愛しのコンプレックス様

モテないと言う呪縛【リレー形式エッセイ⑨】by逢坂志紀

リレーエッセイ、『ああ、愛しのコンプレックス様』の9番手の逢坂志紀です。企画をご存知の方もご存じでない方も、僕の投稿をいつも読んでくれている方も読んでないよって方も是非読んで行ってください。

コンプレックスとコントレックスの相関と回帰に関する話です。ウソです。

コンプレックスにまつわるエッセイを8人の方がリレーして来られました。みなさんが繋いでくれたバトンの中身は、コンプレックスと言う一見ひどく冷ややかな物ですが、みなさんのエッセイを読むととても温かいものに感じます。是非僕の物だけでなく、みなさんの物も読んでみてくださいね。

もちろん、ご無理のない範囲で!!

僕にバトンを渡してくれた椿-TSUBAKIさんのエッセイです。

僕のコンプレックスはなんでしょう?

なんでしょうって思いっきりタイトルに答え書いてあるけどね。タイトルでは分からないようにして、ここで発表すりゃいいもんを。移り気で気が早いのは僕の悪い癖(笑)

さあ、今日は僕が捕らわれたモテないと言うコンプレックスのお話です。

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「大好きだけど、付き合えない」

そう言われたのは11年前、17歳の冬。11月の終わりの頃だったと思う。クラスから総スカン、野球部でも総スカンを食らっていた僕の唯一の光だった好きな女の子に告白した時の答えがそれである。

「大好き」の言葉で天にも昇る心地になり、「だけど付き合えない」で頭の理解が追い付かないまま心だけ谷底に突き落とされた気分になった。

中学生から数えて、多分告白は20連敗はした。同じ子には告白していない。中学の卒業式では学ランのボタンは一つもなくならなかった。

なぜにこうもモテないのか不思議で不思議で仕方がなかった。当時は丸坊主にゲジ眉、授業でテレビ画面に登場した戦後すぐの沖縄の瓦職人に似ていると言われる風貌。

すごく好きになった同級生に告白した翌日には学年中が僕がフラれた話を知っていた。ネット社会怖い。その子の仲のいいクラスメイトには「生理的に無理」とまで言われた。

高校に進学すると顔はうんこと言われるわ、好きになった女子大生にフラれるとmixi経由で僕の高校の野球部の先輩にそれが知られて野球部中がその話を知り僕をいじり倒し、いやほぼいじめだろうと思う、やられまくった。

「お前に好きになられるとか可哀想」

とまで言われた。「大好きだけど、付き合えない」の言葉をかけられたのは、そんなこんなで精神的にボロボロのボロボロになっている頃だった。

なぜもこんなにオレはモテないのだろう?

そんな言葉を口にするまでもなく、ただひたすらに自分は人から愛される価値などないと思い込んでいた。人から愛される容貌でもなく、人から愛される性格でもないのだと思い込んでいた。それほどまでに女性と言うよりは、人から拒絶された青春期だった。

その内、好きでもない女性に愛してくれと求め始めるようになった。多分、”依存”だと思う。そんな気持ちに応えてくれる人などおらず、僕は連敗記録をひたすら伸ばしていった。

大学に入ると彼女は出来たは出来たが、お互い色々と問題を抱えていて、と言うか僕の方が一方的に問題を抱えていて。その後それは病気だと分かるわけなんだけど、当時は知る由もなく自分の人格がおかしいのだと思っていた。

そんな状況が変わったのは大学1年のやはりこれも冬のことだった。初めて自分を心から思ってくれる相手と付き合った。そして彼女は僕に全幅の信頼を寄せてくれた。

僕は十代を好きな人を追いかけることばかりに時間を使ってきたから、その間どうすれば好きな人の心に自分の気持ちが届くのかを必死に考えていた。だからその彼女と付き合っていてやることの大半が喜ばれた。

その後も何かと女性からモーションをかけられることが多くなった。なぜか不思議で、丸坊主から髪の毛の伸びただけのことにしちゃえらい違いだなと当時思っていたその理由をこのバトンを受け取ってから、ずっと考えていた。

僕は自分がしいたげられたから、弱い立場の人を大切にしようと言う細胞レベルの感情を持つようになったのだ。バイト先のショッピングモールの掃除のおばちゃんと仲良くしたり、よく立ち寄るコンビニの店員さんと仲良くしたり、サークルの飲み会では一人きりになっている人をケアしたり、人見知りの人と話す時は目を見てゆっくり話したり、そう言う些細なことを無意識にやるようになった。

多分、それらの色々が僕の中で化学変化を起こしたんだと思う。モテないと言う呪縛、モテないと言うコンプレックスが僕の中で寝かされて、熟成されて、人を思いやる気持ちのようなものを作って行ったのではないだろうかと思う。

先日までお付き合いしていた女性との馴れ初めもこんなだった。同じクリニックに通院する患者同士だったんだけど、僕が受付の方と話す態度、礼儀、そんなものを見て彼女は僕のことをいいなと思ったらしい。

連絡先を教えて下さいと言われ、そこから恋に発展した。

彼女は崩壊していた僕の自己評価を立て直すのに一肌脱いでくれた。

毎日のように「志紀くん、カッコいい! カッコいい! 好きな芸能人よりもカッコいい!」と言う感じで、寝言は寝て言えよと思っていたのですが、そう言った言葉が僕の気持ちをすごく明るくしてくれた。

