ベンチャー特化のPR会社・ベンチャー広報の美しすぎるマーケティング戦略。採用、組織制度との連動まで解説

マーケティング7.0の第二回は、 ベンチャー専門のPR会社、ベンチャー広報を取り上げます。

先日、DODAが運営する「未来を変えるプロジェクト」で『完全リモートワークでも社員を管理しない。マネジメントを手放しても毎年20%成長を続ける会社の働き方』として取り上げられていましたが、ユニークな働き方で注目が集まっている会社です。

そのベンチャー広報ですが、マーケティングについても、採用と組織制度が連携した美しい仕組みが整っています。

今回の分析企業

ベンチャー専門のPR会社、株式会社ベンチャー広報
https://www.v-pr.net/

なぜベンチャー広報なのか

BtoC企業やSaaS企業は、マーケティングの優先順位が高く、マーケティング分析の対象になりやすいですが、多くの人が従事する人月ビジネス/労働集約ビジネスの良質なケーススタディは少ないです。

ベンチャー広報は、質の高いマーケティング戦略をもとに高収益なビジネスを作り上げており、今回、その秘密に迫ってみたいと思います!

ベンチャー広報のマーケティング解説 目次

①ベンチャー広報の事業・サービス概要
②3C分析で全体像を整理
③5Force分析で業界構造を分析
④ベンチャー広報のマーケティングファネル整理
⑤マーケティングを支える組織構造
⑥今後のマーケティング戦略仮説

①ベンチャー広報の事業・サービス概要

サービスカテゴリー
広報PRエージェンシー

創業者の原体験
代表の野澤さんの会社員時代の体験。HPには以下のように記述されています。

あるベンチャー企業で広報担当者をしていたときのこと。ある大手PR会社に見積をとって驚きました。「月額80万円の12ヵ月契約?」当時、創業3年目、社員数十名の会社が、到底払える金額ではありません。なんでこんなに高いのだろう。事業を伸ばすためにはPR会社の力が必要なのに。もっと安い価格で、ベンチャー企業に合ったサービスを提供してくれるPR会社はないのだろうか。これが当社の原点です。

ビジョン
社会性と成長力を兼ね備えた未上場会社を発掘し、その価値を世の中に伝えること

サービスコンセプト
ベンチャー企業・スタートアップのためのPR会社

サービスメニュー
・広報PRに関連する業務の代行
・広報PRに関連する業務のアドバイス

提供価値
日本の99%を占める中小・ベンチャー企業が広報・PRのノウハウを手に入れ、マスコミからの取材を手に入れられる

売上・利益
非公開

従業員数
10名弱

②3C分析で全体像を整理

市場・顧客視点(Customer)
・PRを活用して、商品を売りたい日本企業全般
・日本産業の99%を占める中小企業は日本特有のマーケットとして存在
・日本パブリックリレーションズ協会の調査によると2016年度のPR業界の市場規模は1016億円。前年度より7.2%増加している。2006年が653億円なので、10年で約1.5倍の規模に成長
・PRのニーズが高まっている背景は、ベクトル社の決算資料がわかりやすかったので抜粋。インターネットやスマートフォン、SNSの普及により、消費者のメディア接触手段が多様化。「マス広告を出稿」するだけでは、消費者にリーチしづらくなっている
・消費者に直接アクセスしやすくなっているので、消費者と関係を作っていけるPRが注目
・しかし、大手PR会社は月額80万円~で、中小・ベンチャー企業には手が出せない

自社視点(Company)
・ベンチャー企業に特化した料金設定(大手PR会社の半額程度なので40万円/月 程度か)
・「マスコミ露出をどう最大化するか」に最大限注力したシンプルなサービスメニュー

競合視点(Competitor)
・国内では、電通パブリックリレーションズ、ベクトル、サニーサイドアップが売上高50億円以上でTOP3
・外資では、エデルマン、ウェーバー・シャンドウィック、フライシュマン・ヒラードがそれぞれ世界で500億円以上の売上高
・各社、イベント事業、メディアトレーニングや危機対応コンサルティングサービスなど、複数の提供サービスを持つ
・月額80万円~の予算を持ったクライアントを対象にしている。広報PRにまつわるクライアントニーズ(例:動画制作、イベント企画、キャンペーンサイト構築など)にワンストップで応えることで売上を伸ばす
・最近では、フリーのPRコンサルタントが増加していると推測

ベクトル社の決算資料より抜粋

・同じく、ベンチャー・スタートアップを対象にした広報支援会社 Shipood(シプード) http://shipood.com/ は「広報・PRのビジネス家庭教師」というサービスコンセプトで、内製の広報担当者の育成を支援していて、ベンチャー広報とはサービスの提供価値が異なる
・その他、大手より価格の安いフリーのPRコンサルタントが増えていると推測

3C分析を一言でまとめると
・インターネット、スマホ、SNSの普及で広報PRのニーズが高まっている

・大手のPR会社の価格だと、中小、ベンチャー企業は導入できない
・フリーのコンサルタントは、個人のため得意・不得意領域が出てしまう(ITに強いが、製造業には弱いなど)

・ベンチャー広報が大手の半額でサービスを提供
・「会社」として、受けることで、幅広い業種・業態のベンチャー企業に応えられる

ため、市場において独自性と優位性を持っていることがわかります。

主要企業の売上高・利益率

競合のベクトル、プラップジャパンは営業利益10%前後で遷移していますが、共同ピーアール、サニーサイドアップ(世界一の朝食で有名なbillsも運営)は収支ギリギリな状態が続いているようです。成長、変化しているPR市場において、素早く提供サービスを揃えられた会社が勝っているのかもしれません。

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ベンチャー特化のPR会社・ベンチャー広報の美しすぎるマーケティング戦略。採用、組織制度との連動まで解説

栗原康太

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栗原康太

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