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デブい傘・効率がいい


どうしても甘いものが食べたくなって、大雨の中コンビニへ歩いた。
今日はパジャマで過ごすと決めていたけれど、我慢できない程の甘いもの欲が沸々と湧き上がり私を外へと赴かせた。

私が見たい棚に限って店員さんが品出しをしている。
店員さんの手を止めてまで売り場を見に行くのは気が引ける。諦めてカフェオーレを手にした。

先日もスーパーで同じようなことがあった。
玉ねぎを買うのに、ちょうど玉ねぎ売り場の前に品出し用の大きいカートがあり、値段もよく見えなくて、かと言って小心者すぎてカートの横から覗き込む気も起こらない。他のサブ玉ねぎ売り場がないかあたり一周を見回る。
結局見つからず品出しが終わった頃にまた見ようと諦め他の売り場を回ることにした。

清算する頃には玉ねぎのことは忘れてそのまま帰ってしまった。

カフェオーレとチョコレートをダイレクトにコートのポケットにしまって帰る。
錆びていて小さい穴まで空いているビニール傘をつたって雨が踵を濡らす。

友人にお薦めされてみたドラマで、綺麗に丸められていない骨の折れたガサツな太い傘のことをデブい傘と言っていたシーンがあった。
デブい傘。いいな。
晴れの日は傘のことなんて忘れているから、
傘を新調しようなどという気が起こらず我が家の主力の傘はずっとこのデブい傘だ。


うっかり明日履こうと思っていたズボンを履いていたため、濡れた踵を押さえ、あーあ。と呟きながら(ほんとは心の中で呟きながら)洗濯機に放り込む。そのままいっぺんに靴下も。
パンツのままケトルのスイッチを入れ、コーヒーをドリッパーにセットする。
家を出る前に履いていたパジャマズボンに足を通し、沸いたお湯をドリッパーに注ぐ。
30秒蒸らす間、お昼に食べたうどんの器を洗う。

効率がいいな、などと自分のことを讃える。

と同時に学生時代の居酒屋バイトをで大将に怒られたことを思い返す。

鍋の片付けかなんだったか忘れたが、教えられたやり方とは別に自己流でやって叱られた。
叱られる前に、こっちの方が効率がいいので。と言ったことも覚えている。

私は自分のやり方の方がやりやすいし早いという考えがあって、言葉を選ぶことも知らず、かなり生意気な奴だと思われたんだろうなと今は分かる。

パンツのままコーヒーを淹れるのが許せない人もいるだろうし、蒸らす30秒の間そのすぐ横でバシャバシャと洗い物をするのも果たしてどうかとは思う。
さっき買ったカフェオーレがあるのにブラックコーヒーを飲みたがっているのも。

ましてや、やらなくてはならないことが山積みであるのに、こうしてコーヒーを飲みながらチョコレートを食べようなどと呑気に構えている私のどこが効率がいいと言えるのか。
効率の良さ、物のやり方って本当に人それぞれだよなと思う。

これは関係ないけど爪の色がかわいいです。



先日くだらないツイートが1万リツイートされた。
(最近はポスト で、リポストか。)
呟くのも少し躊躇うようなくだらない内容。
朝だし誰もみてないからいいかと思って呟いた。

アカウントを作った当初はなんとなく、たくさんフォロワーがいるようなアカウントになりたいな。インターネットで有名になってみたいな。と思っていた。
しかし1万リポストというのに実感がない。ちょっと嬉しいけどちょっとだけ怖かった。

甘いものが食べたい時に食べられて幸せだし、コーヒーが美味しくて嬉しい。
平和だね😊などの引用ツイートは嬉しい。
物事の価値観もその時々で変わって行くものだな。実感した。

私はその人それぞれの効率、物事のやり方、価値観なんかを認められているだろうか。
窓の外の雨は少し弱まっている。


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