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8年間こんぴらさんに上り続ける「ピンクのTシャツさん」

琴平町に住んでいると、ピンク色のTシャツを着ている女性をよく目にしませんか?
その方は、いわば琴平の名物人、ピンク色のTシャツを身に着けて、毎日こんぴらさんに上ることを日課にしている、池ノ本暢子(いけのもとのぶこ)さんです。

こんぴらさんに上り続けて、今年で8年になったとのこと。雨の日も風の日も、来る日も来る日も、こんぴらさんの785段の石段を上り続けてきた、その心を伺いました。

8年目の記念日は、ちょうど金刀比羅宮で2023年の三麺式が執り行われていた。

今でも目に焼きついているこんぴらの賑わい

綾川町(旧・綾上町西分)で生まれ育った暢子さん。ご実家の氏神様・椎尾八幡神社は毎年、金刀比羅宮 例大祭に奴組を奉納されており、子どもの頃から、よく琴平を訪れていました。
当時の例大祭は、親の手を離すと、たちまちはぐれてしまうほどの人で溢れかえっており、大変な賑わいがあったそうです。代々、奴を担っていた家で育った暢子さんにとって、こんぴらさんは敬意を表する特別な場所です。

結婚して琴平へ嫁いで32年、こんぴらさんと共にあり、守られていることを感じながら生活してきたそうです。
嫁ぎ先では、3人のお子様(既に独立)に恵まれ、義理のご両親のお世話と並行しながらの育児はかなり忙しい日々だったのではないでしょうか。そんな中、琴平で行われる行事やイベントに参加されたり、お店に出かけて生活を楽しんでおられます。
また、お子様が学生時代にはPTA役員や、琴平町教育委員、体育指導員、図書ボランティア等、コミュニティにも積極的に参加されていたようです。

2015年(平成27年)5月27日、腰痛に耐えかねて受診した整形外科医に、体型を痛烈に批判され翌日5月28日には、こんぴらさんへ上がることを決意されました。

食事制限をしたりジムに通ったりするより、無料で好きな時間に上がれるこんぴらさんに参拝するというのが、池ノ本さんにとっては、魅力的かつ最善の選択に思えたのです。

そして、何より、幼いころから畏敬の念を抱いていたこんぴらさんに上ることに意味があるように思えました。

生きていれば誰でも苦しいことや辛いことにも遭遇しますが、そんなとき思い出すのが、実家のお母様の言葉だったと言います。

「女は家の太陽」

女性が明るくいれば、家族全体が繁栄する。池ノ本さんもまさに、家族を支えるべく内助の功を発揮してきました。そんな池ノ本さんにとって、金刀比羅宮こそが、元気の源だったのかもしれません。

ピンク色のTシャツを着ている理由

こんぴら十帖にて

毎日こんぴらさんに行くと心に決め、続けている池ノ本さん。その姿は、自然と人の目につくようになり、声をかけられるようにもなりました。

はじめは、様々な色のシャツを着ていたものの「今日はピンクのシャツじゃないの?」と聞かれることが増え、自然とトレードマークに。

そうやって、声をかけて頂き話題になることで、琴平町を知るきっかけになれたら嬉しいし、面白いと感じておられるようです。

他人に尽力することが普通として育った池ノ本さんの、基本姿勢がピンク色のTシャツによく現れていると思います。
家庭内の太陽にとどまらず、琴平町をピンク色で元気に照らしてくれています。

人生の教訓「逃げない!」

なにか問題が起きたときに、逃げる癖のある人はいけません。どこに行っても逃げきれず、その先でも同じことが、2倍にも3倍にもなって戻ってくるだけだと池ノ本さんは言います。

その場で、踏ん張ることが大事。

それでも、踏ん張り切れないこともあるでしょう。
そんなときには、こんぴらさんに上がると、なんとか乗り切れる気がするのです。

汗をかいて、筋肉を強化すると精神も健やかになるように、毎日体を動かすことで、気持ちが前向きになります。

それに加えて、こんぴらさんからの景色が壮大で、大いなるものに見守られているという感覚にもなってくるので不思議です。

世界的にも若者が結婚しなくなっている昨今、琴平周辺では20代で結婚する人が多数派です。

結婚することを前提にして、苦労があってもその裏側にある幸せや良い面をみて、当然のようにその状況を受けいれていく強さが、琴平の女性にあると感じます。

誰かがやらなければならないこと、いつか向き合う必要があるなら、いまは逃げない。

そうやって踏ん張って、積みあがっていく豊かさが琴平の強さなのだと思います。

琴平町の未来に期待すること

いま、琴平には町外から若い人たちがお店を開くなど新しい取り組みを始める人が少しずつ増えてきています。
そんな流れを中心に、琴平が盛り上がっていくことを池ノ本さんも大いに期待しているとのこと。

琴平をなにがなんでも、盛り上げるとか、どうやって伝統を残していくか、という気負いはなく、自然の流れを見守りながら、応援していきたいと言う。

日々のこんぴらさん、さまざまなお店のイベントやサービスも積極的に利用して、SNSに上げ続けている池ノ本さん。

これからも優しく穏やかに琴平を見守り続けていただきたいです。

「ピンクさん」の日常はこちらから覗けます。

https://www.instagram.com/konpirasan_no_pink_t/
https://www.facebook.com/profile.php?id=100009484524431


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