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一人でなんか死ぬなよ。

8月31日の夜に、あなたがもしも死にたいと思うなら、とりあえずチョコレートを食べて欲しい。

そう書こうとして、自分の無責任さに涙が出た。
じゃあ私のところに来いと言えない無力さが、なんだかとても悲しく思えた。

大人になってしまえば、大抵の悩みはチョコレートで解決する。
それがお酒の人もいれば、筋トレの人もいる。
みんなそれぞれ、嫌なことや辛いことをやり過ごして生きていく術を持っている。
それが大人になるということだ。

現に私は、今でも死にたくなる時があるけど、やっぱりチョコレートを食べたら「あ〜、まぁどうでもいいや。」と思えることが多い。
でも、中学生の頃の死にたいと思っていた私に「チョコレート食べたらいいよ」と言っても多分食べないし、結局誰も分かってくれないんだね、助けてなんかくれないんだね、ほら無責任。と思われそうだ。

あの頃の自分は、どうして欲しかったのか。
死にたくなって泣いたあの頃の自分は、誰にどうして欲しかったのか。

答えは一つだ。
ただ、誰かに話を聞いて欲しかった。

自分の中にあるモヤモヤとか、
何が正しくて何が間違ってて、どうしたらいいのかわからないけど爆発しちゃいそうなその気持ちを
真っ白な制服の第一ボタンまで締めて、窮屈に押し込んだ胸のうちを
「みんな」と足並み揃えて「みんな」に紛れ込まなきゃいけない、その理不尽な苦しみを

ただ、誰かに聞いて欲しかった。

いじめられてる事を、したくもないのに誰かをいじめてしまった事を、ひどいことされてる人を見て見ぬフリして暮らしている事を、

一人で抱え込むほど人間の心は大きくなんか作られちゃいないのに

誰かに頼る事が出来なくて、
一人で抱え込む事が「しっかりした子」であって
人に心配かけないことが「正しいこと」だと思って、
死にたい胸の内を、隠すことばかり上手くなってしまったあの頃の自分が

きっと、この世にはまだたくさんいるのだ。

8月31日の夜に、もしもあなたが死にたいと思うなら、誰でもいいからその事を伝えて欲しい。

伝える相手が思いつかないなら、文字にして日記のように書き出してみて欲しい。
ツイッターでもノートでも何でもいい。
文字にするってことは、人に伝える練習になるし、何より自分の気持ちを整理出来るから。

それはすごく勇気がいる事かもしれない。
でも、死ぬよりは全然ラクに出来る事だから。

すごく疲れる事かもしれない。カロリーが必要だ。だから、チョコレートを食べると良い。

甘い味がしても、涙でしょっぱく感じても。

一人でなんか、死ぬなよ。

#8月31日の夜に #エッセイ #コラム #学校

このお金で一緒に焼肉行こ〜