見出し画像

「気にしすぎな人クラブへようこそ」心を軽くして生きやすくするために(吉本ユータヌキ著)

「この内容を送ったらどう思われるかな?」
「本当はAだと思っているけど、みんながBならそこに合わせようかな・・」
「え、もしかして怒ってる・・?なんかまずい事したかな・・」

こんな経験ってありませんか?私は、今でも他人の色んな声が気になる瞬間が多くあります

この本を読んで率直に感じた事は、まず共感する自分がいた事
そして「あーこのエピソード分かるなぁ」と自分の経験を重ねながらモヤモヤの原因が言語化されていく事

何となくですが、それだけでも救われる人は多くいるのかなと感じました

他人から見た自分はどのように映っているのだろう?
そこに恐怖や不安を抱えている人は私を含めて多いのではないでしょうか

これまで抱いていた疑問や不安が吉本ユータヌキさんと公認心理士の中山さんとの掛け合いが、少しづつ気持ちを軽くしてくれました

「そうだよね。分かる。」

「それでいいんだ」

「そんな視点もあるのか」

この本の中には小難しい心理学の話はあまり出てきません(巻末に詳細な内容はありますが興味のある方は面白いと感じるかも!)

本の構成は「他人に対して気になる事」「仕事や職場で気になる事」「自分に対して気になる事」という大きく3つの視点から「つい気にしてしまう事」が描かれます

文章だけではなく、吉本ユータヌキさんの描く優しいタッチの漫画と、対話形式で話が進みます
私は本を読みながら、客観的にその会話の中に自分が混ざっているような感覚になり、一緒に共感し、納得し、考えていました

クラブへの入部届けは出していませんが、クラブに入っている感覚が読みながらありました。笑

読み終わったら少し、心が軽くなって生きやすくなるきっかけになるのかなと個人的には感じました。お時間ある方は是非手に取ってみてください

と、ここまで本を読んだ感想でした

個人的には人間関係においてとても重要かつ、入り口として良い著書だと思います

私自身はスポーツ実況や司会などアナウンスの仕事以外に、高校や大学へ講義や企業研修を行っています

その中で「コミュニケーション」にまつわる講義や研修を行いますが、この著書で出てくる課題や悩みを持っている人は非常に多い印象です

コミュニケーションで大切な事に
①自己理解
②他者理解
③スキル
を挙げています。以下のようなイメージです

コミュニケーションの土台は自分の事をいかに理解できているか?
ただ、私を含めて多くの人が土台の自分に対してではなく「他者」へや「スキル」に目が向いているように思います

実際に先日も高校生での講義の中で「コミュニケーションで普段意識している事は何ですか?」と尋ねると

「相手を不快にさせないようにすること」
「相手に分かりやすく言葉を選ぶ」
「その人の状況に合わせて話す」

など、他者へ配慮する目線が多くを占めました

もちろん、他者の事を考え、スキルを意識してコミュニケーションを図る事も大切です
ただ、やはり「何のために?」「なぜ?」自分はそう考えているのだろう?
と自分に対しての興味関心を持つ事も大切だと思うのです

吉本ユータヌキさんの本の中では"多くのモヤモヤ”が取り上げられています
この"モヤモヤ”することってすごく大切な事だと思うんです

この“モヤモヤ”にはその人の理想とのギャップがあるからそうした気持ちになっている可能性が高い

その自分が思う理想って、ギャップって何だろう
ここに問いかけて、それを具体的な言葉にできることで、より深い他者との関係に繋がっていくと思います

もちろん「私が、私が」のコミュニケーションを図ってほしいわけではありません。他者への配慮や相手の事を考える目線は忘れずに、自己と他者のお互いの理解を深めてバランスよくコミュニケーションを図っていく事で色んな変化が生まれてくるのかなと思います

「気にしすぎな人」という自覚がある事が、自分を理解している証拠でもありますし、そこからもっと自分の事に興味を関心を寄せる事で”●●を大切にしている自分”という気付きを得る事ができるかもしれません

気にしすぎな人は、それだけ周囲を良く見ている
もちろんどこかで自分を見て欲しいという裏返しの部分もあるかもしれませんが、私はその分とってもクリエイティブな部分があると思っています

クリエイティブといっても何かを生み出すという閃きのようなものではないですが、「今こうすると上手くいくかも」「今あの人ちょっと一人だから何とかできないかな」「今の空気感いいな」と現実を客観視してそこから、変化を加える事ができる人が多いようにも思います

そして、本書は「気にしすぎない人」にも是非読んでいただきたいとも思っています

それは、自分とは対極にいる人が何を考えて、何に悩んでいるのか
「気にしすぎだよ~」という一言で終わらせるのではなく、思慮深く考えている人の思考に対して理解を寄せるだけで、受容できる事やモノが多くあるのではないでしょうか?

もちろん気にしすぎな人も「あの人は決断力があって良いな」で終わらせることなく、その背景や理由に興味関心を寄せてみる
そうしてお互いの良い部分や、ちょっと恥ずかしいと思っている部分を見せる事が出来た時に新しい関係性というか、これまでとは違う、より深い間柄になれるのではないかなと思います

気にしすぎな人も、気にしすぎない人も、是非身近な大切な誰かとよりよい関係性を築いていくためのヒントとして手に取ってみてください

サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。