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地元のスーパーが潰れた・エンディング



連休が取れたので実家に帰省していた。

片道車で3時間、フェリーで1時間ちょっと、そこからまた車で何分かの道のり。
車のままフェリーに乗船しようかというタイミングで、入院中の祖父が退院したとのLINEが入る。
祖父に会えないかなと、半分期待を込めての帰省だったので驚いた。

祖父はもう長くないらしい。
祖父は私と顔を合わせるなり両目から涙をポロポロとこぼした。こちらもおなじく涙が出てしまった。

半年前よりもさらに痩せて骨と皮のようになってしまった祖父だがガッツと食欲はあるようで、流動食のお粥とかぼちゃスープを平らげていた。
今食べたいものランキング何?ときいたら1位『チキンラーメン』と返ってきて、わんぱくで嬉しかった。
2位は『ベチャベチャの焼きそば』らしい。なんだそれ。
面白かったのでまた次に会ったときも何が食べたいか聞いてみたいと思う。



地元を散歩していたら家から最寄りのスーパーが潰れていた。
去年実家にいたときまでは頻繁に買い物していたスーパーが、真っ暗のがらんどうになってしまっている。
遠足のおやつの調達、帰り道の買い食いなど、思い出深いスーパーだった。

なんだか寂しくなって友人にLINEで知らせたら
『あのスーパー、野菜売り場に急にトイレあったよね。』とニッチな思い出が返ってきて笑った。


これは関係ない帰りのフェリーの中で飲んだ
リアルゴールド


そのスーパーで買い食いをしていた学生時代、大好きだったアイドルがエンディングを迎えるらしい。

初めてアイドルが好きになって、推しができて、初めてポスター付きのCDを買って、初めて自分の足でライブに行った、でんぱ組.inc。

憧れてメイクや髪型を真似して、コスプレを作ったり愛媛から武道館まで追いかけたり、ものすごい情熱だった。なんでもできると思っていた。

オタク当時のTwitterアカウントにログインしてみたらツイートの全てが香ばしくて冷や汗が止まらなくなった。
平気で萌え!と言っていたり大量のwが語尾に付いてあったりする。

当時のTwitter全体の文体がこういうもんだったのか、はたまた自分では気づかない部分だったのか。
今の自分のXなんかも近い将来冷や汗かきながら見返すのかもしれない。

視点が変わらないと気づかないことが本当に多いと思う。
MBTIが変わって自分の至らなかった点にやっと気づけたりとか、毎日使っている洗面所のライトが風呂場の中から見たら変な形であることに気づいたりとか。


大人になった今でもコンテンツとしてずっと大好きで、自分を形成した一部ともいえるくらい大切なでんぱ組。
夢で終わらんと信じさせてくれたでんぱ組もエンディングを迎える。

会えなくなって初めて気づくような想い出なんか欲しくない。
雨の日に祖父がトラックで学校まで迎えに来てくれたこととか、一面のオレンジ色のサイリウムに強く感動したこととか、去年の今日は何を食べたかとか。
ここのパン美味しかったとか、なんの話で笑ったとか、歩いてたいぬが可愛かったとか。

急に視点を変えることはできないからできるだけ、すべて、とりあえず受け止めていたいと強く思う。


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