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人生の大断捨離を経た2022年

新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年まで活動してきた内容を振り返りながら、2022年の抱負を書いてみる。年末に、いい年にできたと思えることを目指して。


まずは昨年の総括から。

2021年 = 人生最大の大断捨離

僕にとって、「始めたこと」「やめたこと」がハッキリした。


2021年に始めたこと

新しい生活

3月31日に、坪井安奈さんと結婚して夫婦になった。

今思えば、結婚はとてもナチュラルな存在だった。

結婚して何かが大きく変わったかといえば、そんなことはない。でも振り返れば「あんなにもしんどい2021年を過ごせたのは、妻の支えあってだった」と、とても思う。ナチュラルで楽しい毎日だったこと自体が、結婚の、妻の存在あってのものだった。

黒いポメラニアン「ぽっち」が家族になった。

ふたりにとって、初めての犬。初めての、自分たち以外の家族。

生活の中に、ぽっちのためにやるべきことが増えた。本来、ペットとか子どもとかに苦手意識のある僕にとっては未知の存在。そんな自分なりに1年接してみて、まぁまぁ可愛がっているような気はする。とにかく人たらしで、来る人来る人に黄色い声援を送られる姿は、今もまだ腹は立つけど!(笑)


趣味 ダシのアップデート
今年の元旦を彩った、最強のお雑煮。出汁が違うと、味の解像度がまるで違う。
夏に購入した鰹節削り機とお櫃。

毎食、必要な分だけ鰹節を削って作る料理の世界。

一言で言うと、日々の食の概念がそれ以前とは比べ物にならない。

出汁が変わることで、旨みや深み、渋みなど料理に求める「奥行き」がはるか別の次元に進化した。後述する「やめたこと」にも通じるけど、下手なものは食べないと強く自分の中で決意することができた。食べて後悔するものは、たとえ空腹でも一切口にしなくなった。


さて、ここから音楽の話をしたい。

SNSの「作品化」

音楽を告知する目的でのSNSをやめ、
純粋にそれぞれのSNSで発信したい自分を発信するようになった。

自分の音楽聴いて欲しさにやっていたSNSから、自分が興味あることを純粋に発信する「作品発表の場」へと変えた。更新頻度は減ったが、後から見返して、自分が納得できる投稿だけが残っている。

インスタグラムでは、リールを使ってVLOGを始めた。

僕の音楽はライフスタイルの中から生まれる。

それらを音として届けるだけでなく、どんな環境で曲が生まれ、何を考えて音楽に触れているのか、映像にしてみようと思った。結果的に、このポストの仕方が僕はとても気に入っていて、「SNS、音楽に共通して求めるリズムや美学」がハッキリした。自己表現であり、自己分析の日々だった。


2021年にやめたこと

結論から言うと
「自分にとってに中途半端なこと」を全てやめた。
沢山あるけど、その中でもわかりやすいのは以下だ。

お金はもらえても幸せにならない仕事

今まで、断る勇気を持てなかった類の仕事も、自分の心が乗らない内容のものは勇気を持って断るようになった。

そのおかげで僕にはかなりの時間ができた。その時間を使って、想像を絶する産みの苦しみを味わいながら、僕は今次のアルバムを制作している。

自分をアップデートさせる。
2021年を通じて、一番考えていたことだ。

そのアップデート像を自分で掴むために、正直2021年後半は多くの犠牲を払った。思い悩むこともあったけど、正月を迎えた今、後悔はしてない。


プロモーションありきの音楽作品リリース

簡単に言えば、
「作品性を深く語れない」楽曲のリリースを、やめた。

2021年5月リリースのアルバム『STELLAR』

インストのチルアルバム『STELLAR』をリリースしたあと、もう自分の名前を売るため"だけ"のリリースや、再生回数を稼ぐことを目的にしたリリースはしたくないと思えた。このアルバムこそが、トラックメイカーとして僕が追求してきた理想の音楽像そのものだと思えたからだ。


これに関連した出来事といえば。

月1リリースの終了

僕は2018年リリースのインストアルバム『BRAINSTORM』によってSpotifyのバイラルチャートで1位になった。以来、日本の音楽ストリーミング市場の成長に波乗りすべく、定期的なシングルリリースや様々なアーティストとのコラボレーションを進めてきた。

今の気持ちを正直に言えば、もうそのやり方で曲を送り出す気はない。「そのステージ」にはいない。そう考えている。

手を替え品を替えの月一リリースでは、
僕自身が、音楽を楽しめなくなってしまっていた。
リリース自体がもう、お祝い事じゃなくなってしまった。

だから今、新曲のリリースにはとても慎重だ。

プレイリストに入ったかどうか。
リリース1週目でどれだけ再生されたか。
楽曲そのものへの満足度より
短期的成果の方ばかりを気にしてしまっていた。

もっと、音楽のために純粋に捧げて作りたいと思った。だから、SNSで無駄に告知投稿を繰り返すこと含め、やめた。実を言うと、リリースするために曲は作ったのに、出してない、出さないという曲も増えた。(関係者が見たときのために加筆すると、作業が追いつかない曲も多々ある。)


