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基本② スマイルカーブについて

オプションの売買について、オプションの価格(プレミアム)を決定する要因として、ボラティリティ(原資産価格の年変動率(%))があります。

例えば、現在日経平均がT日に30,000円だとし1日で2%値上がりしたとき、市場参加者がこの上昇が続いて31,000円がITMになると考えた場合、C31000の買需要が高まりプレミアムが上昇します。一方で、すでに買われていたC31000が売られればプレミアムは減少します。
この需要の強弱が端的にインプラント・ボラティリティ(IV)として現れます。

そのため、オプションの売買を行うときは原資産価格の上下だけではなく、IVの変化も予想する必要があります。
IVの変化を味方につけることができれば、現物株や先物よりも大きなリターンが望めるときがありますし、価格の上下に左右されないPFを組むこともできます。

それではどこを見ればよいか。
ここでは日経平均株価を原資産としたエクセルでのスマイルカーブの作り方を簡単に紹介します。米国株の場合はMarket Chameleonで詳しく見れるらしいです(私はmoomooアプリです)。
携帯でリアルタイムに確認したい方は、①auカブコムに登録、②オプション戦略(携帯アプリ)をDLという手段があります。
①②で十分という方は読み飛ばしてください。
(私は基本家にいるときにオプションの売買判断をするので、家のPCで作業しています。)

【スマイルカーブ作り方】

1. 楽天証券の口座を開設して、MarketSpeed2をダウンロード

2. RSS準備(エクセルのアドイン設定)

3. 表を作る

表についてはどのようなものにするかは各人の自由ですので、ここで紙面を割きません。権利行使価格、残存期間、現在値、IVの4つがあればひとまずスマイルカーブは作成できます。
ただ、RSS関数一覧は見ながら出ないと大変ですのでリンク先を張ります。
https://www.rakuten-sec.co.jp/MarketSpeed/onLineHelp/msman1_11_6.html

2024年1月限の表です。私個人のレイアウトを参考までに載せます。

4. スマイルカーブの標準化

私が勝手に標準化と呼んでいます(補正でもいいかと)。スマイルカーブを作る際、①ATMが日々動く、②残存期間によりIV値が変化することから、現在のIVが果たして高いのか低いのか単純比較ができないというデメリットがあります。そこで、①②によらない"標準化"の作業が必要になります。
詳しく知りたい方は「オプションボラティリティ売買入門(PanRollimg, P.633付近)を参考にしてください。
〇具体的な計算方法
(1) 権利行使価格(x軸)、IV(y軸)の2列を表と別に用意
(2)x軸の値は下記の数式を記載(3の表の値を参照します)
=((LN(/権利行使価格/現在値))/(SQRT(残存期間)))
※[自然対数(権利行使価格÷原資産価格)]/平方根(時間)
(3)y軸は下記の数式を記載(3の表の値を参照します)
=IFERROR(権利行使価格のIV/ATMのIV,NA())
※IV ATMの%で表記
このとき、ATMより高い値はCALL、低い値はPUTを採用するようにしています(ATMは両者の平均値)。

5. プロット

4で得られた値を、エクセルの散布図でプロットします。これも好みですが、私は多項式近似(次数2)で曲線を表示しています。
x軸とy軸の境界値はあまり大きくとりすぎると外れ値が含まれるので、適当なラインでいいと思います。

プロットを消すとよりきれいです。

こちらを1日前、1週間前など数本用意すると、スマイルカーブの動きをとらえることができます。

スマイルカーブは戦略編でどう使うか記載したいと思います。
それでは、次の基本③では、オプションの価格を決定する指標を見たいと思います。自己解釈も入っていると思いますが、参考になれば幸いです。


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