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Bリーグ2023-24シーズン第15節島根スサノオマジック対大阪エヴェッサの個人的な試合展望

高校生年代のウィンターカップでも激戦が繰り広げられています

思えば今年はバスケットボール界においては躍進の1年だったかもしれません

夏にはW杯で新たな記録を打ち立て、来年のパリ五輪への切符も掴みました

2026年に向けた新たな改革に対して各チーム取り組みを見せており、観客動員数は間違いなく昨季よりも増加傾向と実りある2023年だったように思います

リーグに目を向けると、上位は混戦。オールスター前の折り返しに向けて、良い前半戦の締めくくりを見せたい両チームの一戦です

島根は前節、今季好調の宇都宮に対しアウェーで1勝1敗
一方の大阪はメンバーも揃い、ホーム長崎戦は連勝。開幕戦からの強かった大阪が戻ってきました

今季初の顔合わせとなる同地区対決の一戦。CS進出、タイトル獲得に向けて両チーム負けられないタフな一戦になりそうです

12月30日、31日とまさに年末ではありますが、今年躍進を遂げたバスケットボールの締めくくりを私も楽しみたいと思います

解説:朴 航生さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(12/27時点)14節終了時点

島根スサノオマジック【平均82.8得点(リーグ4位)平均77.0失点(リーグ9位)】14勝10敗で西地区3位

島根はアウェイ佐賀戦、宇都宮戦と1週間で3試合と移動も含むとタフな日程を戦いホームに戻ってくる

今季は14勝のうちホームで9勝、アウェーで5勝を記録
年末だが、来てくれるブースターの前で勝利を届け2023を締めくくりたい一戦だ

前節の宇都宮戦は宇都宮のタフな守備も影響してシュートタッチは両日奮わなかった(GAME1は28/68の41.2%、GAME2は29/72の36.1%)

GAME1は83-68で敗戦もペイントエリアから44得点をマーク。両日共にウィリアムスニカは得点面、リバウンド面でも存在感を見せた

GAME2は守備強度をより集中力を持って臨み、特にリバウンドは前日の37回から48回に
FTも15/18と要所で確実に決めて4Qに大きくスコアを伸ばして連敗を止めた

ビュフォード選手は前日の8得点からGAME2は20得点、11リバウンド、13アシストとこの3つのスタッツは前日の倍を記録し今季2度目のトリプルダブルを記録した

また、白濱からは3本の3Pも飛び出し11得点
ニックケイも2本の3Pを決めて、アウトサイドからもしっかりと加点する事ができた

島根は良い守備からの攻撃が機能すればより主導権を握る事ができる。GAME2は相手に13のTOを与え、結果的に宇都宮のシュート確率を下げた側面もある

大阪はインサイドを中心にそこから展開もできるチーム。中に展開するまでのプロセスでしっかりと流れをストップすることができれば、島根らしいバスケット展開が多く見れるかもしれない

現在ホームでは千葉、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、連戦の信州と勝利をしておりホームで4連勝中。後押しを受けて、両日とも島根らしい風を吹かせるか注目したい

大阪エヴェッサ【平均77.4得点(リーグ13位)平均79.1失点(リーグ14位)】12勝12敗で西地区6位(連勝中)

強い大阪が戻ってきた。そう感じた長崎との戦いだったかもしれない

負傷離脱していたカロイアロ選手は2試合とも途中出場(両日約18分プレー)

11/12の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦以来、約1か月半ぶりのプレーだった

GAME1は5つのTOはあったが、18得点5アシスト。GAME2は11得点3アシスト、TOなしと限られた時間でも存在感を示した

まだ決して万全ではないかもしれないが、カロイアロ選手がいると選択肢が多く広がる(特に攻撃面)
中でも外でも、そしてアシストもできるためロング選手とのコンビネーションは脅威となる