結果、あれほどnoteのタイトルにして強調し続けてきた「月間リスナー数」をはじめとした数的結果は、見事に減少した。一昨年くらいまでは、それを悔やんでいた。でも今は、何一つ気にならない。それが2021年、最大の収穫だと今は思う。


さらに。

心地よくない人付き合い

公私ともに、今までどこか気を遣って接していた人間関係を、やめた。結婚をしたことで、妻という絶対的な味方がいつも側にいてくれることで、今までならメリットデメリットやしがらみで接していた人間関係も、一切合切クリーンにした。SNSも、特に見たくない人のポストをMuteしまくった。

僕は長年、人の影響を過度に受けてしまう性格だった。
きっとそれは、拭い去ることはなかなか難しい。

だから、思い切って「知ることの放棄」をした。
知っていて、意味のある情報は、実はそう多くないと気づいた。

モヤモヤしたものは、やめる

博報堂を一人飛び出し、
CM音楽の制作、アーティスト活動を
なりふり構わず突っ走って行ってきた時代が、
終わったということだ。

進む上で、うまくやろうとしていた人間関係。
なんとなく打っていた相槌、
どうしても断れない宴席、ぜーんぶ、やめた。

自分の心に引っかかるネガがあるなら、
やるべきじゃない。そういうのは、顔にも音に出る。
結局ラストは、誰も幸せにならない。

断捨離の結果 = 「最小公倍数の幸せ」

たくさん考え、たくさんやめた1年だった。

やめたことで、結構僕自身は生き方を考え直さなければいけなかった。その中で、新たに出会った新しい「やりたいこと」や「一緒にいたい人」が、とってもハッキリとした。

夫婦で撮ったセルフポートレート

惚気みたいだけど、やっぱり妻の存在はとても大きい。もはや彼女は僕にとって公私を導くプロデューサーだ。

僕らは今、自分たちが感じている幸福感のことを「最小公倍数の幸せ」と呼んでいる。結婚によって人生の「最小公倍数」がアップデートされ「楽しい」や「幸せ」の最小単位が、一段と大きくなった。「最小公倍数」が大きくなって自信や安心感が増し、僕らはより果敢に挑戦できると感じてる。

核の部分を晒し合える人が隣に保証されている人生は、
とても明るく、頼もしい。
人生最大の決断によって、僕の断捨離は実現し、
最小化した持ち物で、最大の幸福を手にすることができた。


そのおかげで、数多の英断、
または決断するまでに時間を取るという
今まで気持ちの余裕がなくできなかったことが、できた。


そんな1年を経て、2022年を迎えた。
複数記事に分けて(全部書いたら長すぎた)、投稿していく。


2022年 さらなるSNSの整理整頓

2021年の大断捨離を、更に加速させる。

インスタグラムの「作品性の追求」

僕のインスタグラムで特に大切にしているのは、音楽でいうアルバムのように並んだ時の美しさや必要性だ。

元旦現在、僕が選んだベスト9

再生回数などにかかわらず、僕が僕らしいと思える9面を吟味したインスタグラムを目指す。これまでポストしたリール動画はリール動画のタブに入っているので、その中から9面を選ぶ行為を大切にしたい。より、1つ1つの投稿に僕自身が意味を感じたい。

有料noteでの新アルバム制作記

12月に誕生日を迎え、僕はアルバム制作の経緯を有料noteで書き始めた。


有料にしたのは、制作プロセスも「作品の一部」にしたかったからだ。制作の根幹に関わることや、そこで感じていることだけ有料で読んでもらう。そうすれば、僕が今抱いている純粋で澄んだ制作への想いを「作品」として世に出せると考えた。


記事を1記事ずつ購入してもらうことにしたのも、いつ更新する、という約束をしたくなかったからだ。アルバムを作るという行為の絞り汁で生まれたような言葉たちを、いつ絞れるという約束をして紡ぎたくない。

買ってもらうことが目的ではない。
買った先に、先進的なハウツーが待っているわけでもない。


僕が無料版では書かないような、生の声を覗いてもらえたら嬉しい。


Twitterは鍵アカに

ほぼ、動かしていないTwitterは、 プライベートアカウントに変える。とはいえ、よほど変だと僕が思うアカウントでなければ、フォロー申請してもらえたら承認させてもらうつもりだ。

理由

「僕をフォローしていない人 = 僕に興味がない人(興味があるけど関わりを持とうとしない人)」のために、気を遣って投稿したくなくなったからだ。特にTwitterに関してはそう思う。

