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【意外と知られていない】保湿剤には種類がある

保湿剤

化粧品について勉強されている方は、もしかしたら一度は聞いたことがある言葉かもしれません。今回の記事はそんな保湿剤の意外と知られていない事実について書こうと思います。

「保湿剤という言葉を聞いたことがない!」という方にも最後まで記事を読んでいただけるよう、まずは保湿剤の役割について簡単に共有いたします。

保湿剤の役割

保湿剤は肌の一番上の層(以下、角質層と呼びます)の保水機能を補い、水分量低下を防ぐために用いるものです。

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画像参照:サンソリット お肌の基礎知識その3「表皮のしくみと働き」

ざっくり言ってしまうと、保湿剤は角質層に水分を留めておく成分です。保湿剤がないと水分が蒸発し、肌が乾燥しやすい状況になります。ですので、保湿剤は肌を健やかに保つためには非常に重要な成分であると言えます。

ここからが本題。あまり知られていない事実をご紹介いたします。それは、保湿剤はエモリエント・ヒューメクタントと呼ばれる2種類に分類される、という事実です。これら2種類について記述いたします。

エモリエント

イメージは、肌にラップをして水分を逃がさないようにする役割です。

もう少し具体的なお話をします。肌に水分が存在しているときに、エモリエントを肌に塗るとします。そうすると、水分を肌とエモリエントでサンドイッチする形になります。サンドイッチされた水分は逃げ場がなくなり、その結果水分が肌に留まります(水分は逃げられない状態になっています)。

乳液やクリームなどにエモリエントが含有されていることが多いです。具体的な成分は、ワセリン、スクワラン、流動パラフィン、ヒマシ油、ホホバ油などがあります。

ヒューメクタント

イメージは、スポンジのように水分を吸収する役割です。

ここで1つ共有したいことがあります。それは「水は角質層にほとんど浸透しない」ということです(理由は、肌は水をはじく性質があるからです)。

そこでヒューメクタントの出番です。

ヒューメクタントは水に比べて角質層に浸透しやすい性質があります。加えてヒューメクタントは水と仲良しで、水分を吸収する機能があります。つまり、ヒューメクタントは水を抱え込みながら角質層に浸透することができるのです(ヒューメクタントと水が一体型になり、角質層に浸透するイメージです)。

化粧水や乳液などにヒューメクタントが含有されていることが多いです。ヒューメクタントの具体的な成分は、グリセリン、BG、DPG、アミノ酸、尿素などがあります。

エモリエントとヒューメクタントはどちらが良いのか

エモリエントとヒューメクタントのお話をすると「どっちが良いのか?」と頻繫に質問されます。ですので、僕なりの見解をお伝えできればと思います。

結論、両者には優劣はつけられません。この理由ですが、保湿をする原理が全く異なるため両者を比較することができないからです。言い換えると、エモリエントとヒューメクタントは両方必要になります(エモリエントで肌の上に蓋をし、ヒューメクタントで角質層内に水分を留まらせることで、より保湿効果が高まると考えています)。

化粧品に含まれる保湿剤は2種類存在して優劣は存在しない。良ければ皆さんの友人、知人の方々にも共有頂けると嬉しいです。最後になりましたが、化粧品リテラシーの向上のお役になれば幸いです。

サポート嬉しいです。今後もサポート頂けるよう、頑張ります!