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カウンセリングは対面?オンライン?

cotreeに登録する前、cotree社長の櫻本さんの「カウンセリングは、基本は対面で。」という記事を読み、「オンラインカウンセリングサービスを提供しているのに、その『負け』をあっさり認めちゃうなんて、随分と潔い方だなぁ」という印象を受けました。

そして、オンラインカウンセリングの限界を認めつつも、「それでも私たちは、やれる最大限のことを、全力でやっていきます!」という宣言は誠実で、潔く、「私も一緒にやりたい!」と思いました。

で、そのオンラインカウンセリング。実際に500セッションほど経験し、感じたことを、私なりにまとめてみました。

オンラインカウンセリングの難しさ

で、いきなりの直球ですが、、、私がセッション中に感じているオンラインカウンセリングの難しさは、下記の3つです。

①通信環境が問題になることがある

一番基本的なことですが、通信環境が不安定な場合、会話が途切れたり、遅れたりします。Zoomを使うようになり(以前はFaceHubを使用)、随分と通信環境は良くなったのですが、それでも「すいません〜、どこまで聞こえてました?」「えっと、ここまで聞こえてました〜」と、話を繰り返す必要があると、どうしてもセッションの流れが途切れてしまい、時には、深いところに行ききれなかったりすることがあるので、そういう時にはもどかしさを感じます。

②「沈黙」が「沈黙」でいられない

カウンセリングでは、「沈黙」には意味があります。クライアントさんが深く内省されていたり、考えをまとめていたり、何かを言うのに躊躇していたり、と。ただその「沈黙」がオンラインの場合、通信の問題とごったになってしまい、「沈黙」が「沈黙」でいられないことがあります。

特に初回セッションで「沈黙も含めた会話のリズム」が出来ていない場合など、こちらとしては静かに言葉が出るのを待っているのですが、「あれ?聞こえてます?」と、聞かれてしまい「はい、聞こえてますよ〜!大丈夫ですよ〜」と返すのですが、こうなると「深さ」が戻っちゃったりすることがあります。

③呼吸が読みにくい

これはセッション中、リラクゼーションやフォーカシングなどをやる場合に、難しさを感じることです。こういうワークの誘導の声は、息を吐くタイミングに合わせてかけると良いのですが、オンラインではカメラの位置の問題もありますし、なかなか呼吸も読みにくく、タイミングを合わせにくい。電話カウンセリングの場合は、そもそもお姿さえも拝見できません。この時ばかりは「対面だったら、お姿も呼吸もバッチリ見えるのになぁ」と、オンラインの限界を感じずにはいられません。

やっぱり「カウンセリングは、対面で」?

となると、「オンラインカウンセリングのセッションは、通常の対面カウンセリングよりも『劣る』ので、やっぱり対面の方がいい」のでしょうか?

これは、カウンセラー、そしてクライアントさんによっても意見が分かれるのかもしれませんが、私個人としては「そんなことはない!」と、全力で異を唱えたい!です。

1万キロを一瞬で飛び越える「感情」

カウンセラーは、クライアントさんの世界を理解するために、自分の心を空っぽにし、その「入れ物」でクライアントさんの気持ちを受け止め体感することで、その心を出来る限り理解するよう、努めています。

ご本人が自覚されている気持ちはもちろんのこと、いたって冷静にお話しされていても、突然、私の心に「怒り」や「哀しみ」が湧き上がってきた時など、「なんだか『怒り』を感じるんですけど、心当たりはありませんか?」「急に『哀しみ』が湧いてきたんですけど、何か思い当たることはあるでしょうか?」など伝え返すことで、ご自身への理解が深まるよう、サポートしています。

こういう時はもう、「どかん!」とダイレクトに感情が飛び込んでくるので、鳥肌が立ったり、心臓がばくばくしたり、泣きそうになることもあります。そうなると、自分とクライアントさんとの間の物理的な距離、例えば日本とフランスや、フランスと中南米の1万キロの距離など、一切感じません。

パソコンやスマホ越しとはいえども、生の感情が飛び込んできて、「今、ここ」を共有していること、「今、ここ」で深い交流が起きているのを感じます。そうなると、クライアントさんが半径1m以内に座っていようと、1万キロ離れた場所に座っていようと、対面もオンラインも違いは全く感じないのです。

「オンラインカウンセリング」でしか実現しない出会い

現在、オンラインカウンセリングのcotreeというプラットフォームがあるお陰で、私はその「舞台」にカウンセラーとして登場できています。

私のクライアントさんたちも、「対面カウンセリングという舞台」には、登場することがままならなかった方がほとんどです。約3割の海外在住の方々、地方在住の方々、また、就業前や就業中、就業後の時間をやりくりしたり、お子さんを寝かしつけた後、時間を作って受けてくださっている方々。

また、「対面カウンセリングには敷居が高くて行けないけど、オンラインなら何とか」と勇気を振り絞ってご相談くださる方や、逆に、対面では合うカウンセラーが見つからなかったからカウンセラーを選べるオンラインで、という方もいらっしゃいます。

こんな風に考えると、「オンラインカウンセリングという舞台」があったからこそ、これらの出会い、セッションは実現した訳なので、オンラインか、対面か、という比較自体が意味のないことなのかもしれません。

それに、殆どのカウンセラーは「対面」から「カウンセリングの世界」に足を踏み入れるので、最初はオンラインに違和感や戸惑いがあるのですが、クライアントさんは、「そもそもカウンセリングが初体験」という方も多く、「カウンセリングって、そういうもの(オンライン)」と捉えていらっしゃる方が多い気がします。

オンラインカウンセリング、私なりの結論

上述した通り、通信の問題や、PCやスマホを介してのコミュニケーション、ということで、そこに多少の問題を感じることはあります。でも、それがずっと問題であり続ける訳ではなく、じっくりと課題と向き合って、無二の信頼関係の中で、少しずつ癒しと変化を得ていく」というプロセスは、オンラインも対面と遜色ない、と感じています。

セッションルームでクライアントさんと1対1で向き合い、濃厚な時間を共有できるのであれば、それは本当に素晴らしいこと。一方で、オンラインだからこそ、時空を越えて、どなたにでもセッションを受けるチャンスが生まれるのも、本当に素晴らしいこと。

対面にしろ、オンラインにしろ、クライアントさんに、そして、カウンセラーにとっても、色々な選択肢があるのは素晴らしく、それぞれが、それぞれに合った方法を選んでいけば良いのだと思います。

そして、私自身としては、オンラインカウンセリングのカウンセラーとして、自分の分を精一杯努めていきたいと思っています。

**当方とのカウンセリングに興味を持たれた方は、こちらから**

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