絶望の淵

この記事を書いた後、私は少しスッキリしていた。

これが書けるならまだ大丈夫。
宇宙人とは決して相容れぬから、私のやりやすいように仕事をしよう。イライラしても、無能な人間にイラついてる自分を否定しない。何というか、万能ではないけど、私は無能なグループには属さないし、そういう人に対するイラつきを隠しきれなくても、私だけが悪いわけではない。私だって人間だ。

そんなことを思って、翌日を迎えた。


相変わらず忙しくて、あっという間に1日も終わり!今夜は帰ってのんびりしよう…そう思っていた矢先だった。

例の新人さんから仕事のことで報告を受けた。もちろん、事前にある程度は指示していたし、0点ではない。できていることは褒めた。でも、どうやら、新人さんは100点だと思っていたようだ。

まぁ、ちなみに私の中でこの件は30点。

本人の自己評価があまりに高いから、何故、私に指摘を受けているか不満顔。まぁ、それも織り込み済みでとりあえず話を終えた。その場には、私と新人以外に3人のメンバーがいた。上司は不在。


私と同時期に今の部署に配属された若者の言葉に震えた。


「まぁね、若いうちはミスしても良いからどんどん思った通りにやったら良いよー。俺も周りが庇ってくれたから!」


その他の二人は何も言わない。


「今日のことも自分が間違ってないと思うなら、言った方が良いよ、先輩にもさ!」


その言葉の後に新人は「自分は今回の件は自分の思ったことが全部できました。」とドヤ顔。あの顔が忘れられない。


ここで私が絶望したのは、忘れられないドヤ顔ではなく(笑)
あぁ、この部署に私の味方はいないんだなと思ったから。この新人が自己肯定感が実力と伴わない形で高く、先輩の言うことが頭に入らない。それは暗黙の了解ではなく、周知の事実だ。実際に、何件も炎上させており、何も改善が見られない。でも、それは自分の能力せいではなく、環境のせいだと勘違いしているような人間だ。

そして、その炎上のうち、何件かは、先程の若者がけしかけている。私からすれば、おいおい、お前がそんなこと言うなよ、である。何より全ての火消しは私がしなくてはならない。正直、一人で働いた方がいくらかうまくやれるとわかっている。でも、人を育てると言うことを考える身としては、これもまた仕事であり、自分の経験を積むためだと思っている。

それでも、ドス黒い感情が溢れてしまった。コップの中の黒いものはとうとう溢れてしまったのだ。
あー、こいつら、新人に良い顔だけして、楽な身分だなー。お前らの職場全体の影響力と私の職場への影響力、全部足しても私の方が上だと思いますけど?そんなことを思ってしまった。そう思わなければならなかった自分に、そして私にそう思わせた私が一番大切にしている場所の同僚に絶望してその場に居たくなかった。

仕事があるからと逃げるように部屋を出た。怒りに震えていたし、何なら泣きそうだった。感情の昂りが抑えられず、パニックだった。


上司は見つけられず、信頼する先輩を捕まえて、話を聞いてもらった。とりあえず、落ち着いた。


でも、もうダメだ。
体が悲鳴をあげている。咳で息も止まるし、昨日から右肋骨付近が痛い。ストレスだとわかる。もうここにいても、面白いことはない。仕事は変わらず面白い。転職しても職種を変えるつもりはないし、一生、この仕事をやるつもりだし、天職だと思っている。

しかし、自分の心身を傷つけてまで仕事のために生きるのは、ある意味、自傷行為だ。私は私自身を大事にしなければならない。そう言い聞かせながら、よく考えないと。


絶望の淵にいるから見えるもの。
さて、どうしたものか。


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