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コンテンツ会議系マガジン(本・ドラマ・映画・曲など)

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読んだ本や好きな曲について、考察をしたり、作者の背景についてまとめています。
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記事一覧

中高生と滋賀を学んだら、最高の夏になった話。

滋賀県民は出身を聞かれると、「京都のあたりです。」と滋賀出身であることを隠すらしい。どうせ東京から行くなら京都や大阪、と素通りされがちな、ちょっと目立ちにくい場所なのだ。 そんな滋賀で、滋賀キャンプという中高生を対象にした3泊4日のサマーキャンプがあったので、大学生メンターとして参加した。 テーマは「滋賀を知る、自分を知る。やってみたいに出会う夏。」 そこで中高生が、滋賀に隠れたストーリーを知り、自分について振り返り、そして新しいやってみたいを見つけていく様子を目の当た

言葉のプロから教わる、説明力の上げ方。

説明は、難しい。 頭の中にモヤっとしているものを、目の前の人に言葉だけで伝えなければいけないのだから。 でも、私たちは毎日のように説明を求められる。上司に自分の意見を説明し、友だちに面白かった出来事を説明し、初対面の人にさえ、自己紹介という自分の説明をしなければいけない。 だったら、説明を怖がるよりも、ワクワクしながら楽しんで説明する方がいい。 そしてその方法を教えてくれるのが、言葉のプロであるコピーライター・中村圭さんの著書「説明は速さで決まる」だ。 この本には

3万7千人の人生が交差した夜。

言葉の限界と、言葉の力を同時に思い知った週末だった。 土曜日に、君の名はの主題歌「前前前世」などで有名なRADWIMPSのライブに行ったのだ。 RADのライブ会場である海浜幕張のZOZOマリンスタジアムには、3万7千人が集まった。 開演時間ギリギリに会場入りした私は、びっくりした。 目の前に広がる、人、人、人。 それだけの人数が、彼らの音楽を聞くために集まったのだ。 ライブ中、一人きりな私と、その場を俯瞰する私が、交互にやって来る。 ステージ上の洋次郎に釘付けに

kemioへの好きがこぼれ落ちる

女子中高生の流行語大賞2018で一位に輝いた「あげみざわ」をはじめとして、 どこまで行っても、渋谷は日本の東京。 そのときは、高校行かなきゃケータイが買えない!って思い込んでたの。思考回路が永遠に野原。 など、斬新だけどなんとなく意味が伝わる絶妙な言い回しを連発する、センスの塊で若者代表。それが、kemioだ。 kemioは、巨人カリスマクリエイター?魅力を話す前に、kemioさんとは誰か?の説明から。 ウィキペディアでは、「日本の男性歌手、モデル、タレン

マツコにタピオカの魅力を伝えきった女子大生二人を褒めたたえたい

ゲストが得意ジャンルを企画として持ち込み、マツコにプレゼンする番組「マツコの知らない世界」で、先日タピオカが特集されました。 あのマツコがタピオカを飲む! 「人気なんですよ〜」という一時的なブームとしての紹介を超えて、地上波でタピオカの魅力が紹介される! 心が踊るような嬉しさの反面、誰がこのタピオカブームを代表するのかとドキドキしながら、テレビの前で待ち構えていました。 結果は、大満足!番組を見ながら、大学生の私と高校生の妹で、今回のゲスト・たぴりすと。の華恋さんと奈

才能を活かす凡人は、天才を救う

全てのプロセスにいる、今挑戦しようとしている人に捧げる本 こう筆者が宣言する「天才を殺す凡人」は、自分を知り、さらにそれを仕事に活かす方法を、ストーリー形式で説明する。 尊敬する社長を守ろうとする会社員・トオルに、急に動き出した渋谷のハチ公・ケンが才能についての講義をする話だ。 タイトルから勘違いするかもしれないが、凡人が天才になるための本ではない。天才を凡人から守る本でもない。 凡人、秀才、天才いずれかの才能を活かし、過去最高の自分に出会うための本だ。 ・一

わかりやすいを求めすぎる現代人の必読書「具体と抽象」で新しい世界へ。

本よりも、簡単でわかりやすい動画。新聞よりも、政治や世界をわかりやすく教えてくれるテレビ番組。 そんな風に、私たちはわかりやすさをつい求めてしまいます。 もちろん、それ自体は何も間違っていない。でも、わかりやすく噛み砕かれていないからこそ、より正しいということもあります。 たとえば、幼稚園児や動物には分からない抽象的な「愛」や「幸せ」という言葉を、大人は使うことができます。どうせ生きるのなら、嬉しい!悲しい!というわかりやすい感情だけの世界よりも、複雑でよく分からない「

