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街中のミュージックに乗る女、クラブ行ったことない説

先日グアム へ行った。


大人になってから行く海外は中国出張ばかりで、遊びに海外へ行くのは初めてだったので、信じられないほど浮かれていた。
脳内に藤本美貴の「ロマンティック浮かれモード」が流れてたりする程度に、アラサーオタク女・ウキウキルンルン丸である。

いかに楽しかったかは後日書くとして、
今日は「街中のミュージックに乗る女、クラブ行ったことない説」について書いていきたい。

このパワーワードは、わたしの胸をめちゃくちゃに揺るがしたし、的を得ていると激しく思ったからである。

グアム は、街のどこへ行っても音楽が流れている。
マルーン5やらブルーノマーズと言った誰もが知っているであろうヒット曲が、飲食店で、バス停で、ありとあらゆる場所で必ず流れており、そして何より音がめちゃくちゃデカい。個人的な感覚としてはBGMの領域をはるかに凌駕している。

タクシーの運転手に至っては、口笛どころか熱唱していて、しかも微妙に上手い。“聴かせにくる”タイプの熱唱だ。
国民性なのか観光地だからなのか、とにかく常に音楽が止まることはない。

早朝なんか、静かにジャックジョンソンでも流しておいてくれれば良いものの、ホテル前のバス停では爆音のクラブミュージックが流れており、時折野生のニワトリが「コッケ!コッ!!コケコッコーー!!」と合いの手feat.DJスクラッチを入れてくれる。実にワイルドだ。グアム の朝は活気がある。

そんな感じでツアーのバスを待っていたら、隣にいた女子大生と思わしき浮かれた女の子3人組が、爆音のブルーノマーズに合わせてリズムを取り始めた。

ハイビスカス柄のワンピースを身に纏ったこの3人は、お世辞にもイケてる雰囲気ではなく比較的大人しそうなビジュアルに見えたが、彼女達はこなれた様子でブルーノマーズにノリノリで首を振っている。
そしてニワトリも合いの手を入れる。
トレジャー!!コケコッコー!!ザッティーズワッユーアー!!コケ!コケコケッ!!みたいな感じである。


揺れる黒髪、すっぴんの女3人、リゾート感溢れるワンピース、そして巨大な野生のニワトリ。
やはり、グアム の朝は活気がある。

それを見ていた彼氏が
「こういうところでノる女の子って、絶対クラブ行ったことないと思う」と言った。

わかりみがつよい…。

わたしは深く共感した。
なぜなら、まさに先程、30秒前に私もブルーノマーズにノりそうになっていたからである。

何を隠そう、私もクラブに行ったことがない。
正確に言うと、何度か付き合いで行った事はあるが、楽しみ方が全く分からず、酒もたいして飲めないので、夜中の2時前には漫画喫茶へエスケープをキメた。

社交性もないので、知らない人に話しかけられてもただただ怖いし、声が聞き取れないから会話も出来ないし、それ以前に異性に絶対声をかけられない顔なので、クラブで遊ぶという行為が本当に地雷でしかない。

しかし「クラブでさ〜」という会話はしてみたい。
クラブで何をしてるのかイマイチよくわからないけど、「昨日クラブでさぁ〜」と言いたい、言ってみたい…という気持ちは、わりと強めにある。

私はそういうタイプのオタクなのだ。リアぶるクセが正直めちゃくちゃある。リア成りすましならぬ、リアワナビーのオタク。悲しいことにこれが現実である。

そのバス停でノリノリだった女の子達も、どちらかと言うとこちらサイドのモテない人種に見えたのだが、とにかくさりげなく、まるで身体が自然と動き出したかのようにブルーノマーズにノっていた。

彼氏に、「そうだね、絶対あの子達もクラブ行った事ないと思うよ…」と偏見を伝えた上で、

「でも、私もクラブってめちゃくちゃ苦手だし、どう対応していいのか全くわかんないんだよね…。話しかけられないのも辛いし、話しかけられても怖いし、何したらいいのかわからないわ…」
とカミングアウトした。

すると
「俺、一個イイ方法知ってるよ!」と、まさかの解決策を提示された。

ズバリ、
「スピーカーの前で自分の世界に入ってれば、誰にも話しかけられないし、かつ浮かないよ!」説である。

そのポイントとしては
「男とか女とか関係ないです」
「私、音とセックスしてるんです」
「音のシャワー気持ちいい、ヤバイ、イッちゃう〜〜〜!!」
という顔をすると良いらしい。

「爆音はうるせーけど、そんな奴は怖いから誰も声かけないよ!ね?!いけそうっしょ?!」

彼は笑顔で教えてくれた。

こんな方法があったなんて、イキってる昔の私に教えてあげたい…と強く思った。

別にクラブ行って何がしたいわけでもないけど、「クラブ行ったらさ」と自慢したいタイプの全オタクに教えてあげたい、「クラブ行った事ないヤツのクラブでの正しい過ごし方」の話であった。

グアム の朝は活気がある。
朝飯前だというのに、こうしてまた1つ、この世を渡りきる術を学んだのであった。

は〜〜〜じゃんじゃん♪

(※当然グアム のクラブにも行きませんでした。)


このお金で一緒に焼肉行こ〜