高校生家族最終巻 描き下ろしエピソード感想

高校生家族、最終11巻に収録された書き下ろしエピソード3編の感想記事になります。
ネタバレもりもりなので未読の方は原作を読んでから記事を見ることをオススメします。








●三年の日々

まず冒頭から面白すぎる。
塾、子が親に諦めてくれって……逆ゥ!!
「よそはよそ うちはうち…!」って、子が親に言うことないだろ……!!
ゴメスの予備校生の目も笑ったし。なんでそんなちゃんと予備校生の目を表現できるの?どういう引き出し??
バレー部の春高もめちゃくちゃ良かった。
年齢制限ブチ抜くくだりがまた入ってて笑ったし、何より翼の生えた一郎……!!
変な笑いとアツさと感動が同時に襲ってきてなにこれ???
マジで本誌で省略なしで見たすぎた。
野球部も面白かった。
のぶかつサヨナラホームランうおおおおおおおおお!!!!!!!
からの「はあ…?」笑わないのムリでしょこれ。試合のヒーローの表情じゃなさすぎる。静かにキレてる真顔ジワジワくるなあ。
ゴメスのその後もしっかりヤンキーもの文脈で見せ場作られてて変な方向にちゃんとしてるなって思った。
「高校を卒業した後… 母さんは主婦に 妹は中学生になった」
高校→中学 の春香のおかしさにつられて静香もなんか変な気がしてきちゃうけど、高校→主婦 はよく考えたら実は別に何もおかしくないってところが逆に面白かった。
そんで最終的に一郎は喫茶店のマスターかい!文化祭で片鱗見せたバリスタの才能活かしてて笑う。青山はそれでいいのかお前。喫茶店でいつでも合法的に会えるから満足してるってなっちゃうと、一郎連れ戻すために付け回してたって立て付けが崩壊しちゃうだろ!!
「去年…」「去年…?」

●二人の部屋

光太郎と弓木さんの恋路について。
家に誘うとき急に敬語になる光太郎、初々しい。童貞〜〜!!
光太郎テニス部物語の結末も描かれて。全国行けなかったって言ってるけど、未経験から数ヶ月で地区予選決勝まで行ってんの冷静にすごすぎない??弱小テニス部でまともな指導者もいないのに。なんだかんだポテンシャルすごいよな光太郎。
で、弓木さんへの好きが溢れて抱きついてしまう光太郎。おっ アオハコか?
ページめくったら急にしっとりした空気になって…… や、やるのか?やれんのか!??ってなってたら家族写真倒すところで大爆笑しちゃった。ずるいわ。
こっちもすごい良い結末だったけど、吹奏楽コンクールにテニスウェア&ラケットで参戦する光太郎流石にヘンテコじゃない!?

●同窓会の夜

1P目から老けた静香で「えっ!?」ってなったあと「うわ〜〜そう来たか〜〜!!!」ってなった。さらにその後を描くのか……!!
大人になったクラスメイトたちの近況を語りつつ、春香の将棋物語の結末も。
えっ 10年後春香かわいすぎない!??普通に美少女なんだけど。着物似合ってるぅ!
ちゃんと封じ手から再開するくだりもやってる。これ見たかったんだよ……!!再開したとこから二人のオーラ変わるの良いよね。真剣度が違う。
からの「負けました」が即オチ2コマみたいでシュールすぎるんだわ。
で、再び現代。
屋敷さんがめちゃくちゃ垢抜けてるのびっくりした。そうなるとは全然予想してなかった……!!
これだけでもあの後色々あったんだなって想像膨らみまくるよね。
あとのぶかつ結婚してる!!これも色々な意味でビビった!!
結婚してくれる相手いたんだ…とか、嫁からしたらガチ他人でしかない静香に2人で挨拶に来てんの!?とか。最後まで気持ち悪かったなこいつ……
ゴメスも老猫になっちゃって。
あとがきにも書いてあったけど子供たちと思しき猫=家族を作ってるのがグッときますね。「家族」が大きなテーマの一つの作品で唯一新しい自分の家族を作った存在……
そして満を辞して光太郎&弓木さん登場!
「皆に報告があります」
おお…!!絶対結婚じゃん!!!と思わせてからの
「おまたせっ!!」一郎参戦!!!
キス回で邪魔されなかった分こっちで邪魔してくるんかーーい!!
みんな一郎のこと大好きだからまんまと話題持ってかれてるし。最後まで一郎に苦しめられる光太郎、良い……
からの泥酔して光太郎に絡みに来る屋敷さん。
失恋回の時かなんかに「同窓会あったら浴びるほど酒飲んで光太郎にダル絡みしてきそう」って言ってたけど完全にイメージ通りだった。
「いつかもし同窓会とかがあったら…その時に教えてあげる」は叶ったのかな。
洲崎くんはバレー日本代表になったのね。デカくなっちゃってまあ……
最後はクラス全員で目出鯛高校へ。
「目出高は… 今の高校生達の場所だ」
本当に大人になったな君たち…….ってしんみりした気持ちになっちゃったけど、これ言ってる一郎は最初っから大人だったはずなんだよな。最後の最後まで感覚がバグらされる。嬉しい。
あと個人的には「新連載作品に連載枠を譲った高校生家族」という文脈を勝手に重ねちゃってまた切なくなっちゃったね。
最後に目出高でみんなでわちゃわちゃして終わってくれるの、これ以上ない終わり方だよな……

●まとめ

追加書き下ろしの3つのエピソード。
それぞれ「みんなのその後」、「恋模様のその後」、「その後のその後」まで描いてくれてて、こんなに贅沢な最終巻書き下ろしないな……となりました。
正直、本誌での最終回はあまりにも唐突で全く心の整理がつかなかったんですよね。
それをこんなたっぷりじっくり見たかったもの・見足りなかったものを見せてくれて……もう感無量としか言いようがない。
仲間りょう先生……本当にありがとう……

紙で11巻買ったんですけど、10年くらい後にちょっと劣化して黄色くなった11巻がふいに視界に入ってきた日にはまた涙溢れちゃうかもな。

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