笑いをねらったわけではないが、読むとニヤッとしてしまう。そんな話を集めてみます。最初は『宇治拾遺物語』から。
4m弱というと6畳の部屋の端から端までくらいでしょうか。豆を投げるには遠い距離だと思います。戒壇建立を賭けて行われたのは、その距離で座った慈恵さんに投げた炒り豆を、慈恵さんが箸でつかむという離れ技。すごいな慈恵さん。
ちなみに途中で柚子の種が混ぜられてます。柚子の種はペクチンというヌルヌル成分をまとっています。このペクチン、コラーゲン組織を束ねる効果があるため現代では肌美容にも利用されるんです。当然、箸で挟むのは大変なこと。しかし慈恵さんはそんな柚子の種すら、ちょっと滑らせただけでリカバリに成功し、見事落とさず挟んでみせたのですね。
いやなんなんだその無駄なリアリティ。仏教的なありがたみは全然ないな。