開幕連勝を飾った強い大阪らしい戦い方が適地でも見せる事ができるか楽しみにしたい

長崎とのGAME1は97-95で接戦をモノにした
早いテンポの打ち合いになったが大阪は高いFGの成功率を見せた

GAME1は35/54で64.8%、更には3Pは12/20で60%とかなりの高確率だった

GAME2は3Qで差をつけ90-72で勝利
この日もFGは38/67で56.7%の成功率。3Pは6/15で40%だった

カロイアロ選手の復帰、合田と多嶋もコンディション不良から戻りチームとして攻守のバリエーションが増えた

橋本は過去シックスマンとして存在感を放っていたが今季はスタートから出てチームをけん引。平均8.9得点、3Pの成功率は36/73の49%とリーグトップを記録

決して毎試合多く打つ選手ではないが、要所で確実に決めてくる勝負強さを持っている

そして、昨季同様大阪のシックスマンとして存在感を放っているのが木下選手だ
今季スタートからの出場はないが全試合プレーして平均7.8得点
ボールも運べ、ドライブ、アウトサイドのシュートもあり特に先週末は圧巻だった
両日ともに3Pを3本(3/5)沈め勝利に貢献した

負傷離脱中苦しい状況の中でチャンスを多く得た選手もいた大阪
アウェーではあるが、連勝の勢いを持って臨みたい一戦だ

両チームのメンバー編成

■島根スサノオマジック
HC:ポール・ヘナレ(3季目)

■継続
ペリン・ビュフォード(4季目)
安藤誓哉(3季目)
ニック・ケイ(3季目)
北川弘(5季目)高校時代は滋賀県でプレー
津山尚大(2季目)
白濱僚祐(4季目)
ウィリアムスニカ(帰化選手)(4季目)
谷口大智(2季目)

■新加入
★ハッサン・マーティン(琉球でBリーグデビュー、海外でプレーし復帰)
★大橋大空(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★ワイリー光希スカイ(日本出身。海外でプレーし初のBリーグ)
★晴山ケビン(富山より加入)

大阪エヴェッサ
HC:マティアス・フィッシャーHC(2年目)

■選手(継続)
橋本拓哉(9季目:2012-13のbjリーグ時代でのプレー含む)
竹内譲次(3季目)
合田怜(8季目))
飯尾文哉(昨季特別指定選手でプレー今季からプロとしてプレー)
木下誠(3季目)
鈴木達也(2季目)

■新加入(IN)
ショーン・ロング(北海道から加入)
西川貴之(佐賀から加入)
アンジェロ・カロイアロ(トルコのクラブから加入)
イアン・ハマー(ギリシャのクラブから加入)
土屋アリスター時生(三遠から加入)
多嶋朝飛(茨城から加入)

■他チームへ移籍
エリエット・ドンリー(信州へ移籍)
星野零志(岩手へ移籍)
ショーン・オマラ(FE名古屋へ移籍)
アイラ・ブラウン(千葉Jへ移籍)
ディージェイ・ニュービル(宇都宮へ移籍)
カイル・ハント(新潟へ移籍)

両チームのメンバーでの縁を一部紹介すると

島根の安藤と大阪の西川は明治大学で共にプレー
島根の安藤と大阪の竹内はA東京で共にプレー(2017-21)
島根の津山と大阪の竹内もA東京で共にプレー(2019-21)
島根の谷口と大阪の多嶋は茨城で共にプレー(2021-22)
島根の大橋と大阪の飯尾は洛南高校時代の先輩後輩
※大橋が1つ先輩

それぞれ縁のある選手たちもいる中で、試合前・試合後の振る舞いも楽しみにしたいポイントです

過去の対戦成績(島根7勝 大阪13勝)Bリーグレギュラーシーズンのみ

過去の対戦成績では島根の6勝、大阪の13勝と大阪がリード

ただ、昨季は4戦して島根が3勝と勝ち越し
一昨年のシーズンはお互いに2勝と五分の戦績を残している

ただ、昨季は4試合全て1桁得点差と僅差の試合となった
昨季のホーム島根戦ではGAME1で2人のエースがチームをけん引
島根はビュフォードが32得点、そして大阪ニュービル選手が43得点を記録するハイスコアな展開となった
今季初めての顔合わせとなるが、どんな展開を見せてくれるか楽しみにしたい