Twitterに関しては、実はアカウントごと消そうかなと思うくらい、居心地の悪さを感じていた。そのため、2021年の夏以降、あえて放置していた。

メンションをもらえた時に、
気づいた段階でリプライしていた程度だった。

放置していたのにメンションをくれた方には、
本当に感謝しています。ありがとう。

僕はどうも、Twitterの話法が苦手だ。

140字で僕の言葉遣いを表現しきるのも苦手だし、誤植や内容に誤りがあった時に、消さずにリプに更新するみたいな「他人から見た透明性」などだ。それをいちいち、フォローされてもいない人からとやかく言われる可能性を熟慮して書くくらいなら、やーめた。という気持ちになっていた。

故にだ。
鍵をかけることによって
僕が好きだと思えることだけを発信することにした。

本来、インスタグラムのストーリーズではそういう投稿を頻繁に行ってきたのだけど、Twitterは鍵をかけることで、より自由に、気に入らなければ投稿を消すし、言葉が残った時に自分自身が「好きだ」と思える投稿を目指す。多分、今より個人的な話が増えるんじゃないかな。

当たり前だけど、クローズドにするからと言って、他人のことを軽んじたり悪く書く気は一切ない。noteで書いている熱量を、もっと短く、時にしみったれても弱々しくても、Twitterで表現したいだけだ。


SNS全般に言えること

プラットフォーム別に言い方を変えたり、キャラ変するのは全くもって自分らしくない。だから、全ての場所で自分らしくいられるベストな形を考えた。言い換えると、なるべく家で妻と、近しい友人と話している時の自分の話法で語れる人と、濃い付き合いをしたいということだ。

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ここnoteは、半年ほど前からほぼ、僕が普段自分のために書いている日記と同じレベルの魂濃度で書けている。変な話だけど、ほぼ、他人に向けて書いている文章だと思っていない。「なんだ、別に肩肘張って書かなくていいじゃん」って今は思えてる。(ありがたいことに、そんな文章が、この一年で最も読んでもらえた。)

大断捨離によって、
僕は思考がどんどん研ぎ澄まされてきた。

好きなものは好きって今まで以上に言うし、嫌なものは嫌とちゃんと言う。それを真正面から聞いてくれる人、語らって気持ちのいい人と時間を過ごせることが、SNSに限らず今僕が求めていることだ。


他人のモノサシに目標を委ねない「幸せ像」

辛くてなんども肩を落とした2021年が終わった瞬間。
朝方、眠くなり歯を磨きながら、
すっと身体が軽くなったのを感じた。

2022年の年末を迎えるその時に、
僕が幸せだったかどうかを、
他人へのアピール要素で判断しない自分になりたい。

僕はそう、強く強く思えた。

毎年、年末年始に一年の総括をしていた。いつも僕は持ち前の行動力で、「去年より前進しました!」「今年も頑張ります!」というメッセージを残し続けていた。期待してもらって(本当に期待されたかは置いておいて)、次のチャンスに繋げよう!ときっと思っていたに違いない。

でも、今年は正直、
僕にとってその「表向きの前進」が、
初めて途絶えたと僕は思っている。
理由は簡単。「夏以降、"完全停止させたから"」だ。


「表向きの前進」。言い換えれば、
僕に興味のない人相手に、僕に関心を持ってもらう為の告知や宣伝。

それを無意識に意識していたから、仕事の実績や手に入れた数字など
「成果が出るたびに発表する自分」になっていたのだろう。

でも、散々やってみて思った。
他人の評価で、僕は心からの幸せを噛みしめることは、できなかった。
今の僕はもっともっとグルメで、自分が産み出した
「自分最高」が軸にないと、
「やっべえ。めっちゃ幸せ」とは思えない。


だから、僕は自分の心を、去年までより一層
本気でさらけ出して表現できる環境を自ら作ろうと思ってる。

音楽表現に、自分自身で挑戦の壁を設けない。
音楽で伝えられないことは、文章で書き綴る。
身近な人には、丹精を込めて料理をする。
僕を求めてくれるクライアントには、僕が思う最大愛を音にする。
妻とは、僕らが思う「最小公倍数」の在り方を形にする。


おそらく今年の僕は、今まで以上にマルチタスクになる。
でも、それはやりたいことがブレたからではなく、
やるべきことが前より増えたからだと強く思う。


捨て去った多くのこと。研ぎ澄ませた心。

これらを形にするための方法は、一つじゃなくていい。
一個一個を、自分が打ち立てた美学に則って形にしていく。
それがやり切れたかどうかが、2022年の年末に僕が推し量る
唯一の幸せの価値基準だ。


改めて

今年もよろしくお願いいたします。

今年は、できれば読んでいただいている皆さんとも、全員じゃなくていいから、今まで以上に深い繋がりを持てたらいいなと思っています。せっかく沢山の人に読んでもらえているこのnote。

ここを発端として、先ほど話した「最小公倍数の幸せ」を掛け算できる「新たな友達」が一人でも増えたら、とても嬉しい。


2022.1.1  KOTARO SAITO


撮影協力:
セルフ写真館freeme

よろしければサポートをお願いいたします。サポートいただけましたら機材投資、音源制作に回させていただき、更に良い音楽を届けられるよう遣わせていただきます。