白いプロジェクトになるように工夫する。適切な報酬を払う。

当たり前だけど、低品質なコンテンツを量産しても効果は出ない。良質なコンテンツを作成できると、資産になるし、効果が出る。一緒に良いコンテンツを作ってもらえるようにする。

Q:企業毎の事業規模や予算などに応じて打てる施策や導入するツールなどを取捨選択する必要があると思います。 この様な場面において、どの様な判断基準を元に選択していけば良いかなどはありますでしょうか。 特に予算が少ない中小企業レベルでの意見があれば頂きたいです。

ツールに関しては、施策の効果が出ていない中、ツールを導入するのは微妙。成果が出てる業務があるけど、それが煩雑になってる、もっと効率よくやれるみたいなときに導入すると良い。

また、成功しているBtoBオウンドメディアの編集長たちに聞くと、ツールを使ってない、使っているとしても1つだけな場合が多い。苦戦してる会社ほど、大量にツールが入っている傾向がある。ツールに頼ろうとするよりも、ユーザーニーズを捉えることに神経を使う。

Q:コンテンツマーケティング施策の結果を、すぐにビジネス(売上)に直結させるのは難しいと思うのですが、結果が出るまでの時間軸はどのように考えればいいのでしょうか?社内への説明の仕方など、教えてほしいです。

「AIアナリスト」を提供するWACULさんが発表しているグラフが良い。結果が出るまでは半年以上かかる。効果測定をするなら、半年後か1年後に。

Q:コンテンツマーケティングの重要性を社内認知させ、そこへの予算組みとコンテンツ作りに要する時間をもらう為のプロセスにアドバイスはありますか?

予算組みのプロセスは、前述のWACULさんのグラフを参考に。うまくいけば、半年後、1年後からCPAやCACが下がり始める。

重要性の社内認知は、結果を出すのが一番。

Q:現場と決裁権を持つ層とのギャップ。 現場ではいくら理解されてることでも、決裁権を持つ層に理解されないが故に予算が下りないことも。ここは説得を努力するしかないのでしょうか?

成果を出すしかない。普段から成果を出していれば、決裁者も理解してくれるし、普段から成果を出していなければ、決裁者も理解してくれない確率が高い。

Q:何より続けることが重要だと考えていますが、何らかの成果がないとやる方も周囲もつらいと思います。 皆が納得するKPIってなんでしょうか? 

理解してもらいやすいKPIは、コンテンツマーケを開始した以降の指名検索数、リード数、商談数、売上の増加でしょうか。

あと、お客さんからの定性的なフィードバック(「記事、読んでますよ」とか「ノウハウがあって、信頼できそうだなと思いました」とか)はモチベーションになりますよね。

半年で、理解してもらいやすいKPIを伸ばして、結果を出すのが重要かと。

Q:施策を実行する際に、成果の創出は必須の企業が多いかと思いますが、コンテンツの成果(KPI)はどのように測定すれば良いでしょうか?
Q:KPIの最適な設定はどんなことがベストでしょうか?

認知を取りたい、市場の啓蒙をしたい:PV数、指名検索数
リードを増やしたい:リード獲得数
ブランディング:商談化率、商談受注率

Q:マーケティング部門と営業部門の壁。KPIなどを揃えても一体感が生まれず苦しんでいます。(足の引っ張り合いになってしまう)皆さんであればどのように解決されるで

・マーケティングの担当役員と、営業の担当役員が別だと揉める。営業とマーケティングの担当役員1名体制にする
・工程的に前である「マーケティング部門」が営業部門に質の良い商談を渡す
・営業とマーケの壁、というより、そもそもの社風や組織文化の問題であることが多い

Q.良質なコンテンツを生み出し続ける為のコツはありますか?

大量にコンテンツを見る。大量に読者に会う。

継続しながら上達する(Google Analyticsのデータを見てるだけでなく、読み手から定性的なフィードバックももらう)。

コンテンツ企画・編集会議が重要。ちゃんと議論する。

Q:ウェブ制作会社のデザイナーです。 多くの業種のクライアントさんがおり、各クライアントのサイト内でコンテンツマーケを考えたいのですが、 よく知らない業界の中でクライアントのターゲットが求めているコンテンツがわからないこともあります。 その場合、どういうコンテンツを作れば良いか、どのようにヒントを得ますか?

