閻魔

あの子達のことを思い浮かべた時。+^2019/0303追記

私は地獄に落ちた。

地獄ではあちらこちらから悲鳴が聞こえてくる。

しかし、辺りを見回しても人の姿はない。気配だけを感じる。-^2019/0303修正{元:しかし、辺りを見回しても人の姿はない。気配だけを感じる。}

眼前には二匹の犬がいる。私はこの二匹に噛まれるだろう。

犬の名前は「黒」と「茶」。生前、家の外で買っていた犬だ。

可哀想に。犬たちはずっと外。あまり遊んでやることもなかった。

牙が体の半分を埋め、しかし思うのは、慙悔の念というより享受であった。

牙に体を裂かれるなか、「白」と名付けた犬がいたことを思い出し、犬は3匹に増えた。

「白」が一番可愛そうだった。生まれるとすぐに母親から引き離され、それが原因となったのか若い内に死んでしまったという話だった。-^0303修正{「白」が一番可愛そうだった。生まれるとすぐに母親から引き離され、それが原因だったのかしかも短命だった。}

痛みのない牙に深く噛まれながら私は考えていた。!^酷い図々しさ

私の犬たちへの行いが罪となったなら、私にも誰かを殺す権利があるはずだ。(私の犬たちへの罪は正直軽いと思っているということ)-^0303修正{この子達に噛み殺されるのなら、私にも誰かを殺す権利はあるんじゃないのか}

そう思うと同時に犬達は消え、代わりに3mほどの巨体を持つ閻魔が現れた。

閻魔を見た途端に言いようのない殺意が湧く。-^0303修正{閻魔を見た途端に言いようのない怒りが湧く}

私は、自分でもよく分からない憎しみを理解する間もなく、心が体を支配したかのように閻魔を襲った。-^0303{私は自分でもよく分からない憎しみを閻魔にぶつけるべく襲いかかる。}

すると、突如、何もない空間から槍の様な尖ったものが現れ、私の胴体を貫いた。私の口からは血がゲボゲボ流れている。-^0303{すると、尖ったものが突如現れ私を串刺しにした。}

それが終わると四方からの圧力によりペシャンコにされた。

そのような調子で私は何度も撃退された。

幸いだったのは、私もその不可思議な術を扱えたことだ。

対抗したところで効果はないように見えたが、とりあえずやることがあるというのは、少なからず気持ちを楽にした。

術を躱しつつ、術をどのように用いれば閻魔を殺せるのか思考を巡らせていると、先手を打たれたのか非常に困ったことになった。

私は、私の目の前にいたはずの「閻魔」になっていたのだ。

それでいて、眼下には私自身が憎しみのこもった目で睨みつけている。

まいった。これも閻魔の術なのだろうか。そう考えるしかない。

私は眼の前にいる私を殺して良いものなのか。

それとも私は、目の前の私に殺されたほうが良いのか。

殺されるわけにはゆかず、殺すわけにもゆかない。

憎しみがあるゆえの難問。!^いまさら仲良くするわけにも行かない。

閻魔を睨んでいる私自身を見ると、途端に、私のやり方にも問題があったのではないかと、私は少し弱気になった。

閻魔は私のことをこう感じていたのだろうか。まるで閻魔になった気分だ。

憎むべき対象に成ることで学んだこともある。これが閻魔の狙いか。

考えてばかりもいられない。眼の前には私自身が私の命を狙っている。

だが、私には、眼の前の私を殺せば、私はもう生き返らないのではないかという恐怖がある。

殺す、殺されるのどちらにせよ自分自身を殺すことになりかねないのだ。いや、なるのだろう。

しかし、私はもろもろを振り払い、意を決して眼前の私を殺した。

私には打算があった。

私は閻魔に何度も殺されているが、そのたびにすぐ復活している。

仮に私が閻魔になっていたとしても、この私は、やはりきっとまたすぐ復活するに違いない。

今まで生き返っていたものがいきなり死ぬのでは理にかなわない。

私が閻魔だとして、目の前にいる私が本物であれば、結局、生き返るのだ。

そして、これはやはり閻魔の術なのだ。

殺すより殺される方が危険であるという直感。

それに、なによりも私は、私自身を振り払うことはできない。

今意識のある私自身が私であり、その私をやめることへの拒否。

私がわたしを殺す。

すると、すべてが元に戻り、閻魔は変わらず私の目の前に立っていた。

私は勝利を確信した。

現実に戻ろう。

意を決して私を殺す。それは以前の私かもしれない。

後になって閻魔になったことをよくよく考えてみると、「閻魔が私の意識を使って、どちらが本物だろう……などとおろおろした所で何の価値もないではないか。

それに、冷静になれば、「殺される方が何より危険」なんてのは当たり前のことだ。

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殺されるわけにはゆかず、殺すわけにもゆかない。憎しみがあるゆえの難問。?^心の問題

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次回-テストを兼ねた見出し-

「人に迷惑をかけるな、人を傷つけるな」そう教えられて育ってきた。

しかし、それを否定するかのように、それが過ちであるかのように国が人を殺していく。

私が誰かを殺したいと思うように、誰かが私を殺したいと思う。

そうであれば、どこかの誰かがどこかの誰かを殺したいと思うのも、国が人を殺したいと思うのも当然か。

違うのは、国には権利と力があり、実際に人を殺すということ。

を書きたい。まぁ、やる気が出ればだが。これはだいぶ後回しになっている。

書こう書こうと思う重大なものほど書かずに秘匿されていく。

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私が誰かを殺したいと思うように、誰かが私を殺したいと思うのであれば、どこかの誰かがどこかの誰かを殺したいと思うのも、国が人を殺したいと思うのも当然か。?^こっちのほうが良いかも?

追記:あの位置の見出し意味ないな。でも付けないと投稿できない?気づいたら仕様変わっててまだよくわからん。