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好きが重なる瞬間のあの嬉しさは何なのでしょう。

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。

言葉を生業とする仕事をはじめて10年。たくさんの仕事をしてきた中で、いま、作詞であったり、音楽と濃く関われているのが本当に本当にうれしくて。高校生フォークデュオ「さくらしめじ」のふたり、スタッフのみなさんとの出会いをつうじて、たくさんのことを学ばせてもらっています。

「5月3日のさくらしめじの
日比谷野音単独ライブに向けて
みんなで書いているスタッフ日記、
阿部さんも書きませんか!?」

にこやかにさくらしめじのマネージャーのMさんは言います。この記事の冒頭の写真たちはどれもMさんが撮影したもの。(めっちゃ良くないですか…?)一つひとつどれもいい写真なのはきっと、Mさんがいつもいい表情をしているから。

僕が書いていいんですか、と思いつつ、断る理由なんてひとつもなくて、「はい!」と即答したあとに。さて、何について書こうかなと考えはじめました。

僕に書けることはなんだろう?

もしもかなうならば、はじめて「さくらしめじ」を知ってくださる方に、もっと知りたい!と思ってもらえたらなあ、と。

あんなことこんなことがあったなと、思い返してみれば、次から次へと、たくさんのことを思い出しました。

なんだか今、僕がここで書かせてもらっていることも、ひとつの必然な気がしてきて。その「はじまりの日」について、みなさんにお伝えしたいと思いました。

それは、2018年の秋頃でした。

「えっ…」

手を口に当てて驚いた様子のガクさん。
その様子を見守るように覗き込むヒョウガさん。

(左がガクさん、右がヒョウガさんです)

はじめてお二人に会った時、僕が自己紹介で、これまでの僕がしてきた仕事について話しました。

ロックバンド「クリープハイプ」と一緒に仕事をしてきたこと。シングルの「寝癖」「リバーシブルー」や、アルバムの「一つになれないなら、せめて二つだけでいよう」など、ジャケットを同期のアートディレクターと一緒につくり、そして、宣伝の企画を担当してきたこと。シングルの「二十九、三十」という曲に至っては、尾崎世界観さんにお願いをして、曲をつくっていただいたんです、という話を。

話を聞き、驚くガクさん。

僕は知りませんでした。

ガクさんがクリープハイプを好きだということを。2013年、ガクさんがクリープハイプの「社会の窓」という曲に出合い、衝撃を受け、ギターを熱心に、熱心に、弾くようになったのだと知りました。

さかのぼることその2年前、2011年。僕は、社会人になって働きだして数年が経ち、うまくいかないもどかしい感情に翻弄される中、クリープハイプの音楽と出合い、赤裸々な感情に光を当てる音楽が好きになり、気持ちを込めて聴くようになりました。

いつか、いつか、いつか…

クリープハイプと一緒に仕事がしたいと願い、僕から、頼まれてもいないのにレコード会社の担当の方にプレゼンをして、いっしょに仕事ができるまでになったのでした。

時は流れて2018年。

はじめて会ったのに、好きな音楽を通じてつながっていた。

あの嬉しさ。好きが重なる瞬間のあの嬉しさは何なのでしょう。

ガクさんと、ヒョウガさんと話していて思いました。

ことばで力になれたらいいなあ、と。

仲良く、親友のようなふたりの関係性。お互いを思い合い、ここまで成長してきて、これからさらに駆け上がって、多くの人に音楽を届けようとしている。

そして、ふたりとも優しくて。きっとおそらく、じぶんと相手との思いの間で葛藤することもありそうで。でも、だれよりも周囲の仲間を思っていく姿勢があって。

この3月にリリースされた配信シングル「お返しの約束」のMusic Videoは、マネージャーのMさんの写真をベースに完成しました。

来る日も来る日も、さくらしめじを、フィルム写真で撮りつづけているMさん。その写真から感じられる温かなまなざし。

半年前にさくらしめじと出会ったのに、ずいぶん前から知っているような気がするのは、Mさんの写真のパワーなんだと気づきました。

僕が音楽の仕事をする中で出会った、盟友のようにともに仕事をしてきた映像作家のエリザベス宮地さん。クリープハイプやMOROHAやBiSHのドキュメンタリーも担当している宮地さんと話し合いながら、ふたりの姿がたくさんの人に届いてほしいと、背中を押すような気持ちでつくりあげました。

この時にエリザベス宮地さんに寄せていただいたコメントがまたグッときて、ここに紹介させてください。

ある日、「お返しの約束」を作詞したコピーライターの阿部広太郎さんから、音源と写真データが届きました。マネージャーさんが撮ったという二人の写真があまりに素晴らしく、家族写真を見ている気持ちになりました。MV冒頭の「みんなで、さくらしめじですから」という言葉が、写真を見終わった時の気持ちに重なります。
さくらしめじ、歌い続けてください。
マネージャーさん、撮り続けてください。

さくらしめじは昨年の7月に、野音の単独ライブに挑戦しています。やってきた台風。大雨の予報。最後はなんとか雨も上がってきて、なんとかやりきることはできたそうです。

通常なら、気持ちを切り替えて、「次にいこう!」と思うはずです。新しくライブをする場所を求めるはずです。

でも、天候の影響で来れなかった人もいる。もういちど、音楽でつながる時間をつくりたい。どうしても、晴れた中でライブをするんだ、と。

(野音のある日比谷公園にて)

いつも心から笑うのは、笑顔でいることを選んでいるから。

笑顔でいて切実な思いがあるところも、ふたりの魅力なんだろうなあ。伝えたい届けたいというまぶしい思いは、まちがいなくライブを輝かしますから。

5月3日。その日、日比谷の野音は、たくさんの人の好きが重なる瞬間であふれる。そしてこの先、予想もできない、未来の出会いにつながっていく。

ふたりの晴れ姿。僕はとても楽しみにしています。

さくらしめじさんがnoteもはじめています。こちらのnoteも、ぜひとも。

これはもう願望も混じってるから、もしかしたら冷静な意見じゃないのかもしれない。

国民的フォークデュオの、ゆず。みんなに愛される存在。

さくらしめじがそこまでたどり着く道のりを今、僕たちは見てる気がするんだよなあ、なんて。どうなんでしょうか。

阿部広太郎より、それではまた。

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