初めのうちはまともに取り合わなかったのだけど、そのうち、これは本音だと感じるようになった。彼女の愛によって僕の自己肯定感はゆっくりと満たされていった。

だからモテない時期に培った色々が僕を大きく育てる人達を引き寄せたのだと僕は今では思っている。ここでは書ききれないほど多くの人達に救われた。多分、あのモテない経験がなければ今僕はもっとモテていなかったのではないだろうかと思う。それくらいここに記した経験の数々(同時に記せなかった経験の数々)は僕を大きく育ててくれた。

僕は人に顔うんことか言わないし、お前に好きになられるとか可哀想とか言わないし、人に優しく出来る人間にしっかりと成長した。そのことがどれだけすごいことか。だから僕はあの頃僕に色々なことを言ってきた人たちにむしろ感謝している。今の僕を作ってくれたのは紛れもなくあの経験なのだから。

そしてそんなことがなければ、今こんなにモテないし(笑)

まあモテるって言って今は別れてすぐで彼女いないんですけどね、募集中ですよー!!笑

と言いつつそろそろ自分から動いてみようかなと思ってます。動かないと何も変わらない。

そんなわけで絶賛フリーな逢坂君のエッセイでした。長くてごめんね(笑)

shiki

逢坂志紀 熱風ボーイ、無職・作家志望の精神疾患持ち。noteでは日常の1ページを描くかたわら、病気の経験、不登校の経験を基に、自分を鼓舞する文章や、病気などの問題の渦中にいる人に向けてのメッセージを執筆中。掌編・短編小説はほぼ全作noteにて公開中。おススメは「あなたがくれたチュッパチャップス」「日傘の君」。現在noteにて長編恋愛小説「凸凹」を連載中。好きな色は黄色とピンクと茶色、嫌いな食べ物はありません(なんでも差し入れてください)。

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さて、みなさんお待ちかねだと思いますが僕の次にエッセイを書いてくれる方はこの方です……。

逸見さんです!!

このバトンを受け取って、次に誰かに渡すと言うことを考えた時に一番に逸見さんが浮かびました。逸見さんは日頃からご自分と深く向き合うエッセイを書かれていて、逸見さんが書いたら絶対おもしろい!! と迷うことなくお願いし、快くバトンを受け取っていただきました。

逸見さんは大変興味の幅が広く栄養学から占星術まで、様々なことを勉強されています。特にHSP(Highly Sensitive Person)についての投稿が多くの方の共感を得ています。

是非10番手逸見さんの投稿をお楽しみに!!

逢坂でした!!

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初めましての方も、いつもご覧になってくださる方も、こんにちは! 逢坂志紀です。 皆さんの心の温かくなる、読んで良かったなと思える文章を書いていきますので、応援、よろしくお願いします!

あふれるパワーを送ります💕
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逢坂 志紀

ハードボイルドの仮面を被った変態、いつも心にアホなこと。長編小説「凸凹」、短編小説「秋の夜長にシャンパンを」連載中です。

志紀折々

筆者、逢坂志紀のエッセイ集
1つ のマガジンに含まれています

コメント34件

コンプレックスと思っていたことが、次なる大きなステップへの架け橋になっていた、とても素敵な経験をシェアして下さり、ありがとうございました✨グイグイと読ませていただきました🎵

チヤホヤされることに慣れていた人は、周囲の他人の気持ちを推し量ることを得意としていない、と思います。少なくとも、私の周りではそうだったかな。他人の気持ちを推し量ることのできる人は、辛いことも含めてやっぱり色んなことを経験していると思います。

若い頃にモテるのって、外見に重きがあるケースが多いかな。いい大人になってくると、生きざまが風貌に出てくるので、単なる外見良しだと深みがなかったりしますよね😉生きざまで勝負、ですよ(^-^)
み・カミーノさん
いつもありがとうございます!

「生きざまで勝負」、本当ですね!!
一番大切なことですよね。今気付いてよかった。笑

コンプレックスがそう言った働きをすることってこの企画で他の方のエッセイを読んでいると往々にしてあることなのだなと感じていましたが、僕の話もそう言った印象を持っていただけてよかったです。そう言う、コンプレックスをいいものとして描きたかったので。

他人の気持ち、推し量ること出来ているのかなと少し自分を省みました。どうだろう、自分だけ気持ちよかったらいいに最近なっている気がします、反省!!笑

最初にも触れましたが生きざまですよね。そこを磨きたいと思います。大切なことに気づかせてくださってありがとうございます。
逢坂さん、こんにちは。

エッセイ、とても心に残りました。
バトンがつながっていって嬉しいです。

逢坂さんのパートナーになる方は、きっと幸せだと思うな。
こんなに、気持ちのやさしい人なのだもの。

彼女がいなくても、逢坂さんの素敵さにかわりはないと思うけど
愛情と尊敬を互いに育める人と巡り会えますように〜。
応援してます💖
じゅんこさん、こんにちは!

嬉しい言葉をたくさんありがとうございます!
僕と付き合う人、幸せですか? 確かにこのエッセイに書いた二人の女性は幸せそうでした。なのでじゅんこさんにそう言っていただいて、本当にそうなのかなあなんて。

愛情と尊敬を互いに高め合える人、そんな人とお付き合いしたいですね。今まで自分ばかり色々交際相手にしてもらってきた気がするので、今度は何か相手に影響を与えられるような人でありたいなと思います。

彼女がいなくても僕は素敵ですか! ありがとうございます。そんな何気ない言葉、すごく嬉しいです。

僕もバトンをつなげて、この先どうなっていくのか全く予想がつきませんがとても楽しみです。ひとまず、バトンを渡せたので…やったー\(^o^)/!!笑

嬉しいコメントをありがとうございます!!
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