※概要
「こんにちは、章子。わたしは20年後のあなたです」ある日、突然届いた一通の手紙
送り主は未来の自分だという……
『告白』から10年、湊ワーールドの集大成!
待望の書き下ろし長編ミステリー!!

※感想
「未来の自分」から来た手紙を信じ未来の
自分に宛てて日々の出来事や思春期の変化などを綴る主人公、章子の手紙が前半であり
同様につらい境遇の同級生、亜里沙と
ある決意をして手紙は終わる
エピソードⅠ～Ⅲとして章子と係わる
主要人物３人の目線（亜里沙、教師、章子の父・良太）で、それぞれのエピソードが後半になり最後１０ページほどの終章で章子と亜里沙のその後が語られる
ファンタジーの世界観ありの未来からの手紙の
始まりなのに畳み掛けるかのような閉塞感満載のそれぞれの「家庭の事情」
死別・金銭的困窮・DV・不倫・性的虐待
平和な家庭の子が誰一人出てこない
暗い展開の中、章子と亜里沙が友達になれた
ことと篠宮先生と章子の父が約束を交わした
ことがせめてもの救いだった
読後感は悪くない