2017-18シーズン(島根1勝 大阪5勝)

大阪 72-78 島根 2017.10.14
大阪 84-75 島根 2017.10.15
島根 58-70 大阪 2018.01.27
島根 71-84 大阪 2018.01.28
島根 69-78 大阪 2018.04.07
島根 55-62 大阪 2018.04.08

2019-20シーズン(大阪2勝)

大阪 105-87 島根 2020.03.14
大阪 93-80 島根 2020.03.15

2020-21シーズン(島根1勝 大阪3勝)

島根 85-99 大阪 2020.10.21
大阪 80-73 島根 2020.11.14
大阪 90-71 島根 2020.11.15
大阪 96-101 島根 2021.01.27

2021-22シーズン(島根2勝 大阪2勝)

大阪 77-88 島根 2021.10.16
大阪 92-77 島根 2021.10.17
島根 77-69 大阪 2022.03.05
島根 68-85 大阪 2022.03.06

2022-23シーズン(島根3勝 大阪1勝)

島根 72-65 大阪 2022.12.14
大阪 64-75 島根 2023.03.22
島根 88-91 大阪 2023.04.15
島根 74-73 大阪 2023.04.16

島根は過去に対大阪戦でホーム連勝はなし
★島根のホームでの対大阪戦戦績(島根3勝・大阪7勝)

補強が進み、CSに進出した昨季は3勝と初めて対大阪戦で勝ち越しをマーク
それでもホームでの連勝を大阪は許さなかった
昨季はエースの外国籍選手が得点を取り合ったGAME1、そしてGAME2は両チーム粘り強く戦い1点差と最後まで分からない展開を見せてくれた

今年は年末の12/30と12/31の大晦日に行われる試合。どんな展開になるか楽しみにしたい

個人的な見どころ

両チーム直近の試合では勝利を掴んで臨む一戦
ホームの島根は宇都宮に勝利し連敗ストップ。ホームでは現在4連勝中とホームアドバンテージを見せていきたい

一方の大阪は開幕から7連勝、そしてメンバーが離脱する中で10連敗とシーズン前半ながら悔しい想いをしてきた

ただ、前節は同地区の長崎相手に連勝と再び勢いを持って臨む一戦となる

同じ西地区に位置する両チームだが、戦績の差は僅かに2勝
なので大阪は連勝すれば島根と戦績で並ぶ事にもなる
同地区対決だからこその強い気持ちを持った一戦になりそうだ

個人的な注目ポイントは以下を挙げたい

①インサイドの強みを生かしたい大阪と封鎖したい島根
②アウトサイドのシュートセレクションをより良い状態で
③勝敗を分けるリバウントとTO

①インサイドの強みを生かしたい大阪と封鎖したい島根

平均得点では島根が上回る。島根はここまで平均82.8得点を記録
得点を支えているのはビュフォード選手、ニックケイ選手、そして得点ランキング3位に入っている安藤だ
この3人で平均58.6得点を1試合で記録している(チームの約7割)
その島根は総得点のうち3Pの割合が36.2%、そしてFTの得点割合が16.7%

一方の大阪はペイントエリアでの得点が1試合平均37.8得点(リーグ1位)
総得点の内約半分はペイントエリアでの得点となっている
総得点に占める3Pの割合はリーグ23位だが、成功率は33.6%とリーグ8位を記録

インサイドを中心に加点しつつ、効率よくアウトサイドのシュートでも得点を記録している
大阪はショーンロングがここまでORの1試合平均が4.2回(リーグ5位)
平均得点も17.8得点。得点の約8割はペイントエリアでの得点となっている
ロングは自らリバウンドを取り、そのまま得点を取る場面もある
※1試合平均5.4得点をOR後に記録