今を私らしく生きるための哲学。

愛する人との別れ、戦争、親からの曲がった愛情、死。私たちの人生は理不尽であふれている。それでも、なんとか幸せになる方法を模索し、明日も生を選ぶための理由を探す。 世の中に、苦しみながら生きている人と、楽しく生きている人、どちらが多いかなんて見当もつかない。 しかし、誰しもが生きる中で一度は困難にぶつかり悩むという点において、大抵の人が苦しみながら生きていると言い切っても、大げさではないだろう。 生きるための哲学とは何か今回紹介する本「生きるための哲学」では、目の前に絶望

現実的な奇跡が、心を温める物語

読んだ後に、あぁ出会えてよかったなと思える本。 ふとした時に、実家のように安心して帰ってこられる、温かい人たちが待っている本。 そんな本に、人生で何冊出会えるだろうか。 最近読み終わった、村山早紀さんの「桜風堂ものがたり」が、そんな本だった。 2017年に、本屋大賞にもノミネートた本だ。どんなお話かは、これ以上ないという絶妙な説明を、筆者本人があとがきに残している。 奇跡といいましても、わたしがいままで描いてきた他の本とは違って、神様や妖怪や魔法使いの助けは働きませ

感動するスピーチに共通するもの。

最近、誰もがこぞって素晴らしいと褒めるスピーチに、多く触れた。春という節目の季節だからだろうか。 その中で印象的だったのが、内田裕也さんのお別れ会での、娘・内田也哉子さんの謝辞。 そして、東京大学学部入学式での、同大名誉教授・上野千鶴子さんの祝辞だ。 この二つのスピーチに共通していることは、二つ。 一つ目は、誰もがなんとなく感じていた大きな流れを、言葉にしたこと。 内田也哉子さんの謝辞では、娘として過去を振り返り、本人も「わかり得ない」と称した内田裕也さんという人間

単純作業の先に、レベルアップがある。

画期的なアイデアを求められるはずのクリエイティブディレクターが「どんな仕事も同じだ」と前書きで話す「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」。 画期的とかクリエイティブという言葉を聞くと、天才がひらめいたものというイメージを抱く。しかし筆者の水野さんは「新しいことなんてそうそう起きない」と話す。 毎回の仕事をルーティーンで進めるからこそ「よりいいもの」「より面白いアイデア」が生まれるのです。…段取りによって仕事をルーティーン化し、ベースをきちんとしておくこ

さとり世代の気持ちを代弁してくれる本「モチベーション革命」

友達が、「最近読んだ本に書いてあって…」といって面白そうなことをどんどん紹介するものだから、その本を読んでみたくなった。そんなきっかけで読んだ「モチベーション革命」は、一言でいうと「今」をわかりやすく説明している本だった。 最近はこれが流行っている、今時の若者はこんな考え方をする、と断片的に聞くことはあった。でも、30代以下の世代は他とどうして、どんな風に違うのか。そんな上の世代と違う私達はどう生きればいいのか。こんな疑問への答えを、順序立てて説明してくれる人には出会わなか

back numberの9年経っても変わらない女々しさが新曲に。

今や国民的アーティストのback number。実は私は、今年でファン歴7年。私の青春はback numberと共にあったと言ってもいい。 だから、「青い春」や「クリスマスソング」でどんどんブレイクしていく彼らを横目に、バンドファン特有の寂しさや心配を覚えた。 それは、自分だけが知っていた好きな子の秘密をみんなに知られてしまったような寂しさであり、また一般受けを狙ってバンド特有の良さが薄まってしまうことへの心配だった。 でも今回新曲の「HAPPY BIRTHDAY」

紅の豚が美しい生き方で溢れていた。

今までずっと幸せに生きたいと思っていたけれど、最近、美しい生き方もいいなと思い始めた。 この美しいは、かっこいいと近いニュアンスだと思う。自分を持っているとか、したたかだとか、因数分解するとそんな要素が含まれている。 前に一度見て、豚さんがかっこいいことだけ覚えていた紅の豚。今日改めて観て、登場人物がみんな美しい生き方をしていると思った。 主人公のポルコはもちろんだけれど、ヒロインのフィオとジーナもとにかく美しいのだ。 美しい生き方で言うと、友人が前にしていた話を思い