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NIPT(新型出生前診断)のこと〜②遺伝カウンセリングから胎児ドッグまで(費用含む)

時間が経ってしまった。「NIPT」を受けた時の体験で感じたことを書く。
受けるまでのことはこちら

そしてよくよく見ると、NIPTは新型出生前診断が正式名称ではなさそうだ。資料を見返してみると「無侵襲的出生前遺伝学的検査」(もしくは非侵襲性出生前遺伝学的検査)(私が受けた病院での配布資料)らしい。これではよくわからないので、新型出生前診断、と呼ばれているのだろう。

インターネットで検索してこの正式名称がヒットしたのは、厚労省や日本医学会のサイトだった。多分この言葉を見ても、「NIPT」のことだとわかる妊婦はいなそう。どうでもいいが、表記が揺れているのが気になる。

Non-Invasive Prenatal Testing を直訳かつ、日本語の医学用語にした結果、苦しい単語になっている。

調べると、医療分野において Non-Invasive=体を傷つけない という意味のようで、代表例がMRIやCTらしい。Prenental が出生前、なので、
直訳すると「体を傷つけず出産前に受けられる検査」=NIPT 。
新型、なんて言葉はどこにも入ってなさそうだ。もうNIPTで良い。

1.予約から検査・費用まで

出生前診断の流れ(私の場合)
①13週2日:遺伝カウンセラーによる面談➕血液検査と同じ日
②13週4日:初期スクリーニング検査
③15週ごろ:結果お知らせ(オンライン面談も可能。私は健診の日に合わせた)

なお、出生前検査にはそれぞれ、検査に最適な時期がある。

「出生前検査」の最適な時期とは
①NIPT=妊娠10週〜18週くらいまで。
②初期精密超音波検査(初期スクリーニング)=12〜13週
③羊水検査=確定検査。15週〜。日帰り入院。
※他にもコンバインド検査や、クアトロ検査などある

受けた病院では①のNIPTと②の初期スクリーニングの併用をおすすめしていたので、①と②を受けた。②はその場で異常があれば医師が何か話してくれるので、気持ちとして安心したから、というのもある。

費用はこちら↓
NIPT=120000円(カウンセリング込み)
初期スクリーニング=23100円。
①➕②=合計で143100円。
医療費としては高い(自由診療)。しかしさまざまなページを見たところ、良心的な方だと感じた。

2.遺伝カウンセラーとの時間


遺伝カウンセリングは1時間ほど。事前に動画資料を渡されていたので読んでおく。
①認定遺伝カウンセラーによるNIPTおよび出生前診断についての詳しい説明
②自分の状況を話す時間
③13、18、21トリソミーの確率が高かったときの対処方法

①のNIPTや出生前診断についてはほぼ知識があった。
知らなかったのは、②の自分の状況へのヒアリング内容だ。
家系図のようなものを目の前で書かれていく。

「これまでの妊娠歴(出産まで至っていないものも)・家族構成」(※流産歴は染色体異常につながるので、確かに必要な情報かもしれない)「家族(私たち夫婦)に染色体異常や障害を持った人がいるか」

③については、もう決めてきていた。
私は1人で遺伝カウンセリングを受けた。夫の意思ははっきりしていた(2人目に障害のある確率が高いなら、子どもは諦める)から、夫に(今回は)時間を割いてもらわなくてもいいと思った。

「赤ちゃんのころはかわいい。俺らが一緒にいられる。でも、21トリソミーの場合、長く生きる可能性が高い。俺らが死んだ後にチビが背負う」

21トリソミーなら、羊水検査を受けるということ。
言い換えると「13や18の場合は、羊水検査に進まない」ということ。
やっぱり、夫は娘のことを第一に考えていた。差別意識のある私とは違うんだな・・・と少し落ち込んだ。夫の発言をどう感じるかは、人によると思う。
ただ、「きれいごとではないよ」と思っていることが伝わってきた。

「高確率で21トリソミーだったら、中期中絶を視野に入れて羊水検査を受けます」と話した私に、遺伝カウンセラーの人は、染色体異常を持って生まれてきたお子さんの支援団体を紹介してくれた。

その上で、「親が亡くなった後、上のお子さんへの影響を心配されているのなら、経済的に兄弟同士が縁を切る方法(という言い方ではなかったが)もあります」という話もされた。

うーん、すごい話だ。特にこの「縁を切る仕組み」は調べていないけど、きょうだい児の話はよく聞く。

私は友達でダウン症のお子さんを育てている友人がいる。全く隠していないし、とにかく明るい母ちゃんだ。
そしてお子さんもかわいい。やわらかくて、笑顔がいっぱいで、発達がゆっくりさんなこともあり、全体的に小さい。5歳でも赤ちゃんみたいだ。
偽りなくかわいいと思う。だけど、自分の子どもだったら・・・笑える自信がなかった。

カウンセラーさんは他にも、さまざまな話をしてくれた。中絶ありきの話にしない、むしろそれは推奨しない。でも、絶対に誘導・強制しないように・・・ という話し方だった。トレーニングされていることを感じた。

2日後の初期スクリーニングは30分以上かけてじっくり見てくれた。
准教授だったけれど、変な空気で負担をかけず、かつ、リラックスしてほしい、という姿勢が伝わって来る。

脳や心臓、腸、指の本数、NT(首の後ろのむくみ)など、チェックポイントを見るたびに、「うんうん、大丈夫ね」「お顔こっち向けてくれないかなあ〜」「あぐらかいてるね、かわいい」など、安心させてくれるのがわかる。
エコー写真を最後渡してもらい、終わった。
「特に機能的な問題は見られなかったです」と30分を超えるエコーを終えて、ひとまずほっとした。

3.私の気持ち〜揺れた

揺れる気持ちはなかった。はずだった。決めてきたつもりだ。
でも、一番この件で揺れたのは遺伝カウンセリングを受けてから結果が出るまでの間だ。

もし、障害があったとしても、私たちの「赤ちゃん」だ。
お腹で育っている。何度もエコーを通して動いているのを見た。
夫は絶対にこの感覚、わからない。育てられる・・・

そこまで考えて、やっぱり、私は赤ちゃん、せいぜい乳幼児の頃までを考えているのだと理解した。
無垢でかわいい赤ちゃん。しかし、大きくなれば、変わってくる。
体も強くなる。心が子どもでも、体はおとな。

・・・やっぱり、難しかった。



























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