ただ、当然こうした狙いは理解がある中で、ロングに対しての守備に人数をかけた際にどのようにヘルプディフェンスが機能するか

または、パスを出す選手に対してどれだけプレッシャーをかける事ができるかが重要になる
西川、多嶋、そして木下がボールをハンドリングする際にロングの位置、そして他のプレイヤーがDFに対してどのように動くのか
島根はそこに対して、上手くチームで意思統一をしながら集中力高く守備をして大阪のオフェンスを止めたいところだ

②アウトサイドのシュートセレクションをより良い状態で

島根は前節のGAME1シュート確率が今季の平均を下回った
今季島根の1試合あたりの3P成功確率は10/30で33.4%
GAME1の3Pは5/27で成功確率は18.5%だった
左右のウィングで2本、中央から1本の成功のみとなり、左右のコーナーからは1本の成功もなかった(左は0/5、右はなし)

GAME2の3Pは9/28と成功確率は32.1%と今季平均とほぼ同水準だった
安藤、白濱、ニックケイをはじめ3Pをマークしたが、GAME1との違いは、コーナーから4本の3Pを沈めた事だ
左右のコーナーから合計で4/7(左3本、右1本)を決めた。シュートの数が劇的に増えたわけではないが、上手くボールをコントロールしながら成功確率を向上させた

島根は今季左のウィングとコーナーから3Pを多く沈めている
※右のウィングからが最も確率が低い
島根は自分たちの得意なシュートセレクションが良い状態できるようにボールをシェアする、そして強度の高い守備をしながらゲームをコントロールしていきたい

各チームのシュートの確率がエリアごとに記録されているので、こうした部分にもチームのカラーが出てくるかもしれません
因みに大阪は両コーナーからの3P成功率は4割越え。中央からの確率がやや低い傾向にあります


③勝敗を分けるリバウントとTO
平均リバウンド数は過去大阪は非常に強い印象があった。ただ、今季はここまで平均36.3回でリーグ18位
一方の島根は平均リバウンド40.1回でリーグ6位という現状

島根はビュフォード選手が離脱している時期もありましたが、ニックケイ、そして帰化選手としてプレーするニカがリバウンドをけん引
あとは日本人プレーヤーの安藤・白濱の2人も積極的なリバウンドが今季より印象的だ

島根は宇都宮戦GAME2はリバウンドで大きく優位性を取り勝利を掴んだ
一方の大阪は前節FGの成功が高かったため比較は難しいが、このリバウントで少しでも自分たちのタイムポゼッションを増やしたい

そして島根は今季ここまで平均TO数が9.7回でリーグ最小
一方の大阪がここまで平均13.5回とリーグ16位
大阪は連敗中プレータイムのシェアが難しい部分もありこのTO数が増加してしまった。ただ、秋田戦ではTOを1桁に抑え粘り強く戦える部分も見せてくれた

前節から約1週間が空いて戦う、今週の一戦
お互いにミスなく集中力高く臨める時間を、どれだけ継続できるか
個人だけではなく、チームとしてどのように戦うか楽しみにしていきたい

大阪は相手のTOからの得点が平均14.9得点(9位)島根は平均14.2得点(14位)と大きな差はないが、しっかりと得点に結びつけている

大阪は相手にTOを与える強度高い守備を。そして島根はこれまで通り、ミスを減らし集中力高くプレーする時間を1秒でも長く見せていきたい

12/30と12/31は島根の地で熱い試合が繰り広げられることを楽しみにしましょう

私も年末年始の移動が不安ですが、天候と公共交通機関の乱れがなく無事放送席にたどり着き、熱い試合を少しでもストレスなく届けられるように臨みたいと思います

今年最後のバスケットボール観戦、そしてBリーグ中継を是非お楽しみください!


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