ビザスクやbosyuで「クライアントのターゲット」にインタビュー。もしくは、営業同行させてもらう。営業パーソンに「お客さんからよく聞かれることは何なんですか?」とヒアリング。

あとは、「当該テーマで、はてぶで過去バズってる記事の傾向を見る」的な、調査も有効です。

Q:コンテンツのネタについて、ターゲットを捉える手法としてはやはりインタビューになるのでしょうか。そのほかリソースが限定される場合に有効な手法があれば教えてください。

ターゲットにインタビューして、そこからインサイトを捉える以上に、中長期的に見て、リソースがかからない方法はありませんが、

・検索キーワードから、ターゲットのニーズを推測したり
・営業チームにヒアリングしたり
・コンテンツマーケの専門家にアドバイスをもらったり

などは有効かもしれません。

Q:いま最も注目しているコンテンツは何ですか?

動画です!あと2,000年ぐらいはテキストコンテンツは廃れないと思いますが、動画の視聴体験がよくなっているので、これから増えそうですよね。

Q:BtoB企業のコンテンツマーケティングのコンテンツは、正直どれも同じように見えてしまいます。SEOなど意識すべき共通点はあると思いますが、独自性を出すにはどうすればいいのでしょうか?

コンテンツのコンセプトを決めること。たとえば、当社のメディアだとマーケティングの概念や手法の説明は一切してない。それは他のメディアに任せてる。

Q:各社がコンテンツマーケティングに取り組み出している昨今、その中でも自社を選んで見てもらう為のコツはありますか?もしくは、コンテンツ作りをする上で、大切にしないといけない考え方はありますか?

見てもらう為のコツ:当該分野の一番の専門家であるはずの自社の知見を詰め込む。テーマを絞って、独自性を作る。数年スパンでは、ほとんどの会社がコンテンツマーケをやめるはずなので、残存者利益じゃないですが、数年以上、継続する。

コンテンツ作りをする上で大切な考え方:自分が言いたいことでなく、相手の知りたいことを伝える。


Q:リブランディングとしてのコンテンツマーケティングを行ってます。 普段よく感じるのが、決済者(おじさん)の感性とターゲット層(特に若い女性)の感性はまるで違うのに、前者の視点での意見になってしまいがちです。 それを徐々に改善していった事例はありますか?

コンテンツの企画・編集会議にターゲット層の社員にたくさん入ってもらう。ターゲット層の意見から作ったコンテンツの方が成果につながっていることを伝える。

Q:コンテンツ経由での流入はある程度稼げるようになったのですが、売上になかなか繋がらず上司のコンテンツマーケティングへの評価が上がりません。 どのようにPDCAを回せば、売上に繋がっていくのでしょうか。

コンテンツからCTA(資料ダウンロードや資料請求、サービスサイトへの誘導)の導線があるかを確認する。コンテンツ内にCTAがないと、基本、CVしない。

適切なターゲット、チャネル、キーワードで流入を獲得できているか。PV数が売上と相関するメディアビジネスと違い、BtoBの場合は、PVと売上は相関しない。ビジネスにつながるターゲットを、適切なチャネルやキーワードから獲得する必要がある。

Q:BtoB企業向けに、営業活動のデジタル支援をご提案しています。コンテンツマーケは着手しやすく提案もしやすいのですが、本格的に行うとなると、SFAやMAとの連携が必要となり、スピードアップが難しいと感じています。デジマが充実していない顧客企業へのサービス展開について、アドバイスがあればお願いします。

3年ぐらいのスパンでプロジェクトを遂行する。一気にコンテンツマーケ、MA、SFAを導入してもカオスが起きるので、コンテンツマーケ→SFA→MAなど順番に取り組んでいく。

Q:コンテンツを周知するためのSNSの活用は、btobでは難しいでしょうか?

Q:BtoBマーケティングにおいてSNS活用のメリットはありますか?

ターゲットがSNSを使っているなら活用可能性がある。ベイジ・枌谷さんの記事を読まれると良いかもしれません。

Q:関西ではイラチ(せっかち)なマネジメント層が多く、「コンテンツマーケティングに取り組め」という割に短期の成功を求める傾向にあります。 B2Bでまず手をつけるべきコンテンツマーケティングの題材があれば、教えてください。そもそもマネジメントのイラチな性格を変えることから、という話かと思いますが、そこをなんとか。

私が書いたインデックス型コンテンツの記事を読まれると良いかもしれません(笑)。題材にしているキーエンス社は大阪の会社です。

どの質問も重要かつ、興味深く、楽しい登壇になりました。

BtoBマーケティング、コンテンツマーケティング関連の登壇、取材の依頼があれば、お気軽にご連絡ください。


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栗原康太

BtoBマーケティングの戦略立案から実行までを代行。株式会社才流(https://bit.ly/2Qdxida )の代表。お気軽にDMください!BtoB | マーケティング | 経営

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